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(139) 久しぶりの部活です

◇◇◇ 高校の男子寮 ◇◇◇

時刻は朝の6時。


「起きて。朝ですよ」


・・・


「起きてくださぁ~い」

「もうちょっと寝かせて」


「お寝坊さんなんだから、もう」

「あと5分」


「起きないなら研究室のみんなに

 ガイヤ (地球)でお付き合いしてる

 ことをばらすぞ」

「うぁ~、やめろぉ~」



挿絵(By みてみん)


起き上がると目の前にノノンが居る。

続けて、目線を置時計へともっていく。


「まだ6時じゃん。寝かせろよ」

<<だって目覚めちゃったんだもん>>


「だもん、じゃねぇーよ。

 オレを巻き込むな」


今日は週一の部活がある日。

そして、ノノンが実家から帰って来ると

学校側に通告した日でもある。


2泊3日の楽しい楽しい沖縄旅行を終え、

我らは東京へと戻って来たのである。

空港から1台の車で3人が乗り、

岩井さん、ノノンの順で自宅へ送り届け、

オレも寮へと昨夜戻って来た。


岩井さんについては、事件のこともあるあり

住所がバレてるとかセキュリティ的な面を考慮し、

新しいマンションへと引っ越してもらった。

荷物は沖縄にいる間に移動済みである。


段ボールが山積みになってるだろうから

2,3日は整理に時間が掛かるに違いない。


部活が終わったら午後は岩井さんの

マンションへ手伝いに行くと伝えてある。

あれだけ家に上がることを避けてたのに、

彼女になったら行くのかよ。

自分に突っ込みを入れてしまった。


週刊誌も新居までは、まだ掴めてないはず。

ということで、オレがお邪魔してもOK。

と言い聞かせるのであった。


同棲もありだな。

夢が広がる。彼女が居るっていいな。


ノノンは、ニーナから乃々(ののか)へと入れ替わり

寮に戻っている。


そして現在。


「なんでそんなに朝早いんだ。

 年寄りなんじゃねぇの?」

<<博士よりは若いです>>


「あっそ、オレは寝る」


オレはベッドにうつ伏せで倒れ、

2度寝の体勢に入る。


<<博士がガイヤ (地球)で彼女作ったって

 研究室にみんなに広めちゃおっかなぁ>>

「あぁ~分かった。分かりました。

 起きます。起きますよ」


ノノンはオレを上司だと思ってないな。

もう一度、上半身を起こしベランダ側を眺める。

カーテンの隙間からこぼれる日差しが眩しい。

今日も天気が良さげだ。


<<何かしよ?>>

「久々にランニングでもしますか」


<<ランニング好き>>


何が好きだよ。走らないくせに。


「幽霊は走らなくていいから楽だよな」

<<ノノンは天使です>>


◇◇◇ 部室 ◇◇◇

時刻は9時。


「あれれ?

 今日も二人して仲良く登校ですか?」


何が言いたい!カイくんよ。

オレとノノンは、前回と同様、校門で

待ち合わせしたらから一緒に来て当然だろう。


「お前ら付き合ってるんだろう?

 白状しろよ」

「付き合ってません。

 ハルには彼女、居ますから」


ノノンさん、止めて!

まだ、その件は秘密にしといて!


「知ってるよ」


カイ!知っているのか?

いつばれた?


「エミリンでしょ?いいなぁ。

 オレもアイドルの彼女ほしい」


そっちかよ。

まだ、そのネタ使うのか!


「違います。アイドルじゃありません」


だからノノンさん、もう(しゃべ)らないで。


「だれ、だれ?別の芸能人?」


バカじゃねぇの。


「そうですよ」


ノノン!


「ハハハ」


どうやらカイはオレの妄想と解釈したようだ。

ふぅ、あっぶねぇ。

岩井さんを彼女にしただなんて言ったら

何を言われるか分からん。


♪ガラガラ


「おはよう」

「おはよう。みんな早いね」


堀北さんと部長の登場である。

制服女子って、やっぱいいなぁ。

岩井さんの制服姿、最高っす。


やばい、オッサンになってる。

ハルキを演じないと。


これでメンバーが全員そろいました。

カイの仕切りで、先週の続きから始まる。

課題は2つ。

BBQ(バーベキュー)をいつ、どこでやるか。

もう1つは、文化祭で何をするかだ。


1点目のBBQについては、次の土曜日に

大井競馬場の近くにあるバーベキュー会場

で行うことが決定した。


理由は、ノノンが知り合いに話しをしたところ

BBQ利用チケットを持ってる人が偶然いて、

日時が決まってて行けないというから

もらったという流れである。

そのチケットは無料券でだそうで、

施設の利用および食材付きだという。

ただし、次の土曜日限定。


反対する理由など、どこにもない。

全て無料なのだから。

満場一致で決定した。


これは、いつもの作り話である。

当然オレが購入したものだ。

嘘話しを信じてくれたようだ。


てな感じでBBQの件は早くも片付いた。

続いて話題は文化祭へ。


「皆さん!

 我が部の出し物は考えて来ましたか?」

「やらなくていいんじゃない?」


先陣を切ったのが部長。

中止を提案したのだ。

もともと部長だけやる気なかったもんな。

オレはこのメンバーで思い出を作りたいと

考えている。

なので挙手だ。


「はい、ハル君どうぞ!」


「バンドをやりたい」

「何言っちゃってるの?

 楽器弾ける人、だれもいないでしょ」


オイ、ちょっとは加勢しろ!


「金沢さんと同じクラスの篠崎さんなんだけど。

 友達とバンド組んでて

 披露する場を探してたんだ。

 文化祭がちょうどいいかもって。

 野外ステージなら使えるよね?

 この部を使わせてくれないか?

 オレ達は、スタッフ兼盛り上げ役として

 参加するというのはどうでしょう?」


「いいじゃん。面白そう。

 私達も参加するんだから部の出し物って

 ことになるでしょ?

 (かえで)やろうよ」


おぉ、堀北さんが乗ってくれた。

嬉しい。


「オレからも頼む」


そうだよ。

カイも無関係じゃないだろ。

一緒に盛り上げようぜ。


金沢さんもだ。

篠崎さんがどれだけピアノの演奏で

悩んでたか知ってるハズ。


オレが篠崎さんをコンクールに出させたせいで、

ピアノが嫌いになった責任を感じてる。

だからという訳ではないが、

新しい道を見つけてあげたい。

文化祭を通じて、みんなで応援出来たらいいなぁって。


「細倉くん、ありがとう。

 私からもみんなにお願いしたいです」


金沢さんは、深々と頭を下げたのである。


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