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(034) 人生がリセットされたかも

 ◇◇◇ 寮の自室 ◇◇◇


ここはどこだ?研究室じゃない。

周囲を見渡しても見覚えがない。

だれの家?

落ち着け。整理するんだ。


頭が重いし、気分も悪い。

二日酔いか?

昨日、飲んだんだっけか?

なにも覚えてない。

まずい。覚えてない上に

人の家に転がり込んでる。


まさか、この子と飲んでないよな?

イヤイヤ、どう見ても未成年だ。

いくら何でも、それはないだろう。


それよりもエッチな事してないよな?

昨夜、お持ち帰りして来たとか。

ヤバイだろう。犯罪だ。

うわぁ、事実を知りたくねぇ。


「変な事をお伺いしますが、

 なぜ私はこの部屋に居るのでしょう?」

「どうしちゃったの?

 さっきの頭痛でおかしくなっちゃった?」


ん~ん、会話にならない。

分かってることは、ここがハルって人の

部屋だってことだけだ。


普通に考えたら、オレが酔いつぶれて

この部屋に運ばれたと考えるのが自然だ。

だから、この子は遊びに来ただけだよな?

看病してくれてたって説もある。

これだ。


「ハルって人は今どこに居るか知ってます?」

・・・


「知らないか。そうだよね」


これは困った。状況がつかめない。

あれ、この子、泣いてる。

えぇ、情緒不安定だよ。


「ハルが壊れた」


この子、何の話をしてます?

最近の若者は理解できない。


「えーっと。大丈夫?」

「自分の名前がハルだってこと忘れたの?」


急に電波なこと言い出した。


「はぁ!?オレがハルなの?へぇ」


ハルって呼び合うゲーム?

ルールが分からん。


待てよ。

オレの名は。

オレの名は。

・・・

あれ?自分の名前が思い出せない。

一時的な記憶障害か。


「自分の名前思えてないんだね。

 ノノンの事も忘れたの?」


ノノン?

あぁ、覚えてるとも。

ノノンのことは顔も名前もちゃんと

記憶にある。


「ノノンは知ってるよ。ありがとう。

 彼女に会えばいろいろと思い出せるかも」

「ハルは何を言ってるの?

 ノノンはここにいるよ。うぅ~」


少女の目から更に大粒の涙が溢れ出す。

もう、この場から逃げ出したい。


「君もノノンって名前だったんだね。

 ごめんね。覚えてなくて」


結局、なんも分からん。

全てがつながらない。ますます混乱してきたぞ。

この子と会話すればするほどパニックです。


外に出ればいろいろと思い出すだろう。

そもそもどこに居るんだ?都内だよね。


よし、この部屋を出よう。

そう決意し、オレが立ち上がろとした時、

足がしびれてて力が入らない。

バランスを失った。

あれ?体が思うように動かせない。


「あぶない!」


少女が両手を広げ、オレをキャッチする

仕草をする。

オレは少女の二の腕を掴もうとしたら。


♪ドッサ


腕をつかめず受け身を取って横に転がる。

そして、少女を再確認する。


「ハル、大丈夫?」


どういうこと?

少女の身体を通り抜けたことになる。

背筋に悪寒が走る。


「あなた幽霊?」

「ノノンは天使です」


そのフレーズ聞き覚えがある。

どっかで聞いた。

ヤバい。吐き気がする。

頭痛がして来た。

口の中が酸っぱい。


「ハル?ハル?」


身体がいう事を利かない。


♪ドッサ


オレは真後ろに倒れ、ベッドに寄っかかる。


「起きて!起きてよ!」


・・・


「ハルぅ~~。ハルぅ~~」


近くで女の子が叫んでる。

前にもこんな事あったなぁ。

デジャビュか?


「死なないで」


勝手に殺すな。


「起きてよ!」


ノノンか?ノノンだ。

オレは飛び起きる。


「あぁ~」


ノノンはオレに抱き着き顔をうずめる。


「生きてる。ハルが生きてるよ」


頭痛で横に倒れたところまで覚えてる。

寝てしまったようだ。

そのおかげで体の調子がいい。

頭痛は治まってるし吐き気もない。

何だったのだ?あの頭痛は。


「もう大丈夫。心配掛けた」

<<ノノンのこと覚えてる?>>


急に何を言い出す?


「忘れる訳ないだろう。

 言っておくが、ノノンの事だけは

 死ぬまで覚えてる自信あるぞ」

<<嘘つき。覚えてなかったくせに>>


「いつの話だよ」

<<でもいいの。ハルが生きててくれれば>>


相変わらず電波な奴だ。会話にならない。


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