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エピローグ

 朝、鳥の鳴き声が聞こえ始める頃、僕は目覚めた。起き上がると両腕を上げ大きく伸びをする。ベッドの上に再び身を横たえることができたるようになってから、よく眠れるようになった。周囲の本棚をぼんやりと眺めながら僕はそんなことを考えていた。

 アリシアが僕と一緒に暮らすにあたって、色々な物が運び込まれた。その中にはダブルベッドもあったのだが、彼女と一緒に眠るわけにはいかないので、今まで使っていたものをギルに頼みどうにか書斎の方に移してもらい、僕はそこで寝起きすることにしたのだ。

 家畜小屋へと向かう前に僕はそっとアリシアの眠る部屋を覗く。大きなベッドの上に横たわる彼女の両目は伏せられ、安らかに眠っていた。一人が怖いと言っていた彼女だったが、今ではだいぶ落ち着いていた。彼女が眠りにつくまで一緒にいてあげれば、時々真夜中に途中から付き添ってあげる必要はあるものの、大体そこからは一人で寝られるようになっていた。

 日課となっている吸血行為。新たに連れて来られた牛に覆い被さりその生き血を吸い、家へ再び戻る頃にはアリシアは起きており、台所で皿やコップを食器棚から取り出し、並べていた。

「今日の朝食は私が準備するわ」

 彼女は戻ってきた僕の姿を見るなりそう告げると、まだおぼつかない手つきながらも朝食の準備を始めた。彼女の細長く綺麗だった指は今ではかさつきひび割れている。これまでの貴族としての生活とは違って不自由で面倒なことが多い中彼女は精一杯頑張っていて、僕はそれを補助しつつ見守っている。

 今はただこんな風に過ごせる時間が続けばいい。

 僕はそう思った。











END.

*あとがき


七年前最愛の人を自身の吸血衝動で殺してしまったノエルと、そんな彼の元へ自分のことを殺してもらうために訪れた少女――――アリシアのお話である「半吸血鬼と死にたがりの少女」でしたが、なんとか完結させることができました。


あとがきといえば学生時代、図書館で借りてきて小説を乱読しまくっていたのですが、その際私は話自体はもちろんのこと、あとがきも好きで、作者によってはあとがきにも話のあらすじとか見どころとかも描いて下さっていて、あとがきも本を選ぶ基準の一つに入っているぐらい楽しみにしていたことを思い出し、久し振りに書き記しております。


ネット小説において読む人いるのか? とかむしろ話の雰囲気崩さないか? とかそもそも書くのが面倒だなと思っていた時期もあってここ数年は書いていなかったのですが……。(そもそも全然作品を完結させられていなかったのもありますが)


完結まで約三年と半年。

途中でラミエルの人物画を誰が所持しているかを作者自身が失念しており、最初の方の話と食い違いが発生してしまい、どうしようかと悩み放置していた期間が長かったり、そこからも中々書き進められなかったのが完結まで時間が掛かってしまった大きな要因かと思います。


結局、最初の方を活かし、一部食い違ってしまった部分をこっそりと修正したりしました。


本来は活動報告で告知すべきだったのですが、当時モチベーションもだだ下がりしておりまして、どうせ読んでいる人とかほぼいないし……とか後ろ向きなことを考えていた結果、何も知らせずコソコソっと変更してしまいました。


読んで下さっている方を戸惑わせてしまったなと今では反省しています。


個人的にはあまり吸血鬼物を書いている実感はなかったりしました。ノエルはずっと自分は吸血鬼だから云々言っていたのですが、作者的カテゴリーは人間でした。


あとノエルには元リア充の風格(?)を個人的に見せつけられていたりしました。


アリシアに対する気遣い方とか距離の取り方とか……。


アリシアは個人的に気が強くて素直じゃないけど、まっすぐで聡明で行動力がある感じがしています。


ただ気が強くて素直じゃないからこそ他人を苛立たせるところもあるなとも思っていて、危なっかしい印象がすごくあります。


ちなみに作中一番の苦労人はギルだと思います。


影で色々と頑張っていそう……。


そんなこんなでなんとか完結させれたのですが、ここで終わっておけばなんとかハッピーエンド感が否めないのがなんとも言えなかったりします。


色々と煮え切らない感じになってしまったのが心残りだったり……。


ですが、なんとか完結まで書き切ることができて良かったです。


ここまで読んで下さり、本当にありがとうございました!





2019.07.28

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