第40話 俺のダンジョンの現状
「わかった、ありがとう。じゃあ、俺も報告するか。」
俺はそう言ってにやっと笑う。
あかりは有用だ。俺のダンジョンの現状を正しく伝えておいた方がこれから間違った選択をすることが少なくなるだろう。
「えっ、なんか報告することがあるの?」
あかりは目をぱちくりとさせる。
あかりは自分が報告することはあれど、まさかボスから報告されるとは思わなかった。
「あぁ、お前が思っていたよりも遥かに優秀だから俺のダンジョンの状況も教えようと思う。今、魔王ブルゴルと俺は戦争中であることは前に教えたな?」
俺は前回のおさらいをあかりにする。
「うん。えっ、まさか倒しちゃった!?」
「まず、事の発端は俺が魔王グダラを倒したことだ。」
俺はまずことの発端を説明する。
「って!すでに違う魔王討伐してたの!?」
あかりは目を大きく開けて、前のめりになって驚く。
「魔王グダラが大陸中央へ勢力を拡大するためには、魔王ブルゴルの支配する大山脈を抑えるのは必須。だから魔王グダラと魔王ブルゴルは常に抗争状態だった。そこに、俺が魔王グダラを倒し、魔王グダラの支配領域を手に入れた。魔王グダラの支配領域を武力で制圧していった俺を新たな侵略者となりうると判断し警戒した魔王ブルゴルは大軍を起こして俺に宣戦布告をして来た。」
「はぁ、壮大な話ね。」
「俺も魔王ブルゴルの大軍に対抗してダンジョンの戦力を向かわせた。俺は魔王ブルゴルの大軍に勝利してその勢いのままさらに戦力を追加して追撃を開始。魔王ブルゴルの大山脈に攻め入った。」
「ここが、この間言っていたところね?」
「俺はそこで大敗北を期した。大山脈の中腹までしか攻め入ることができず、魔王ブルゴル自身も戦っていないにもかかわらず、俺の向かわせた大軍は壊滅。Bランク以下のモンスターのほとんど全て殺されて俺は撤退を指示した。」
「ええっ!?」
「改めて魔王の恐ろしさを痛感したよ。大山脈攻略は難しいと判断した俺はやり方を変えて交渉に乗り出した。魔王ブルゴルと和平交渉はすでにまとまり、俺に賠償という形で大陸中央への交通に必要な山を割譲された。そして、これから友好的な付き合いをして行くことを約束した。」
「それってほぼ勝ちじゃん。」
「だが、こちらも失ったものは大きい。今はその割譲された山の要塞化をしている。これが今の俺の現状だ。俺はまたここで力を蓄え地盤を固める。主にダンジョンの強化、戦力の補充、そして魔王ブルゴル友好関係の強化だな。」
「やっぱりボスに着いて行くのが正解みたい!ボスすご〜い!!私も頑張るから、頑張ったらご褒美頂戴ね?」
「あぁ、もちろん。俺の為に頑張ったものには報いなければな。」
俺はそう言って立ち上がってポンポンとあかりを撫でて部屋を出た。
「うふふっ!ボスほんとにすごいじゃない。いつか寝首を掻いてやろうと思っていたけれど、これは本当に勝ち馬に乗ったわ。命を握られてるのは気に入らないけれど、裏返せば命を握らせてボスからの信頼を得ているとも考えられるわ。」
あかりはボスが出て行った部屋で笑いながら顔を赤めてそう呟く。
「まずは私の価値をボスにもっと伝えなきゃ。もしも私達が危機が迫った時に切り捨てられないようにしないと。」
ここで言う私達とはあかりとセラとしのぶのことだ。他の人間のことなど、あかりにとってはどうでもいい。
「さて、私のとっておきのをボスに見せてあげよう。きっとこれがうまくいけば私はボスから全幅の信頼を得られるはずだわ。うふふっ、ご褒美なにがいいかなぁー!!」
あかりはご機嫌にソファーに横になった。
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