中学野球の厳しさ
「ハア、ハア、何てきついんだ。」覚悟はしていたが予想以上のきつさだ。この日は雨の日で外で部活動をする事が出来ず、中学校野球部での初練習は学校内での体力トレーニングとなった。深沢大輝は背の低めの元気で明るい少年だ。今、中学校の練習のきつさをとても痛感している。だが、一つ上の背が少し高めで後輩いじりが好きな三空隆太は「今日の練習楽だわー。」と言っている。こんな練習が楽なわけないと深沢は思っていた。その日の練習は3年生、2年生、1年生、先生で自己紹介をしてから始まった。顧問の梅田修先生は背が高く細身で少し怖い顔をしているが凄く野球熱心で素晴らしい先生として市内でも有名だ。深沢も先輩などから話を聞いており予想はしていたが思った以上に迫力がある。梅田先生の前での自己紹介に1年生は緊張気味だ。その中でやはりトップバッターとして自己紹介をしたのは持島浩太だ。持島は少し太り気味でいかにも頼れるようなリーダー肌だ。小学校の野球チームの時、キャプテンを務めており、こうゆうときは凄く頼りになる。持島から順に田川光、糸村龍太郎、深沢大輝、倉石悠真、高田優也、広井優基、長谷玄也、武山大、中村怜、濱本拓の1年生11人が自己紹介をして、その後に梅田先生、3年生、2年生と自己紹介をした。自己紹介をしてすぐ10分間走、階段ダッシュ、体幹トレーニング、腹筋、腕立て、背筋をした。1年生の半分は10分間走で先輩との差を凄く痛感していた。その後の階段ダッシュなどは1年生にとって地獄のメニューであった。小学校の時にあまり体力メニューがなかったせいかこの階段ダッシュが先輩との差を1番感じていた。こんな練習を毎日していたら体が持たないと思った。だか、慣れとは恐ろしいもので2週間毎日練習を頑張っていたら筋肉痛で体が痛いということにはならなくなった。1年生が入学して1ヶ月経たないうちに昨年の秋、準優勝をしたので