時の流れ
「おい、刀香」
「もっとしっかり打ち込んでこんかい。」
「いかなる時も、手を抜くな!」
「抜けばそれだけ死につながることは知っているだろう!」
「分かってるよ、師匠。」
「どんなことがあろうとも、刀を離すな、でしょ。」
「分かってるじゃないか、刀香。」
私は、士埼刀香。
名前では、女に見えるが、私は男だ。
六歳の頃から、礼儀や、剣術を教えられ、その次は、体術までも教えられ、さらには、外出時に、刀の携帯を警視庁から直々に許されるなど、普通ではありえないことをしていた。
さらに、外見でも女性に見えるため、よく間違われるのだ。
そして十歳になるころには、親から実力を隠すよう言われ、十五歳になれば、私は、女に間違われ、誘拐されかけたこともあった。
すぐに対処はしたが、あれは最悪な思い出だった。
父が警視庁の超エリートなのもあり、十七歳になった時には海外を飛び回り、色々な場所の私服警備員をさせられたり、広い視野と、細かい注意力を鍛えるために、海外のスーパーやお店で、万引きGメンをやらされたり、いろいろ鍛えられた。
それに加え、十八歳で警察に入ったあと、大きく出世し、警察官としても地位が高く、大人数の部隊を指揮できるようになった。
十九歳になった頃には、師匠にも勝てるようになってきており、そのおかげでこんどは機械系の勉強をさせられ、二十四歳になれば、国のサイバーセキュリティの警備に推薦されるほどになった。
そのおかげで、表では普通の人であり、裏では国の一部を預かる重大な人物だった。
そんな彼には、一つの欠点があった。
それは、かなり、用心深いのだ。
人と会う時も、全てのことに警戒しており、
全く隙を見せないのだ。
唯一隙を見せるとしたら、家族と話している最中の一瞬ぐらいしか、隙を見せないのだ。
それだけ用心深い彼だからこそ、仕事が入ると、その仕事の元を探したり、全てを調べ上げてから仕事にかかる。
そんな毎日を過ごしていた彼の日々がこうも変わるものだとは、誰も予想しなっかった。
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