第43話 組織の名前
「なんだ?また呼び出して?」
俺はあかりにアジトにまた呼び出された。
「ふふん、私の成果を見せたくて。ボスはお金が欲しくない?」
あかりは誇らしげにそう言った。
「当たり前だろう。DPを潤沢に持っていてもこちら世界で大きく換金し、DPを供給するのはリスクだ。かといって金は必要だ。だから頭を悩ませているよ。」
お金は必要だ。立花家と取引した金がまだ残ってはいるが、収入がないのは心許ない。だからと言って大量のDPを換金することは敵の戦力の大幅な増強を許してしまう。今この世界は金は溢れかえっているが、DPは枯渇している。だから、大量のDPの供給は俺のアドバンテージを失うことにもつながる。悩ましいところだ。
ちなみに、俺のように大量のDPの獲得は現状不可能だ。DPは死体の吸収と地脈からの吸収でしか得られない。したがって俺のようにゴブリンの大量虐殺や魔王などの強力なモンスターの吸収を行えば大量のDPを得られる。しかし、そんなことそこを縄張りにしている魔王が許すはずはなく、もしもその地域のモンスターの大量虐殺など行えば必ず魔王に潰される。もちろん俺も向こうの世界でそんなことするダンジョンマスターが現れればすぐに潰す。
だから、俺だけが現状大量のDPを保有でき、これからも獲得できる。
「DPをお金に変えるのはこの世界にDPを供給することになる。DPで戦力を整えられるからね。じゃあ、アイテムとお金の交換なら?それなら使用用とはそのアイテムの効果に限られる。もちろん、強力なアイテムを渡すことはリスクではあるけれど、DPを渡すよりは全然いいと思うの。」
あかりはニヤリと笑ってそう言った。
「なるほど!DPを換金するんじゃなくて物を売るのか!それはいいな。ただ問題は販路か。大金を得るにはそれ相応の物を売らなければならないしな…かと言って俺たちに売り手のコネクションがあるわけでもないし。」
それならばDPをこの世界に供給することなく金を得られる。なるほどな。だけど、大金を得るためにはそのアイテムを売る販路が必要だ。やっぱり厳しいか?
「うふふっ、ボス。ちゃーんと販路は確保したわ。Mastersの社長さんともう話はついてる。もうこの間渡されたDPで最初の取引を終えて、まずは一万DP相当の物を売って一億円を受け取ったわ。高価なアイテムの需要は尽きないから売ろうと思えばいくらでも売れるわ。」
あかりが俺の隣に来て俺の腕に抱きつきながらそう言った。
「…優秀すぎない?」
俺はあまりの優秀さにぽかんとした顔を浮かべてしまう。
Mastersってあのダンジョン業界の先駆者の企業か?どうやって知り合ったんだよ…
「あとね、うちの組織の名前ってどうするの?一応うちにいるダンジョンマスターの数も100人を超えたよ。結構大所帯になって来たから組織の名前があった方がいいと思う。」
「組織って、なんか悪く聞こえるな。」
「いやいや、ダンジョンコアを人質にして従わせてるんだから正真正銘の悪の組織だと思うんだけど…」
あかりはジト目で俺にそういった。
「あははっ…そうだな。つーか、そんなに一気にダンジョンマスター増えてたのか。」
悪の組織って言われても全く反論できないな。
それにしてもすごいメンバーが増えたんだな。
「うん、拉致ってダンジョン攻略して従わせたら一気にボスにもらったDPを使ってDランクモンスターを持たせて3階層までダンジョンを拡張させてたんだけど、それが困窮してるダンジョンマスターの間で密かに広まって困窮した隠れたダンジョンマスターがうちに入りたいってたくさん来たんだよ。それはそうだよね、命がかかってるんだもん。彼らは従わされているという認識じゃないよ。こんな高待遇でそれもボスの庇護下に入れたんだ。ボスを崇拝してる人も出て来てるよ。」
「えっ?崇拝?」
なんかすごいことになってる?
「うん、それが狙いだったんでしょ?だから私に凄まじい量のDPを渡し、困窮しているダンジョンマスターを狙えた命じた。すごいね、ボス。強いだけじゃなくてここまで見通してたなんて。いや、こんなに頭がいいから強いのかな?でも、私はそのボスの思惑に気づいてちゃんと仕事できたよ?」
すごい?とはばかりにあかりが近づいてくる。
「う、うん。ありがとう。そうそう、名前だったな。そうだな…ギークっていうのはどうだ?」
「賢いオタクみたいな意味?」
「そうだ、このゲームのオタクみたいな意味さ。」
「いいね!じゃあ、私たちは秘密組織ギークね!」
「どんどんイメージが悪くなって行くな。」
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