(191) 部活再開
◇◇◇ 部室 ◇◇◇
♪キーンコーンカーンコーン
午前中の罰ゲームが終了し昼休みへと突入。
オレとノノン、堀北さんの3人は、
昼食を取りに仲良く部室へと移動する。
到着すると部室の入口で男子生徒が1人立ってる。
「ハル!本当に寮を出たんだな。
どこに住んでるんだ?
マンションか?アパートか?」
「落ち着け!」
怪しい人物はカイであった。
「カイは、ここで何してんの?」
「カギ掛かってるから
金沢さん待ってたんだよ」
「私がなに?」
ちょうど金沢さんが登場。
「みんな早いわね。
初日から気合入り過ぎ」
カギが開けられ5人同時に部室へと入っていく。
席に着くなり。
「みなさん。我が部室へようこそ。
夏休みは楽しく過ごされましたか?」
「校長みたいなこと言ってんじゃねぇ。
そいうのいらないから。
大体お前、部員じゃねぇだろう」
金沢さんと堀北さんはクスクスと笑う。
面白い要素ありました?
まぁ、楽しいならいいけど。
早速各自テーブルにお弁当を広げる。
白川さんには悪いけど、
お弁当見せるの恥ずかしい。
「あぁ~!2人は付き合ってるの?
お前、ノノンちゃんに作ってもらったのか!」
オレとノノンのお弁当を見てカイが騒ぎ出す。
確かに色違いの同じ弁当箱だからな。
そりゃぁ疑うのも無理はない。
「だから付き合ってないと言っただろう」
「じゃあ、何でお弁当箱がお揃いなんだよ。
中身も同じじゃん。
偶然とは言わせないぞ」
さて、どう説明しよう。
買って来たと言ったら信じます?
「これ。ハルキの彼女が作ったの」
バカ!余計なこと言うな!
「細倉くん彼女居たんだ?」
やばい、堀北さんにバレた。
あれ?伝えてなかったけ?
もう、誰に何の話ししてるか混乱してきた。
パニックです。
「凛心ちゃん聞いてくださいよ」
カイ!てめえ、気安く下の名前で呼ぶんじゃね。
「すげぇ美人の彼女がいるんですよ」
また始まった。アイミーネタかよ。
「それは気になりますね」
「どんな人?同じ学校?」
「はーい。皆さん静粛に」
ハイハイ、どうぞ発表しちゃって!
「岩井さんの告別式で見たんだけど。
モデルのような背が高くて細い人だった」
岩井さんの告別式?
あ!
記憶喪失の直前にカイに見られたわ。
「これから細倉春輝くんの裁判を
始めます。容疑は2つ。
1つ目、美人の彼女はどこの誰で、
どうやって知り合ったのか?
2つ目、アイドルのエミリンと
どんな方法でLineを交換したか。
ここを明白にしたいと思います」
お昼も罰ゲームかよ。午後も地獄だし。
明日からニートになります。
1つ目の問いに対しては、ノノンが説明。
白川さんと同い年だが学生ではない。
同じマンションに住み、2人でシェアしてる
という事実が伝えられた。
ベラベラと喋らないでもらいたい。
ノノンが知り合いになったきっかけは、
オレに彼女が出来て、その紹介で仲良くなった
という事が付け加えられた。
オレが知り合った説明になってないだろ。
ノノンの説明で納得してくれます?
「どんな人か見てみたい」
堀北さん、興味あるの?
「すげぇ美人でビックリするぞ」
カイよ。ハードル上げるな!
「見たい見たい。写真見せて」
「そういえば一枚も持ってないわ」
金沢さんの問いに対し持ってないアピール。
これは事実です。
「ノノンちゃんは写真持ってないの?」
やめろノノン!見せなくていい。
オレはアイコンタクトを送る。
「ちょっと待って、こんな感じ」
オレのアイコンタクトを逆の意味で
捕らえたらしい。
白川さんが料理をしってるところの写真が
スマフォの全面に表示させ、
堀北さんに渡された。
「へぇ、同級生に見えない」
「私にも見せて!」
堀北さんから金沢さんの手へ。
「オイオイ、この格好なんだよ。
けしからん」
他の写真でカイが興奮してる。
それは昨日原宿で撮った写真だ。
肩出し、へそ出しの服装だったやつ。
「モデルさんですか?」
「普通の子です」
もう、いいじゃん。やめよぜ。
「イヤイヤ、普通じゃないよ。
少なくともハルとは住む世界が違う」
「うるせぇ」
言われなくても分かってるわ。
「お弁当まで作るんだ?」
「料理が凄く上手なの。
朝ご飯も夜ご飯も作ってくれるよ。
ハルキも食べてる。ね?」
いらんこと言うな。
「いいな、いいな。
ハルにはもったいない」
「お前は黙ってろ!」
「細倉くんは彼女のどこに惚れたの?」
金沢さん?
恥ずかしいこと言わせないで。
「もういいじゃないですか。
話題変えません?」
「被告人は検察の質問にお答えください」
「意義あり!
本件とは関係がありません」
堀北さんと金沢さんはクスクスと笑う。
その後もいろいろと質問されたが
プライベートなことだからと
はぐらかしたのである。
そんな感じで、オレの話題で
昼休みが終わってしまった。
午後も憂鬱なんですけど。