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(141) 岩井さん宅へ遊び行きます②

◇◇◇ マンション ◇◇◇

時刻はAM8時。


「起きて、起きてくださぁ~い」

「ん~」


「朝ですよ」

「もうちょっと」


「ダメ」

「お願い」


「もう8時だよ。起きて」

「岩井さん、あと5分」


「ノノンは天使です」


天使?


「うぁ~!!!」

<<きゃぁ~!!!>>


オレはノノンが居ることに驚き飛び起きる。


「驚かせんな!」

<<こっちの台詞ですぅ>>


しまった。

ノノンの存在をすっかり忘れてた。

いつから居る?

昨晩は見られてないよな。


<<ハルは、どこにいるのよ>>


ノノンは周囲を見渡す。

ふぅセーフ。今現れたのね。


「どこでもいいだろう。

 帰ってくれません?」


♪ガチャ。(扉が開く)


オレとノノンは2人して音の方向へ注目。

エプロン姿の岩井さんが立ってる。


「ハルキ、起きたぁ?

 朝ご飯できたよ。食べる?」

「今行く」


現在オレはパンイチ姿である。(*1)

さて、この状況をどう説明しよう。


ノノンはオレと岩井さんを交互に見返す。


<<やだぁ。不純異性交遊です>>

「バカ言っちゃ困るよ。オレは大人だ」


<<淫行(いんこう)です。

 青少年保護育成条例違反です>>

「よくそんな言葉知ってるな。

 岩井さんは18才。問題なし」


<<そういう問題じゃないです>>

「ちょっと待て!誤解してないか?

 オレと岩井さんには何もないぞ」


この姿では説得力に欠ける。


<<イヤイヤイヤ>>


ですよね。

オレはベッド横に置いてあるTシャツと

短パンを手に取る。


「あのぉ?着替えたいんですけど」


別に見られても恥ずかしくはないのだが

ノノンにはご退場願いたい。

というかオレの寮以外はもう来ないで!


「今日は一日岩井さんとデートなので」

<<ハイハイ。イチャイチャしてればいいさ>>


ノノンが消滅する。

こういう時、ノノンが来れないよう

前田にスイッチを作ってもらおう。

オレは急いで着替え、リビングにでる。


「朝早いね」


と言っても現在午前8時。早くはない。

ただ、昨夜寝たのは3時だ。

岩井さん、よく起きられたなぁ。

朝ご飯作ったってことは一時間は早く

起きてるってことになる。


「目が覚めちゃった。

 ハルキの寝顔、可愛かったよ」


やめて。見ないで。

めっちゃハズイんですけど。

変顔してないよな?

他の女性の名をつぶやいてなかったか?


待て待て!

オレが岩井さんの寝顔見たい。

超カワイイはず。

くっそ、人生最大の失敗だ。

今日も泊まってやる。


「リビングで待ってます」


そう言って、岩井さんはキッチンへと戻る。

オレは急いで着替え、リビングへ。


テーブルにはハムエッグとサラダ。

そして食パンが置かれてる。

うわぁ、アニメで見る光景じゃん。


素晴らしい。

あなた、良い奥さんになれますよ。

あれれ?

オレの妻になる可能性もあるのか。


結婚したらガイヤ (地球)と研究室との通勤になる。

研究室とここの時間は100倍差があるから

一度研究室に戻ったら、あっというまに

こちらは数カ月経ってしまう。

単身赴任ってやつじゃん。

イヤイヤそういう問題ではない。

何も考えてなかった。


「食べないの?」

「頂きま~す」


「卵は醤油派?ソース派?」

「ケチャップ派かな」


「なにそれ」

「美味しいよ。やってみて」


昨晩の事が無かったかのような会話が続く。

若い男女が同じベッドで寝たんだ。

そりゃぁ、することはするでしょ。


「久しぶりに朝ご飯を誰かと食べてるかも」


基本的にオレは1人が好きだ。

研究室でも1人で飯を食いながら仕事をしてた。

だれかと一緒に食事をすると、

気を使って楽しくできないし、その時間が苦痛である。

それがどうだろう?

岩井さんとだと一緒に食べてて楽しい。


「私も」


ごめん、嫌な事を思い出せてしまった。

岩井さんの前では、ネガティブ発言は控えるよう。


「今日も天気良いし、出かけようよ。

 どこ行きたい?」

「ハルキが行きたいところ」


「動物園とか、どう?」


ベタだったか?

岩井さんは遊園地ってタイプじゃないよな。

意外と動物も嫌いだったり。


本当は熱いからプールがいいんだが。

沖縄に行ったばかりだもんな。


「どこの動物園?」

「上野!?」


上野動物園しか知りません。

動物園って他にどこにあるの?


「ゲーム、アニメの方がいんだっけ?

 秋葉原とかにする?」

「いいよ。動物園がいい」


両手を握られて、直視されると反論できません。

オレの彼女は超かわいいんですけど。

じゃあ決定ってことで。


ということで動物園へ出かけることに。

(*1) パンイチとは、パンツ一丁の略で、まさにパンツだけの状態。


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