興奮は不自由でしょ
「あなたにはバディを組んでもらい、仕事をこなしてもらいます。私は何かと忙しいんでね。」
金子に地下駐車場まで連れてこられた俺は、車の前に金髪のスーツの女が立っているのを見つけた。車の前に到着して、金子がその女に「おう」と声をかけた。
「彼女が今日からあなたのバディとなる五木さやかさんです。仲良くしてください。」
「五木でーす。よろしく。」
「井上です。よろしくお願いします。」
軽く挨拶を交わしたが、その五木さやかという女はどこか不貞腐れていた。
「じゃ、五木さん、あとは頼みましたよ。」
そう言い残して金子はビルに戻ってしまった。「あ、」俺は金子に声をかけようとしたが、金子は早足でドアにはいっていってしまった。初対面の若い女と二人で残された。とても気まずい。
「あ、五木さん、これからよろしくお願いします。」
改めて会釈したが、さやかはそれを無視して車の運転席に乗り込んだ。
「ねぇおじさん、早く車乗ってよ。」
「は、はい」
俺は助手席のドアを開けた。と、同時に怒声が飛んだ。
「そっちじゃないよ!後部座席だよ!」
なんだよ、このヒステリック女は!俺も気分が悪くなりつつも、大人しく後部座席に乗った。
さやかは無言でエンジンをかけ、車を発進させた。突然の出来事でさやかの顔はあまり確認できなかったのでバックミラー越しに改めて顔を確認した。ラ◯ンドのサ◯ヤに似た顔だった。性格もキツそうだしこれからが思いやられる。不安が増した。
数十分は走っただろうか。車はオフィス街の一角に路上駐車された。と同時にティッシュとスマホが後部座席に放り込まれた。
「おじさん、これから10分後にこの歩道にターゲットが歩いて来るから。来たらちゃちゃっと殺しちゃって。」
「え、相手のレベルは何だよ。聞いてるか知らないけど俺の能力には色々と制限があるんだよ。」
さやかは「チッ」と舌打ちし、話し始めた。
「相手のレベルは50。みりゃ誰がターゲットかすぐわかるよ。あと、あんたが自分のレベルを50まで下げるんだよ。」
「そんなに簡単に言うけどさあ」
俺はすぐさま反論した。だが、さやかはそれに被せるように怒声をあげた。
「だからティッシュとスマホあげたんじゃん。さっさとオナニーしろよ、おっさん!」
なんだよそれ!オナニーで俺のレベルが下がるのかよ!それが監禁の実験結果かよ!
俺は仕方なくズボンを下ろしたが、バックミラー越しにさやかにチンポをみられないように配慮した。
「そんなきたねーもんみねーよ!さっさとAVみてシコれ!おっさんのレベルは私が計測してるから、レベル50になったら教えるから!」
俺は渋々、言われるがままにオナニーを始めた。金子のチョイスか、スマホに入っているAVのラインナップは俺の性癖に刺さるものだった。さやかのことは完全に無視して、AVに集中して興奮を高めることにした。
「おっさん、いい感じにレベル下がってんじゃん!レベル51!あと少し!」
いちいち実況を挟んてくるさやかに嫌気がさした。しかし、カウパーも溢れ、射精感が高まってきた。
「おっさん!ターゲットが来たぞ。レベルも今50到達!そのままキープだ!よし、そろそろだ。イけ!今だ打て!」
俺は我慢の限界だった。「打て!」の合図で盛大に射精した。快楽が脳にほとばしる。
「あ、てめぇ!今打てって、射精のことじゃねぇよ!魔法だよ!バカヤロー!」
精子はティッシュから飛び出し、後部座席に振り向いたさやかの顔に勢いよく降り注いだ。さやかは精子まみれになりながら俺をけっちょんけちょんに罵倒した。
車内でバタバタしている間にターゲットは行ってしまった。ミッションインコンプリート・・
帰りの車内の空気は最悪だったが、さやかは怒りを必死に堪えているようであった。ふと、さやかが持っていた俺のレベル測定用タブレットを覗いてみた。レベルが75になっていた。これが賢者モードってやつか・・
つまり、、性欲に支配された猿脳だとレベルが下がり、射精後は賢者モードでレベルが上がる、と。。




