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140/249

(140) 岩井さん宅へ遊び行きます①

◇◇◇ マンション ◇◇◇

時刻は14時


部活が終わると直ちに学校を飛び出し、

オレは1人、岩井さんの住むマンションへと

直行するのであった。


ちなみに、ノノン、金沢さん、堀北さんの3名は

どこかでランチするとのことだ。

微笑ましい。

3人が仲良くなることはオレの願いである。

そして、それをきっかけに金沢さんが元気に

なってくれることを願う。

カイは知らん。


オレは現在、マンション1階のエントランスに到着。

元々、岩井さんのマンションへ行くと宣言してあるものの、

いざインターフォーンを目の前にすると緊張する。


♪ピンポン


部屋番号を入力し意を決して呼び出しすると、

オレの緊張などバカらしいと思えるほど

岩井さんはいつもの感じで返答する。


♪は~い。入って。


入居者用の扉が開き、オレはマンション内部

へと進入する。

エレベータに乗って岩井さん宅の玄関まで来た。

始めて女子の部屋に入るので緊張が止まらない。

そして、玄関先のチャイムを鳴らす。


♪ピンポン


♪鍵開いてるから入って!


だとさ。

鍵がロックされてない?不用心ですよ。

エントランスで呼び出したときに開けたのかな。

恐る恐る扉を開ける。


「お邪魔します」


玄関を開けると正面は直線の廊下となっていて、

その先にエプロン姿の岩井さんが立ってた。

フライ返しを持っている。

その姿がカワイイ。

新妻じゃん。テンション上がる。


「お昼食べてないでしょ?

 今、作ってるから中に入って」


えっ、マジ!手作り?

これってドラマとかで見る光景だよ。

空想の出来事ではないんだ。


オレは廊下を抜けリビングへと入る。

これが女子の部屋ですか。

未開の地にさまよい込んだ気分です。

間取りは1LDK。

バス、トイレが別で広いリビング。

1人で住むには贅沢なところ。

いわゆる高級マンションってやつだ。

セキュリティ面と変な居住者が周囲に

いないという条件で選定したらこうなる。


彼女はキッチンで料理をしていた。


「もう片付け終わってるんだね」

「元々わたし荷物少ないから」


確かに物が少ない。

ぬいぐるみとかカワイイもので溢れてる

イメージで居た。


フローリングにマットがひいてあって

中央に小さながガラステーブルが置かれてる。

オレはそのマットへじかに座ることに。


「お待たせ」


大きなお皿が2つ、テーブルの上に置かれた。

どうやらオムライスを作ってくれたようだ。


おぉ、可愛いところあるじゃん。

これだよ、これ。オレが求めてるのは。

高校生らしくていい。

そして、ポタージュのスープとサラダも置かれる。


「お腹空いたぁ、食べよ!」

「食べてなかったんだ?」


先に食べずにオレを待っていた様子。


「片付けに時間掛かっちゃって

 朝から食べてないんです」

「手伝ったのに」


とは言うものの手伝うのは無理だ。

どれをどこに収納するかなんて分からないし、

下着類もあるだろう。


岩井さんはケチャップを使って、

オレのオムライスにハートマークを描いた。

オイオイ、ここはメイド喫茶か?

くぅ~。たまんねぇ。


ならお返しです。

ケチャップを受け取り、岩井さんの

オムライスに『LOVE』と書き込んだ。


これ、バカップルじゃねぇ?

こんなカップルを嫌っていたのに自分がやるとは。

彼女の笑顔が見れたからいいか。


「冷めないうちに食べよう。

 いただきます」


オレは、オムライスをスプーンですくい

一口ほおばる。

そんなに見つめられると食い辛い。

岩井さんはオレの感想を待ってるようだ。


「美味しい」

「良かった。口に合って」


本当に美味しいよ。

実家で自炊してたというのは嘘ではないようだ。

午前中は忙しかっただろうに、

食材だってわざわざ買いに行ったのだろう。

朝早く起きて頑張ったんだね。

かぁ~、その行為だけでも嬉しい。


「スープも超~美味しい。プロの味だよ」

「お湯入れるだけのインスタントです」


やっちまった。

人生最大の失敗だ。


「そうなんだ。ハハハ」


ここは笑って誤魔化すしかない。


食事の後は、二人仲良く食器を洗う。

夫婦になった気分です。

オレが幸せです。


「この後、どうします?」


確かに何も決めてなかった。

引っ越しの手伝いをするつもりで来たのに

出番がなさそうだ。


あ!


「日用品を買いに行きません?

 いろいろと必要な物あるでしょ。

 荷物運びがいるときに買った方がいい。

 お金出すから必要なもの買いなよ」

「デートしたいって素直に言えばいいのに」


これは一本取られました。

はい、その通りです。

岩井さんはオレに抱き着いて来る。

なので、オレもどこにも逃がさないよう

両腕で強く抱える。

彼女が居るって最高だなぁ。


「ありがとうハルキ」


耳元でささやかれたら

ヤバい、このまま押し倒したくなる。

落ち着けオレ!


その後、オレ達は仲良く手をつなぎながら

近くのショッピングモールへと出かけたのである。


◇◇◇ ショッピングモール ◇◇◇

岩井さんは、シャンプー、リンス、ボディソープ、

ハンドソープと次々と詰め替え用をカゴに

入れていく。

確かに無くなったら困るものだらけだ。

へぇ~、以外としっかりしてるな。


そして、歯磨き粉を手に持つと

振り向いてオレを見つめる。

どうしました?


「ハルキの歯ブラシも買っておく?」


え!どういう意味?

お泊りしていいってことっすか?


イヤイヤ、あなた芸能人ですよ。

もうちょっと危機意識を持った方が

いいと思いますけど。


「コップとか食器とか。

 お揃いにしようよ。可愛いの沢山あるよ」


えぇ~、もう同棲じゃん。

いいの?

オレの理性が負けそうだ。


「夕飯も食べてくでしょ?」


なんだよ。夕飯かよ。

期待しちゃったじゃなか。

そのまま泊まっちゃうよ。


「もちろん。食べてくよ。

 ユイリーの仕事が始まったら

 次いつ会えるか分からない。

 会えるうちは出来るだけ一緒に居るよ」


事件の事もあるし、まだ1人にしておきたくない。


「今日、うちに泊まっていく?」


来たぁ~!

それ女子が言うの?

普通、逆じゃね。


「明日も来るつもりだから

 ユイリーがいいなら泊まってく」


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