33話目 フレンド登録はしません。
「あの、先生!フレンド登録をしておきませんか?なにか会った時、私も先生を助けにいけると思うんです!」
スイはスマホを出してそう言った。
「…いや、フレンド登録は遠慮しておこうかな。」
星宮先生はやや考えてそう言って断った。
「どうしてですか?」
スイはそう言って首を傾げる。
「君はこれからたくさんイベントに参加するだろう?そうすれば自然と敵対するダンマスや就職者が増えていくはずだ。悪いが君のフレンドだとなにかの拍子でバレてしまった時、俺が狙われる可能性がある。それは他のコミュニティに入っていても同じだ。だから、俺はフレンド登録はしないし、どこのコミュニティにも参加しない。そうして生き延びようとしている俺のようなダンマスは一定数いると思う。理解して欲しい。」
「そうですよね。わかりました。先生も望んでダンマスになったわけではないですもんね。」
確かに星宮先生がフレンド登録を断る理由は理に適っている。
「あぁ、だが、君たちは大事な生徒だ。これは俺の連絡先だ。なにかあったら助けにもなろうと思う。相談にも乗ろう。保健室にくればもちろん力になる。」
星宮先生はそう言って連絡先が書かれた紙を俺とスイに渡してくれた。
「先生っ!俺、先生がそんないい人だなんて知らなかった!」
俺は連絡先が書かれた紙を受け取って笑顔で星宮先生にそう伝えた。
「本当に素晴らしい先生です!でも、もしも先生が襲われたらどうするんですか?正直、コミニュティには身分を隠して参加してもいいと思いますが。コミニュティに入っていてもどこの誰かはわかりませんし…」
スイは心配そうにそう言って星宮先生を見る。
「…いや、その必要はない。なぜなら、俺は最初のガチャでレアモンスターを当てたからだ。」
星宮先生はやや考え込んでそう答えた。
「レアモンスター?」
俺はそう聞き直した。
「そうだ。俺はBランクの強力なモンスターを引き当てた。だから、俺は俺の身も自分で守れる。俺のことは心配しなくていい。」
「ガチャってあの最初の5連ガチャですか!?羨ましいです。運がいいのですね?」
スイはそう言って表情を明るくする。
「あぁ、俺は本当に運がいい。」
星宮先生はそう言ってニヤリと笑った。
「先生が持ってるモンスターって、どんなモンスターなんだ?」
俺は気になってそう尋ねた。
「ナイトウォーカーというBランクのモンスターだよ。召喚して見せてあげようか?」
星宮先生はそう言ってアプリを操作し始める。
「見せていただけるのですか!?」
スイは驚いたように目を見開いた。
「あぁ、その代わり俺からもこれからの2人の現状とかダンマス達のこと、就職者のことを聞きたいんだ。俺はあまり表立って動くことはないから2人から情報を得たい。もちろん秘密にしたいことは話さなくていい。」
星宮先生は真っ直ぐに俺たちを見てそう言った。
「もちろんです!」「もちろんだ!」
俺たちはもちろん了承する。
「ありがとう。じゃあ、呼ぶぞ? 召喚 ナイトウォーカー。」
先生が呼び出したモンスターは2mほどある真っ黒な人形のモンスターだ。
顔などもなく全てが真っ黒に塗りつぶされたようなモンスター。
そして感じる圧倒的な威圧感。
体感でわかる。
俺はまだこのモンスターに勝つことはできない。
「こ、これは強そうなモンスターですね。この威圧感…レベルも相当高そうです。」
スイも思っていたよりも強力なモンスターが現れて少したじろいでいた。
「だから俺は向こうの世界でも生き残ることができているし、こちらでももしも襲われても迎撃できる。心配しないでくれ。」
星宮先生は自信ありげにそう言った。
「なるほど、そのモンスターがいるからなんですね。」
スイは納得したようにそう言った。
「さて、もう今日は帰りなさい。勇輝君も今日は疲れただろう。異世界転移は情報が出始めてから試した方がいい。もし本当に異世界転移して帰って来れるかも怪しい。これからは2人で協力していくのがいい。」
そう言って俺たちを見送った先生はなぜか深い笑みを浮かべていた。
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