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(098) いいお知らせです

◇◇◇ 高校 ◇◇◇

時刻は朝8時。


ここは我が校の裏門前。

オレは1人、JKが来るのを待っている。

お相手は、クラスメイトで長期間入院していた

茂木(もぎ) 乃々(ののか)

そうノノンである。


昨晩ホテルで休養しいたところに突然ノノンが現れた。

予定では明日だったはずで、直接寮に戻る

と想定していたが、まさかホテルに来るとは。


研究室ではこちらの状況を説明できなかったが

天使でいた頃の記憶を持っていたので大分はしよれた。

なので、直近の金沢さんや岩井さんの事件については

一通り説明したのである。


話し相手がいるのはいいな。

天使ではないがまたノノンに遭えた。

疲れていたはずなのに、会話は弾みガイヤ(地球)に

来たころの思い出で深夜に突入することに。


結果、ノノンもホテルに泊まることとになり

2人で夜を明かしたのである。

もちろん、部屋は別々だ。

スイートルーム内にはゲスト用の寝室もある。


そして、今朝は朝6時起。

朝食も取らずに急いで部屋を後にした。

2人して一緒にホテルを出たのである。


理由は、病み上がりの報告をしに

学校に行くためだ。

ちなみにオレは、保護者代理して付き添う。


ホテルを出た後、一旦2人は別行動となった。

オレは田中に乗り移りに発着室へ行き、

ノノンは制服に着替えるため寮へと戻る。


待ち合わせ場所は学校の裏門。

正門は夏休みにより閉鎖中だから。

そして、今に至る。


周囲を見渡すもノノンの姿はまだない。


♪ピコ


ハルキの携帯にLineが来た。

見ると岩井さんからである。


Line>ハルキ、戻って来た?

   元気?

   痛い思いとかしてない?


なんて人だ。

本当に心配してたのが伝わって来る。

どうしよう。

ますます岩井さんと会話し辛くなってきた。

今まで何してたか説明できる自信がない。


Line>田中です。

   ハルキくんは午後に戻ります。

   連絡させますのでお待ちください。


Line>本当に午後に戻るの?

Line>戻ります。ご安心ください。


さて、病院から連れ出されて、

今まで何をしてたか、どう説明しよう。


「博士!」

「うあぁ、びっくりした」


突然、真横で声を掛けられた。

声の主はノノンである。

いつの間にこんな近くに。

気付かなかった。

そしてノノンは携帯を覗き込む。


「なに見てるんですか?」

「なんでもいいだろう」


「よくオレだって分かったな?

 別人だったらどうするつもりだった」

「イケメンて言ったから

 間違いないと思った」


ノノンは一歩さがって、オレを()め回す。

なんだよ。

もしかして、格好が変?


「うん。カッコいい」


そっちかよ。


「だろ?」


「でもハルの方がいいな。

 見慣れてて、しっくりくる」

「ハルキはビジュアル的にも

 女子達に不人気なんですが」


「そこがいいんじゃん。博士らしい」

「なんだそれ!

 オレをバカにしてるだろう?」


岩井さんとのLineはいいか。

放置しとくとしよう。


「お腹空いたよ」

「寮で食べて来なかったのか?」


「一緒に食べると思ってガマンしてた」

「授業は午前中だけだから

 終わったらお昼一緒に食べ行こう。」


「美味しいの

 ご馳走してくれるんですよね?」

「あぁ、オレのおすすめの店に

 連れてってやる」


「きゃぁ~、楽しみ!ガマンできそうだよ」


朝からテンション高いな。

ノノンってこんなキャラだったけ?


「オレは先生に挨拶したら

 堀北さんの病院に行く。

 ハルキに乗り換えて向かいに来る」


「お昼はハルとなのね。それも楽しみ」

「あと、ガイヤでは博士と呼ぶな。

 いいな!」


◇◇◇ 某大学病院 ◇◇◇


「失礼します」


オレは堀北さんの病室へと入る。


「この度はお世話になりました。

 立派な個室まで提供して頂いて

 感謝しかありません」


堀北母が病室に迎えに来てたようだ。

身支度(みじたく)の準備をしてたようで、

入れ違いにならなくて良かった。

堀北父は不在。おそらく仕事だろう。


「先生ありがとうございました」


堀北さんが深々と頭を下げる。

手術は成功した。

そして術後も問題なしとのこと。

急に激しい動きはできないが、

元のように動かせるようになる。

こんな嬉しいことがあるだろうか。

顔には出してないが、堀北さんより

喜んでる自信があるぞ。


「リハビリの件、聞きました。

 手術だけでなく、退院後までサポートして

 くれるなんて感謝してもし切れません。」

「お礼されると心苦しいのですが、

 本件は慈善活動ではなく、実験なのです。

 術後の経過も含めてデータを採取させて頂きたい

 ということです」


「それは理解してるつもりです。

 それでもです。

 私にとっては運が良かったというか

 関わってくれた全ての人に恩返しがしたいです」

「であれば、試合で見せてください。

 全力で動く凛心(りこ)さんの姿が見れれば

 それが何よりもの恩返しになります」

「はい」


堀北さんと母は、2人してオレに深々と

頭を下げるのであった。


元気な姿の堀北さんを見れて感無量だ。

あなたには笑顔が似合う。


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