7話 魔王グダラ
アラート
—大量の侵入者を確認。ダンジョンの防衛をしてください。—
「うわっ!?なんだこの量は!?」
ダンジョンの入り口を埋め尽くす敵を表す赤い光。
「どうやらゴブリンの魔王グダラが攻めて来たようです。」
エリートリビングアーマーさん改めて、デュラハンがそう俺に進言してきた。
「はぁ!?魔王?そんなのいるの?っていうか凄い量だなまだまだ入ってくるぞ!?」
「私にお任せを。必ずや我らに攻め入ったこと後悔させてやります。」
—頼んだぞ!逆にこいつらをここで殺しまくれば大儲けだ!!—
「はっ!」
デュラハンはダンジョンの防衛に向かった。
やっぱりデュラハンはめちゃくちゃ強かった。
津波のように押し寄せてくるゴブリン達をバッタバッタと殺しまくり、逆に押し返していった。
ドラゴンもすごかった。ドラゴンから放たれるドラゴンブレスは凄まじい勢いでゴブリン達を焼いていく。さらに、ドラゴンはダンジョンから出て、外のゴブリン達も焼きまくっているようだ。
時々すごい量のポイントが一気に入ってくる。たぶんデュラハンがランクの高い敵を倒しているのだろう。
っていうか、うちのダンジョンの兵力結構強いな。
「なんだ?家が騒がしいな。」
—なんだ、やっと起きたか。大変なんだぞ、今魔王が攻めて来てるんだ。デュラハン達が圧倒してるから心配無さそうだけどさ。—
「えっ?魔王?じゃあ、あの2人は死んだな。」
ベルフェは何でもないことかのように背伸びをした。
—えっ!?死ぬ?どういうこと?—
「魔王はSランクだぞ?Bランクの奴らが勝てるわけなかろう?一瞬で負けるんじゃないか?」
そう言ってベルフェはまた布団に潜ろうとする。
—はぁ!?ベルフェ助けに行ってこい!!—
「いーやーだー。なんで私が。弱い奴が死ぬのは当たり前。怠惰の私が働かないのも当たり前。そもそもくっさいゴブリンの大群の中にこの私が行くわけないでしょう?なんとかするのは、あ、る、じ、様の仕事でしょ?」
やばい、ほんとに殺意が湧く。
—いいや、あいつらが勝てないなら勝てるのはお前しかいない。戦ってもらうぞ?—
「私は怠惰の原罪。命令は全て拒否できる。」
ベルフェはそう言って不敵に笑う。
俺とベルフェが喧嘩しているとドラゴンが片腕をなくしてダンジョンに帰って来たのだった。
そこから形勢は逆転した。
ダンジョン内で戦っていた敵軍に対して今まで優勢だったが、それは敵軍の先発隊だったらしく、凄まじい数のホブゴブリンで構成された軍が侵入してきた。
さらに、Bランクモンスターも多数見られ、中には明らかにAランクであろう強力なモンスターも侵入してきた。
「嘘だろ!?あのドラゴンが重症!?早く下がれ!絶対死ぬな!」
俺は急いでドラゴンを迷宮の奥に下がらせる。
「あのトカゲはどこ行った!!クソが、俺の軍勢を焼きやがって!おい、聞こえてるか!?ダンジョンマスター!!調子に乗って俺の国をむちゃくちゃにしやがって!先に喧嘩売って来たのはテメーだからな!殺してやるから覚悟しろ!!」
そう言って入って来たのはでっかい真っ黒なゴブリン。全身に赤い入れ墨をしている。
左手にはちぎったドラゴンの腕を持っており、そのドラゴンの腕を齧って食っている。
右手には真っ黒な呪われていそうな大剣を持っていた。
スマホ越しに一目見ただけでわかる。勝てる相手ではない。
俺は全てのモンスターを下がらせた。
「主殿、これはどういうことだ?私に仕事をさせようとしているな?」
ベルフェの周りにダンジョン内のモンスター達が集まりだしたのをベルフェは不審に思う。
—ベルフェしかあいつに勝てない。今回は頼らせてくれ—
「…はぁ、高くつくからね、主殿。」
ベルフェはそう言ってため息をついた。
「ははっ!!腰抜けどもが!まさか抵抗もせずダンジョンコアの間まで後退するなんて!馬鹿なのか!?」
魔王グダラはダンジョンを先頭で進んでいき、遂に俺のダンジョンコアルームに侵入した。
「バカは君の方だよ。」
ベルフェはそう言って久しぶりにソファーから地面に降りる。
「あぁ!?おぉ、すげー美女じゃねぇか!こんなサービスまであるなんて、気前がいいじゃねぇか!まぁ、ゆるさねぇけどなぁ!」
魔王グダラは舌なめずりをしながらベルフェを足から頭までいやらしい目で見る。
「許さないのはこっちのセリフだよ。私に仕事をさせるなんて。君は本当に愚かだ。」
ベルフェはそう言って自分のベッドから降りた。
「あぁ!?むかつく女だな。遊ぶのに手足はいらねぇよな!?」
そう言って魔王グダラはベルフェにドスンドスンと近づいていき、ベルフェの腕を掴んで引きちぎろうとしたが全く動かなかった。
「なんだと!?」
魔王グダラは驚きに目を見開く。
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