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(005) 幽霊は実在するぞ①

=-=-= 登場人物 =-=-=

ハル :寮に住む高校生 (主人公)

ノノン:天使と名乗る少女

堀北 :告白未遂のクラスメイト

 ◇◇◇ 男子寮 ◇◇◇


告白未遂から一夜明け、

オレを殺そうとした犯人が目の前にいる。


「あぁ---!」


抹消したはずの記憶が、目の前の幽霊に

よってフラッシュバックされることに。


あの時、顔ははっきりとは見えなかったが、

こんな服装だったのは覚えてる。


「お前か!矢撃った犯人は?」

「そうだよ」


「そうだよじゃねぇよ。殺す気か!」

「待って!狙ったのは女の子だよ」


「なお悪いわ。どういうつもりだ!」

「落ち着いてハル。私、天使だよ」


はぁ!?意味分からん。


「人殺しなんて、しないってこと」


「天使関係ないだろう。

 あの矢はなんだ?

 石に深くめり込んでたぞ」

「あれは2人の恋を実らせる矢だよ。

 当たってたら今頃カップル成立だったのに。

 避けるんだからもったいない」


「ちょっと待った!どういうこと?」

「だから。あの矢が彼女に刺さったら

 ハルを好きになったってこと」


「バカバカしい。

 お前はキューピットか」

「キューピットって何?」


「だから、ほら、あれだよ。

 弓を持った少年だっけ?」

「私は立派なレディーです。

 矢が当たんなくてショックだったんだから」


「知るかよ。こっちは死ぬかと思ったわ。

 しかも堀北さんに誤解されたし」

「もう、そのせいで天国への帰り方

 忘れたじゃないのよ」


「何が天国だ。

 こっちは地獄に落ちたぞ」


あぁ、学校行きたくねぇ。

どっきりは昨日から続いてたのか。

テレビスタッフさんよ。

責任取って堀北さんにちゃんと

事情を説明してくれよ。


♪ガチャ。(扉が開く)

「ハル、学校行こうぜ!」


いつものようにカイが、一緒に学校へ

行いこうと迎えに来たのである。


「ちょっと待った!何も言うな」


やばい、この()の説明しないと。

女子を部屋に忍び込ませたなんて

噂が広まったら退学ものだぞ。


「えーっと、彼女は違うんだ。

 テレビのドッキリなんだ」

「彼女?お前、女連れ込んでるの?

 なに、なに、なに。

 もしかして堀北さん?」


こいつ、ニヤ気てやがる。


「バカ言うな。

 何でここで堀北さんが出て来る?」

「隠すなよ。黙っててやるからさぁ。

 あの後、進展あったのか?」


ビンタされたあと、カイの知らないところで

再度告白したとでも言いたいのか。

できる訳ないだろう。

どんな顔して堀北さんと会えばいい。


「堀北さんじゃない」

「じゃあ誰だよ。オレの知らない人?」


オレの部屋には物がない。

入り口から全てが見渡せるのだ。

幽霊は今もなおオレの真横にいる。

カイから思いっきり見えてるはず。

まさか見えないふりをしてるのか?


「見えない。見えない。

 うまく隠せてるよ。

 で、どこに居るのかな!?」


カイは中へと入り、かがんでベッドの下を覗く。


「おはようございます。

 堀北さん!居ますよね?

 分かってますから。

 ハルの友人の岳中(たけなか)でぇす。

 恥ずかしがらずに出てきてください」


何してる?

堀北さんを隠してるふり?


「居る訳ないだろう」

「じゃぁ誰だ?俺の知ってる子?」


会話が成立してない。

っていうか早く隣の子に触れろ。


「いい加減、この子のこと聞けよ。」

「だれ?」

「ここの子だよ」


オレは両腕を伸ばし、幽霊の二の腕をさする

ようにして上下させた。


「やだぁ。」


カイは見て見ぬふりをしてるのか。


「ハハハ。パントマイム?

 それ面白くない。

 で、彼女さんはどこ?

 ここかな?」


カイはクローゼットを開け中を覗く。

まだ、しらを切り通すつもりだ。


部屋に少女が堂々と居るというのに、

それに触れないのはどう考えもおかしい。

なるほど、そういうことか。


「さてはテレビスタッフとグルだな!」

「テレビ?なんの事?」


「薄情しろよ。昨日から今日にかけての

 ドッキリなんだよな?

 カイも仕掛け人の1人なんだろう?

 あの場に居たんだし。

 いい加減終わりにしろよ」

「お前さぁ。

 女連れ込んで隠したい気持ちは分かる。

 その言い訳としてドッキリはないわ」


カイは窓際まで移動しベランダを確認。

頼むよ。

テレビスタッフさん、もう出てきて!


「だめだギブアップ。どこに隠したの?」

「だから、ここだよ」

「キャッ」


幽霊の胸に触れてしまった。いや感触はない。

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