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二章 ステップアップ
神の剣
それは英雄にしか扱えない聖なる――あるいは邪なる剣。
護神の剣、コールブランド。
女神の剣、クラウ・ソラス。
死神の剣、ダーインスレイヴ。
そのままではただの朽ちたる剣だが、適格者が力を注ぐことで武具となる。
武具の種類は千差万別。力の性質だけでなく、力の保持者の性格をも反映し形作る。
それ故同じものは二つとない。
僕
僕とは英雄に付き従う者。
それは僕であったり、仲間であったり、同胞であったり、各人において呼び方は様々だ。
僕は神の加護を受けている。
生れし時より加護を受け、その血に流れる力がその者を作り上げる。
しかし僕は、その力を振るうことはできない。
力は英雄の為にあり、英雄は神の理念に尽くす。
英雄の認めない僕は僕ではなく、それは神の加護を受けし者ではない。
僕とは即ち、神の理念――英雄の意志に賛同し、付き従う者。
英雄が加護を受けし者を認めた時、その者は刻印を受けるであろう。