食欲 vs 性欲 はっぱきらきらきーらきら
「勇者竹下!無事だったか!数ヶ月消息不明だったのでもうダメかと思ったぞ!戻ってよかった!」
竹下はノクタンに戻るなり、田中に抱きつかれた。ジジイに抱きつかれるのは本当に嫌だ。吐き気がする。
「ええ、要塞化された化外の街の攻略は難しそうでしたので、魔獣群体からぐるっと回って背後からゲリラ戦を仕掛けていました。」
「おお!そのお陰で魔族軍の攻勢が緩んだんだな!」
田中が涙を流して喜んでいる。さっさと離れてくれないかな。
「魔王軍の貴族を一人攫いまして、情報を引き出しました。聖人様はこの戦争の目的はご存知ですか?」
「多少心当たりはあるが・・。食料、ではないか?」
「さすがのご慧眼。痛み入ります。おっしゃる通りです。なぜそう思われましたか?」
「実は勇者中村がこの街を統治していた時代には、魔族領へ食料を輸出していたんじゃよ。この世界の食料のほとんどは豊穣の女神の賜物だから魔族が口にできるわけがない。中村は元厚生労働省の医官で、薬物等の知識も豊富じゃった。様々な薬草や魔群帯の毒草を利用して、それを中村が魔族でも食べられるよう、加工したんじゃ。だが、中村が死んでそれが途絶えた。」
「中村さんはそのレシピというか研究結果を残されなかったんですか?」
「この国の人間も使って作業は行っていたがこの国の人間はまるで理解できなかった。文書としても残っているが、わしですら理解できん。」
そう言って田中はマジックボックスから一冊のノートを取り出した。竹下は田中からノートを受け取り、パラパラとページをめくった。・・いやいや、これは素晴らしいマニュアルだぞ?どこで採取できるどの草花にどんな薬効があり、どの様な比率でブレンドすれば良いかが中学生でも分かる様に記載されていた。俺ですらすぐに再現できる。田中はやはりボンクラだ。いや、この世界の人間全てがボンクラなのだろう。中村さんはボンクラ相手に四苦八苦して早世してしまったのだ。竹下はそう感じた。
「どうじゃ?お主に分かるか?」
「俺も文系なので無理ですね。」
これを再現してしまったらせっかくのジビエ大戦争が終わってしまうかもしれない。この戦争こそ素晴らしき破壊の理なのだ。終わらせてたまるものか。
「そうか。それは残念じゃ。実は今日の夜中、敵の大攻勢が始まるという情報が入った。敵は魔王四天王が一人、妖魔リリス率いる妖魔軍団。」
リリス!リリスが来るのか!全力で身体をぶつけ合い、全力でお互いの身体を貪り食い、全力で殺し合い、全力でセックスしたい。
「やはり籠城戦かの。夜間で歩が悪い上に兵の士気も低い。」
ジジイらしい保守的な発想だ。全くトキメキが足りない。竹下は自らのトキメキを求めて強く反論した。
「聖人さま!何おっしゃってるんですか!失礼ながらそんな後ろ向きな発想はよくありませんよ。ここは全軍場外に撃って出て決戦すべきです。後詰の軍やできる限りのリーセ王国の軍を集めて一大会戦をやりましょう!」
「お主正気か?ここで負けても経戦できるようにしなければならないだろう。」
「聖人様のお言葉とは思えないですね。ノクタンが落ちたらどうなるとお考えです?民も兵も全員魔族の胃の中です。その噂が各都市に伝わり、世界は恐慌に襲われます。兵士も例外ではなく、我先に逃げる者達で大混乱です。つまり、この一戦で負けると次は無いのです。」
「確かにそうじゃ。しかし、兵の士気はどうする。」
「私にお任せください。これでも勇者です。兵士の士気を爆上げしてみせます。」
ノクタンの城壁を前にして人間軍2万魔族軍4万が対峙した。2万の軍勢を前にして、白馬に跨った竹下の演説が始まった。
「我こそは女神様に遣わされし勇者竹下である!」
オオォ〜。歓声が薄い。
「目の前の魔族軍4万。実に我が軍の2倍である。」
オォォ〜。更に士気が下がった。
「しかも奴らはお前らを食いに来ている。負けると須らく食い散らかされる。」
ォォォ〜。士気が地に落ちた。ここで竹下は大きく息を吸い込み、大声を出した。
「しかぁ〜し!相手の妖魔軍は全員女だ!この念画スクリーンでよく見ろ!」
魔法により夜空に投影された動画には妖魔軍が映っていた。全員美形である。オオオ〜!兵たちから歓声が上がった。
「この一番奥の女、これをよく見ろ。妖魔軍団長リリスだ。こんな美しい女を見たことがあるか?実は俺は先日こいつをレイプした。そして俺は桃源郷を見た。魔族の女はマ〇コも口も喉も最高だ!今ならよりどりみどり、ひとりに対してふたり。3P、レイプ仕放題!お前ら、女とヤリまくりたいか!俺の嫁とヤリたいかー!」
オオオオオー!戦時下で性欲処理もままならない兵士たちの士気が爆上がりした。
「剣がなくなれば、腕でいくんじゃ。腕もなくなったら足で蹴れ。足もやられたらチンポだけでもねじ込んでやれ!ヤリまくりたいやつは俺につづけ!突撃だ!獣になれ!お前らの巨根を思う存分にぶち込んでやれ!」
竹下は鎧を脱ぎ捨て全裸になり、刀一つで白馬に跨り突撃を始めた。兵士たちも全員全裸に武器のスタイルで竹下に続いた。
はだかでぶつかれ!若さでぶつかれドンと行け!振り返らずに止まらずに!ハッパキラキラキーラキラ!太陽の街、ノクターン!




