第39話 勇者と魔王はイチャイチャしてやがる。
俺はスイの家でシャワーを浴びさせてもらって、着替えを借りた。
スイの家にいる医者に診てもらって簡単な治療もしてもらった。なんで家に医者がいるの?
「えぇ、負けたの?勇者なのに?」
スイは若干引きながら俺にそういった。
「いやいや、勝てないから。2対1だったし…」
俺は苦し紛れの言い訳をしてしまう。
「大変だったわね。大丈夫、勇輝は私が守ってあげるから。えっとぉ、アーリアだったわね?よかった私のダンジョンからすごく近いよ。すぐにモンスターを迎えに行かせるわ。」
スイはそう言ってアプリを操作し始めた。
「守ってもらわなくても大丈夫だ!」
俺は気丈にそう言った。
「こっちの世界では私はモンスターを3体までしか出せないけど、向こうなら私はその冒険者諸共、街を滅ぼすこともできるわ。いい?貴方はまだ弱いの。」
スイは真面目な表情で真っ直ぐに俺のことを見てそう言った。
「滅ぼすって!?」
滅ぼすってまさか街を襲うってことか!?
「そのくらいの力を持ってるってこと。でもね、私なんか吹けば殺せるくらいの力を持っている者も向こうの世界にはたくさんいる。その代表格が魔王よ。貴方の勇者の力はその魔王にすら対抗できるとあった。勇輝は絶対強くなるよ。だからそれまでは私に守らせて。」
スイは軽く笑ってそう言った。
「あぁ、ごめん。わかったよ。」
俺は反省する。スイがこんなにも俺のことを思ってくれているのに自分のくだらないプライドのために守ってくれなくてもいいだなんて言ってしまった。
「その代わり、強くなったら私も守ってね。」
スイはそう言って俺にウィンクする。
「あぁ、スイは絶対に俺が守る!」
俺は顔が赤くなっていくのを感じながらスイにそう言った。
「うふふっ!まだ頼りないかなぁー。」
スイはそう言って笑った。
「ぜってぇ強くなってやるからなー!」
俺はスイにそう言って2人で笑い合った。
「なんで俺はお前とパフェを食ってるんだ?」
俺はあかりに報告があると聞いてとあるカフェに呼び出されたわけだが、2人でなぜかそのカフェの大きなパフェを食べている。
「えっ?ボスも若い女の子とパフェ食べられて幸せでしょ?」
あかりはニコッと笑ってそう言った。
「いやー?別にー?」
「ボスのパフェも少しちょーだい?」
あかりはそう言ってあーんと口を開ける。
「いいけど、あーんはしないから口閉じろ。」
俺は自分のパフェをあかりの方に押して自分で食べさせる。
あかり「ちぇ」といって俺のパフェを突いていた。
「さて、満足しただろう?報告をもらおうか。あと、就職者について何かわかったか?というかこういう話はあんまり外ではしたくないんだが。」
俺たちはやっと大きなパフェを食べ終わった。
外ではそんな話をできないということですカフェを出る。
まじでパフェ食べただけだったな。
「えー、しょうがないなぁ。」
あかりはそうは言いつつ満足そうにしている。
カフェを出てそのまま人気のないところに行って俺はあかりを連れてアジトに転移した。
「ほんとボスってチートだよね。」
一緒に転移したあかりがそう言った。
「転移を使えるモンスターを買えばだれにでもできるようになる。まぁ、すっごく高いがな。それにお前達にもアジトへの鍵を渡しているだろ?」
Bランクで次元の住人というモンスターがいてそいつがゲートや転移などの空間系のスキルを持っているんだが、めちゃくちゃ高い。大体ランクごとにモンスターは一律の値段なんだが、特殊スキルをもつモンスターは値段が違い、べらぼうな値段が付けられている。
実はストアでスキルも買うことができるが空間系のスキルは買えないようだ。スキルにもレア度があるのだろう。
ちなみにスキルを買うとモンスターが居なくてもそのスキルはスロットにセットできる。モンスターにそのスキルを付与したらそのモンスターのスキルとしてはスロットにセットできる。しかし、そのモンスターが死んでしまうともちろん付与したスキルも消えてしまう。
「高すぎてだれも買えません。じゃあ、報告するね。まず、新しく捕まえたダンジョンマスターは数十人いるわ。あんまり優秀そうではないかも。みんな一階層しかないダンジョンマスター。ボスのモンスターにお願いしてすでにダンジョン攻略してもらったよ。」
あかりにはダンジョンマスターの従属化を進めてもらっている。
そしてそれはかなり順調だ。俺のダンジョンから次々とモンスター達を派遣してダンジョンを制圧している。
「あぁ、その話は聞いてる。早速すごい活躍しているな。その従属化させたダンジョンマスター達はどうしたんだ?」
「普通に暮らしてもらってる。ここのアジトに連れてこない方がいいかなって。ここは信頼できる有用な人しかいれないほうがいいし。簡単にやられたり捕まる人は場所バレが怖いからねー。」
「俺も同じ意見だ。必要になった時にそいつらを使おう。引き続きこちらの戦力を増やしてくれ。追加で100万DPを渡そう。いいように使ってくれ。」
あかりに追加で100万DPを渡しておく。
きっと有用に使ってくれるはずだ。
「まじ神!追加でとりあえず10万DPの融資もらおうと思ってた!欲しかった10倍も貰えるなんてやっぱりボス最高ー!ばんざーい!」
「というか、どうやってダンジョンマスターを見つけてるんだ?」
「ネットとか人づてに。結構見つけるだけなら簡単だよ。でも、おっきいコミュニティに入ってる人とかは下手に狙えないからそういうのに入ってない人を狙ってるからなかなか手こずるね。まぁ、逆にそういうコミュニティに入ってる人狙ってスパイみたいに忍ばせてもいいとは思うけどね。」
「なるほど。」
なるほどなぁ。狙う側からするとコミュニティはかなり機能してるのか。
「就職者についてはまだまだ情報が出回って来ないね。あっちの世界に行けるみたい。レベルアップして強くなる。職業が無数にある。アプリにクエストがあってそれをクリアすると報酬が貰える。ダンジョンマスターを倒せみたいな依頼もあるみたい。あと、ダンジョンマスターよりも就職者の数が圧倒的に多いね。」
「職業の多様性がやっかいだよな。どんな能力を持っているのかが未知数だ。」
「うん、そうだね。ダンジョンマスターと就職者はおそらく敵対関係だろうしね。」
「お前は引き続きダンジョンマスター達を取り込んでくれ。あぁ、強いダンジョンマスターは狙わなくていい。弱いダンジョンマスターを狙ってくれ。そして、加わったダンジョンマスターにはさっき渡したDPである程度DPで強化してやってくれ。」
強いダンジョンマスターに当たってあかりがやられたら大変だ。まだまだあかりに働いてもらわなくてはいけない。
「…あぁ、なるほどね。ほんと人の扱いが上手いのね。そして、これは私への最初のテストってわけか。任せて、きっと期待に応えるわ。」
あかりはしばし考えて意味ありげにそういった。
「うん?ありがとう。では、俺も報告するか。」
なんか少し勘違いしたみたいだけど、まぁいいか。
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