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ダンジョン学園

ツイッターにて呟いていた、とある作家さんを巻き込んだ外伝、及びコラボスピンオフ。

ダンジョン学園ここに投稿開始を宣言します。

キャラクター提供及び共著として 那周 ノン先生全面協力の元、この企画は進行しております。


ダンジョン課 及び 死ニ至ル呪イ、Gloriousのキャラが出来ており、そちらの方を読んで頂けているとなおの事楽しめると思いますので、そちらも併せてお読みいただければ幸いです。

 朝、慌ただしく生徒が登校してくる中、悠然と校門に立ち生徒一人一人に挨拶をする2人の先生。

一方はきっちりと伸びた背筋で丁寧にお辞儀をする赤髪の女性。

一方は気怠そうに挨拶をする女性。ではあるのだが、白いブラウスからは派手な色の下着が透けて見えていて、通り行く生徒、特に男子がしっかりと顔を向けて挨拶をする。


「フォワ先生、そのような派手な下着は慎むように何度も申し上げているはずですが?」

「その都度わたくしはお断りしているはずですわよ?」


 生徒の目の前にも関わらず、一発触発の雰囲気になる二人だが生徒の挨拶を挟むせいか、今この場で喧嘩するというような空気ではない。


 そもそもこの派手な下着も今に始まった事では無く、生徒達も一種の日常風景として受けれ入れている。

男子生徒に取っては眼福なわけで。それを楽しんでいる辺り、フォワ先生のリリスとしての性質がもろに出ていると言えるだろう。


 時間は過ぎ、もう残りは遅刻と断言しても差し支えの無い時間。

1人の女生徒が校門目掛けて猛ダッシュをしてきていた。


 ボブカットの銀髪を上下に揺らし、さらには猫耳まで揺らして、懸命に走ってはいるのだが。

無情にも、目の前で、本当に慈悲も無く赤髪の先生の手によって校門は閉ざされる。


 しかし一行にスピードを緩めない猫耳少女は、


「とうっ!!」


 気合一番、閉ざされた校門を飛び越え、見事に学園敷地内に着地する。


「セーフ!!」

「カノンさん、どう見てもアウトです。後で指導室に来るように」


 やっぱり無慈悲にそう告げられて、がっくりと肩を落とすカノンと呼ばれた生徒。

その生徒を見ながら、フォワの目が怪しく光るのを赤髪先生は気が付いていない。


「マデラ先生? そんなに厳しくしなくてもいいのではなくて?」

「駄目です。風紀の乱れはこのような些細な事から生まれるものです。規律は正しく守るためにある事を忘れないでください」


 そう言って校舎内へ向かって歩くマデラは、


「ああ、それと。上空を飛んでもバレていますのでハーピィ先生も後で指導室へ」

「あレー? バレてター?」


 目ざとくもう一体の遅刻者を見つけてそう告げた。


*     *     *


「ほなー出欠取るでー。ていうても見た感じ一人も欠けてへんし、体調悪いチビッ子は自己申告しいや」


 凛々しい佇まいで9本の尻尾を揺らしながら、教室内を見渡してそういう彼女。


「神楽せんせー、先生に対して恋の病を患ってまーす」

「寝言は寝て言いやー。それにうち、人妻やで?」

「だからいいんですー」

「目ぇ覚ましや。周りの女子が怖い顔して睨んでるで?」


 生徒からの茶化しを受け流して、神楽と呼ばれた先生はHRを続ける。


「連絡事項は無し。しいて言うなら生徒指導のマデラ先生が朝からご機嫌斜めらしいから、目ぇ付けられへんように注意しいや」


 生徒達から笑いが起こるが、言った神楽本人は、欠片も冗談のつもりは無かった。


(あんこ、機嫌悪いと何しでかすか分からへんし、校長せんせ辺りにでも見張ってもろとくか。)


 そんな事を考えているとHR終了のベルが鳴り、


「1限目はこのままうちの授業やから、準備しといてや」


 とだけ言い残して、神楽はどこかへと姿を消した。


*      *      *


「ほんなら、今日の授業はここまで。終了のベルまではいつも通り質問なんかを受け付けるで」


 神楽の授業は、終了10分前には説明も板書も終えて残りの時間を質問の時間としていた。


「先生、歴史の授業ってなんの役に立つんですか?」

「ほぉ、うちの授業でそんな事聞くんかチビッ子」


 一瞬、息が苦しくなる錯覚をほとんどの生徒は覚えるが、質問した生徒、赤茶色のくせっ毛の少年はどうやら感じていないらしく、さらに質問を続ける。


「過去の事を振り返った所で、何かを得る事が出来るとは思えません」

「ほうけ。まぁ、何の役に立つかなんざうちにも分からん。せやけどな、「知らん」て状況よりは、多少でも「知ってる」方が有利なのは当然や。今あんたらチビッ子が何も得る事が無いって思っとっても、ひょっとしたら先の人生で多少でも必要な場面があるかもしらん」


 立ったまま話していた神楽先生は、教壇に腰掛け、なおも続ける。


「そん時になって、あの時授業を聞いていれば。なんて後悔して困るんはチビッ子達やし、そうならへんようにするのがうちら教師の仕事。全部に興味を持てとは言わへんけど、少なからず頭の片隅に置いとけばええんちゃう? 少なくとも、そういう授業をしとるつもりやで?」


 納得したけ? と聞かれた生徒は、


「分かりました、ありがとうございます」


 とだけ言ってノートに黒板の文字を写す事を再開する。


「他に質問は? 無けりゃ自習しとき」


 結局、この後質問をする生徒は居なかった。


*    *    *


「ハル、あんた何であんな質問したのよ!?」

「別に、気になったから」


 先ほど質問した少年を捕まえ、そう質問を投げかけた亜麻色の髪の少女は心配そうに少年の顔を覗く。


「にしても、神楽先生だったから良かったものを。他の先生だったなんて言われているか」

「大丈夫だよビアンカ、俺もその辺は(わきま)えてる」


 他の先生だったら、と言われたハルは、脳内で同じ質問をした時の先生の反応を想像する。

驚いて挙動不審になり涙を流す先生、何も言わずに睨みつけてくる先生、周りの男子がうらやむ様な事をしてくるであろう先生、目にも止まらぬ速さで頬を叩くであろう先生、怪しい笑みを浮かべて脅してくる先生……。


 考えた結果、ろくな先生が居ないな。まともなのは神楽先生だけか。という結論に至り、彼は二度とこの質問をしないと、心に誓うのだった

続き期待しないでください。


いや、のっけから何言ってんだって話ですが、これ書くのに結構打ち合わせしててですね。

その、……時間がですね。あまり取れないというか……その。はい。頑張ります。



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