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ある暑い日の事

 うだる様な暑さ。差し込む陽は地面を熱くし、場所によっては陽炎が発生しているほど。

まだ陽の上り切っていない午前中の、しかもギルドへ出勤する時間にも関わらずに起こっているこの状況今日は異常気象と言えるだろう。


 火属性に耐性があると言えど、火と陽ではまるで違うようで、ギルドへ到着する頃には汗を大量にかいていた。


 すでにへばっていて、視線を落として歩いていた。そもそもいつも通りと周りを気にしていなかった。

そこに、それがあるという意識が無かった。


 ぶにっ。とつま先が何やら柔らかいものに当たり、はて? と首をかしげて、何に当たったかを確認して、


「……くぁwせdrftgyふじこlp!?」


 普段では絶対に出さないであろう声を上げた、と自覚はしましたが、これは仕方が無いです。

私が確認したソレは。


 大きさ、私二人分くらいでしょうか。 太さ、同じく私二人分くらいでしょう。 長さ、またまた私二人分くらいの、大きな大きな……芋虫でした。


 私が慌てた気持ち、わかっていただけますかね?


*


「うぃーす、……何やってんだ?」

「マデ姉おはようございますなのです。……何してるのです?」


 親子仲良く出勤してきた二人に突っ込まれますが、いえ、あれを見て頂けると分かるかと。

巨大芋虫を指差してあれを、と二人に伝えると。


「ん? ……うぉ!? 何だありゃ?」

「おっきな芋虫なのです。あれ成虫になると何になるんです?」


 ごめんなさい、何? と聞かれても知りませんし知りたくもありません。

というか関わりたくありません。勘弁してください。……帰宅してもいいですかね?


「とりあえず、あいつ退かさないとギルドには入れねぇぞ。正面口に居座られちゃあ冒険者も入れやしねぇ」


 そう、無視すればいいのでは? なんて思われたかもしれませんが、あの芋虫、正面入り口を塞ぐように居やがるんですよ。

そもそも近づきたくありませんし、ミヤさん、お願いします。どうにかしてください。


「揃いも揃って、ギルドに入らず何をしておるのじゃお主ら」


 状況を知らないマオ様がようやく出勤してきたようで。

かくかくしかじかと説明。


「なんじゃ、そんな事か。……あやつを退かせばいいんじゃろ?」


 何やらマオ様に秘策でもあるのでしょうか。

マオ様は芋虫に近寄って行き、懐から魔操傀儡を取り出して、


「どっせーーい!!」


 掛け声と共に魔操傀儡と同時に思いっきり芋虫を…………蹴飛ばした。


 マオ様以外の3人で口を大きく開けて、ただただ呆然とする。

そんな力技で……


 蹴飛ばされた芋虫は、なにやら空中で縦に割れ――っ!?

嫌な映像を見まい、と目を固く(つむ)ったが、


「な、何なのです? あれ?」


とのツヅラオの声で恐る恐る目を開けて……飛び込んできた光景に思わず、


「何ですか……これ?」


と言葉が漏れた。


*


 目の前には端整(たんせい)な顔立ちの男女2名。

しかし、頭には虫を思わせる触覚が生えているし、背中にはそれぞれ色の違う羽も生えている。

どうやら芋虫が割れて出てきたのはこの二人だったようで。

とりあえずギルドに入り、窓口をツヅラオとマオ様に任せて私は2人から話を聞くことに。


 茶色の大きな羽に同じく茶色の髪と瞳。少年のような見た目の……()のモンスターの彼。

ミヤさんが一目見て、


「ヤママユガみてー」


と言ってましたが、ミヤさん達の世界の蛾ですかね。


 そしてそのヤママユガの男の子の腕に抱きついて、不安そうに見つめているのは、

水色の羽に水色の髪と瞳、同じく少女の見た目の、こちらは蝶のモンスター。

こちらは


「モルフォ蝶だな」


とミヤさん。

随分と虫に詳しいらしいです。


「とりあえず、自己紹介をいたしましょう。私はマデラ・レベライトと申します。ここ冒険者支援ギルドにてダンジョン課の窓口を請け負っております」

「……」「……」


 二人して無言で見られると、どうしていいか分からない……あ。そうでした、つい人間の言葉で話していたようですね。

モンスター語に直し、先ほどの自己紹介を繰り返す。


「僕は泥蛾だよ」「私は氷蝶なの」


 簡潔に種族を説明してくれた二人は、ねー。とお互いに顔を向けあって笑顔で首を傾ける。

可愛いですねぇ。ええと、泥蛾と氷蝶ですね。……はい? 属性付き昆虫モンスターという事でよろしいんですよね?


 ……間違いなくデタラメのお仲間ですね。本当にありがとうございました。

せっかく吸血鬼が居なくなり、デタラメが減って気が楽になったと思ったのですが、また出てきますか。


 昆虫モンスターと言うのは、魔力を持たず、各々の能力として魔法のような物を扱う者たちが居ます。

ただし、二人の様に属性を操る者は非常に(まれ)です。

大体はバフ、デバフの能力しか持ちえませんし、その理由は能力として媒体にしているものがフェロモンであるから、というのが人間の研究で分かっています。


 つまり彼らは、そのフェロモン等のなんらかの特性が、直接属性に結び付くというわけで、分かりやすく言うとその属性の魔法を常時撃ち続けても全く問題ないという事です。


 下手すると、私ですら近づく前にやられる可能性すらある2体の登場に思わず私は頭を抱えた。

ご愛読ありがとうございます!


とりあえず、スピンオフで新キャラとかこの作者大丈夫ですかね。

しかもまたショタ枠ですよ。

ショタキャラ抜けたから補充したって事らしいです。


先が思いやられますね(他人事)

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