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(193) 白川さん、孤独じゃないですか?

◇◇◇ 白川宅 ◇◇◇

時刻は16時。


ここは白川さんとノノンの家。

オレは嫁とハグした後、リビングへと入る。


あれ?ノノンが居ない。

部屋に閉じこもってるのか?


出て来なくていいぞ。

嫁と2人きりにさせろ!


「ジャスミン茶でいい?」

「いいよ」


オレはマットの上にあぐらで座る。


「はい」


嫁がガラステーブルの上にマグカップを置く。

気が利く嫁だこと。


「ありがとう。(のど)か湧いてた」


一気に飲み干す。


「お代わり?」

「座ってて」


立ち上がろうとする嫁を止め、

オレ自らキッチンへと行き勝手に冷蔵庫から

ペットボトルを取り出してマグカップへ注ぐ。

ちょうどその時である。ノノンが登場。


「あれ!博士来てたんだ」


けしからん。下着姿のノノンであった。

スポーツ用とはいえ下着は下着。

まぁ大胆なこと。


「ノノン!はしたないぞ」

「だって熱いんだもん」


『だもん』じゃねぇ。

そんなカワイイ声で言われると

強く言えんだろう。


「外から誰かに見られてるかも知れないぞ」

「いいよ別に」

「あっそ」


白川さんが居る手前、言わざる終えなかったが、

オレ的にはそのまま居てくれた方がいい。

ノノン、グッジョブ!

2人とも露出狂だよな。


「白川さんも同じ格好したら?」


やべぇ、つい本音が出てしまった。


「ノノンちゃんは注意して、

 私はいいんだ?」


嫁が突っ込みを入れて来た。


「それはそれ。これはこれ」


エロい格好見たいじゃん。

プール、(すげ)ぇよかったよ。

セクシーなコスプレ衣装も見たい。


「ハルキ、エッチな格好、好きよね」

「はい、大好きです」


ノノン、急に胸元隠すな!

オレの方が恥ずかしくなる。


ついでにノノンの分の飲み物も作って

テーブルに置く。


「ありがとう!」


「学校はどうだったの?」

「校長先生が、岩井さんの死亡事件

 の話しをしたよ」


バッカ!それはNGワードだ。


「ノノン、デリカシー無さすぎ」

「私なら大丈夫。気にしないから」


この後も、席替えの話しをしたり、

昼休みの話しなど。

学校での出来事を全てを白川さんに伝えた。


こんな話しを聞かされて、

白川さんは寂しくならないのだろうか?

孤独を感じないだろうか。

心配だ。

またコスプレやってくれないかなぁ。

コスプレでなくてもいい、

生きがいを見つけてほしい。


会話は弾み、まったりした時間が流れる。

部屋に話し相手がいるのっていいなぁ。

白川さんも新鮮なはず。


今日は特にすることがない。

いや、あるのだが考えないようにしてる。

現実逃避ってやつだ。


まずは文化祭。実施日は来週の土日。

演奏場所も決まってないし。

もう時間がない。

そもそも実施できるか怪しい。


文化祭のプログラムは夏休み前には決定してる。

明日、生徒会に乗り込んでみるつもり。

場所が取れるか聞いてみるが、

ダメだったらどうしょう。

渋谷でゲリラライブでもするか。


そして、更に次の週にはアイミーの

武道館コンサートが控えてる。

演出にオレが加わったことで、

やならなければならないことが多々ある。

オレが1人で動き回ると白川さんが

不審に思うだろうな。

彼女が出来たことで動きづらくなった。

後ろめたいことは、してないんだが。


あと、前田から相談があると言われてる。

いやな予感しかしない。

あいつの呼び出しに良いことが1つもないからだ。

しかも、現在研究室に戻っているという。

ガイヤ(地球)に戻ったら連絡するとの

ことだが、どうせ仕事の話だろう。

『絶対に受けない』自分に言い聞かせるのだ。



◇◇◇ 夕食後 ◇◇◇


「踊ってるみた動画なんだけどさ。

 バックで流れてるこの曲知ってる?」


♪シャカシャカプーン


オレはTikTokの動画を白川さんに見せる。

この曲、頭から離れないんだよね。


「Youtuberのオリジナル曲。

 踊っているところがサビ部分だよ。

 タイトルは覚えてないけど有名よね」

「この曲に洗脳させられてる。

 頭から離れなんだよ」


「分かる。

 この曲で踊ってる子、結構いるよね。

 つい見ちゃう」


白川さんが自分のスマフォを触り出す。


「ちょっと待って」


白川さんが立ち上がり、

携帯からまさに曲のサビ部分が流れ出す。

そして、オレの目の前で踊って見せた。


♪シャカシャカプーン


なんて楽しそうなんだ。活き活きしてる。

仕草や笑顔がカワイイ。

目が釘付けになる。


「こんな感じでしょ?」


さっき見た動画と同じ踊りをしたのだ。

流石だな。


「踊れるんだ?」

「簡単だから誰でも踊れるよ。

 10秒くらいしかないし」

「イヤイヤ、そんなことはない。

 踊ってみたで、TikTok初めたらどう?」


白川さんの生きがいを見つけた。

TikTokをやればいい。


「アップしてもだれも見ないよ」

「再生数なんてどうでもいいじゃん。

 オレが見ます。見たいんです。

 まずは投稿しようよ」


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