ハッピーな絆
たかちゃんは目を輝かせ、倒れたまま笑う。
「ハッピーちゃん、凄いなぁ……自分で高貴って言うだけあるなぁ……勝者の権利をそんな事に使うなんて、たかちゃん目から鱗やで?たかちゃん、勝ったらビール奢ってもらうつもりやってんで……?」
ハーピーはくすくす笑い、翼を軽く揺らす。
「あら、ビール? 私なら上質なワインを用意するわ。獲物を魅了する私にぴったりでしょう?」
たかちゃんは倒れたまま、楽しそうに続ける。
「たかちゃん、ワインはアカンねん……やっぱたかちゃんは高貴じゃないんやろうな?ビールが一番や。焼酎も好きやで?」
ハーピーは翼でたかちゃんを優しく包み込み、笑う。
「もう、仕方ないわね。ビールでもいいわ。でも次は私のワインを飲んでもらうからね?」
たかちゃんはゆっくりと身体を起こし、笑顔を見せる。
「いやぁ、スタミナ回復してきたわ。ハッピーちゃんありがとな」
ハーピーは翼を畳み、優しく言う。
「あら、もう大丈夫なの? でも無理は禁物よ。私の巣で休んでいったら?」
たかちゃんは少し照れながら、頭を掻く。
「これ、恥ずかしい話やけどな……?」
ハーピーは首を傾げ、興味深そうに。
「なに?」
「たかちゃん、今晩の宿探してたんや。たかちゃん、この世界来たばっかりで、なんもわからんねや。だから、ハッピーちゃんがそう言うてくれるんやったら、甘えさせて貰ってもええか?」
ハーピーは嬉しそうに微笑み、翼を軽く広げる。
「あら、運命的ね。私の巣で休んでいきなさい。でも...代わりにあなたの世界の話、聞かせてくれるかしら?」