君の世界を
君は安らかにこの世界を捨てたのだから
愚痴を言う必要もないし
悪態をつく必要もないし
この世界を恨む必要もないのだから
焦ることも競うことも必要ないのだから
私とは違う世界を見つめることができるのだから
この世界のことなど何も気にする必要はないのだから
誰も知らない世界の静けさと喜びを君の言葉で歌うことができるのだから
だから…… 君が知る死と生命の意味を密かに教えて欲しいのです
私が望むのは、ただそれだけです
君の世界を歌って欲しいのです
それこそが、私が聞きたい歌、私が渇望する唯一の歌、君だけが歌える歌を―――