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(137) 沖縄リベンジします②

◇◇◇ 水族館 ◇◇◇

時刻は14時。


オレと岩井さんは(ちゅ)(うみ)水族館に到着。

ノノンはいない。

初デートである。


『2人で出かけてきたら?』という

ノノンの提案に遠慮なく便乗した形だ。


岩井さんは終始オレを気に掛けてる。

ノノンは気を使いたくなったのだろう。

午前中はデートして、夕方ノノンと合流すれば

いいかと考え、今日は別行動することにした。

ノノンには、あとで御礼をしないとだな。


車を降りると、岩井さんはオレの腕を組み、

しがみつく。

今時こんなカップル、いないぞ。


男子高校生なら誰しもが憧れる

シチュエーションの1つではある。

オレもその1人だ。

こうして夢が叶った訳だが、

どうも嬉しさ半分、ドキドキ半分。


岩井さんは有名人。

サングラスしてるとは言え、

バレるんじゃないかと気が気でない。


そんな思いではあるものの、館内に入ると

オレは彼女のサングルラスを取った。


「目が悪くなる。

 室内でサングラスは取りましょう」

「いいの?バレるかもよ」


「一番大事なのは君の身体。

 バレたらその時。

 オレが彼氏だって大声で宣言するよ」


岩井さん?

そのニヤついた流し目、やめて。

そして、密着しすぎだ。

(はた)から見たらオレらバカップルだから。


あなた、ベタベタするタイプだったのね。

以外だわ。

まぁ、オレも嫌いじゃないけど。


館内を歩き、いろいろな水槽を見て回る。

岩井さんの反応はいい。

どうも水族館に来たのは生まれて初めてだったらしい。

通りでリアクションが新鮮な訳だ。


「なぁに?」

「いや、なんでもない」


オレは水族館に来て、ほぼ魚を見てない。

魚を観ている岩井さんを見てる。


こうしてマジマジと岩井さんの顔を見ると

この人、すげぇ美人だ。改めに再認識する。

オレにはもったいない人だ。

彼女なんだよな?

今更だがオレのどこがいいのやら。


「もう、なぁに?」


先ほどから何度も岩井さんと目が合う。

そりゃそうだろう。

岩井さんの顔しか見てないのだから。

しかし、彼女の笑顔が(まぶ)しすぎる。


「この人、カワイイなって」


オレはどうしてしまった。

岩井さんが彼女になってから

オレは確実におかしい。


「お魚、観ないの?」

「岩井さんを見てる」


「苗字で呼ばれるの。

 ちょっとやかも」


そう言われるの待ってました。

急に言い方、変えるのもハズかったし。

本名は岩井(いわい)友璃(ゆうり)だから。


「ならユイリーって呼ぶよ。それでいい?」

「それがいい。そうして」


♪ブルブル、ブルブル


唐突(とうとつ)に諜報員からメールが届く。

グループAと週刊誌編集長との関係に

ついてのようだ。

結論は関係が深いとのこと。

どうやら編集長がグループAから定期的に

記事ネタを購入しているようだ。

グループAは、ホストやガールズバーの客

から情報を仕入れているらしい。

要するにネタの売り買いの関係のようだ。


そうなると車で跳ねられた説明がつく。

無差別による犯行ではなく、

明らかにオレを狙ったものになる。

あの日、岩井さんのスクープネタを掲載

しないよう交渉に行った。

おそらく編集長は岩井さんの関係者が来た

とグループAに連絡したのだろう。

そして待ち伏せをし、オレが出版社から

出て来たところを襲ったと考えるのが自然だ。


となるとオレを襲ったグループAも昨日の

グループBも標的は岩井さんってことになる。

彼女が何をしたというのだ?

目的はなんだ?

親玉が分からない以上、

とりあえず2グループとも潰しておくか。

でないと、岩井さんが危険なままだ。

東京に戻ったら早々に始めるとしよう。


オレと岩井さんは、館内を一通り見終えた

ところで、イルカショーへと足を運ぶ。

ショーは野外ステージとなっていて座席がある。

ようやく椅子に腰かけ落ち着けた。


ふぅ。やはりオヤジだなオレは。


始まるまで少し時間がある。

座ったまま会話を続ける。


「来て良かっただろう?

 自分をイジメるかのように働いてたもんな」

「だって、お金貯めたかったし、

 早く独り立ちしたかったから」


なるほど、家から出て独立したかったのか。

そんなに父親が嫌いだったんだな。


「仕事は楽しまないと続かないぞ。

 そして、見てる人に伝わらない。

 今日もユイリーが楽しそうに

 してるからオレも楽しめた」

「ハルキの言う通りね。

 最近、仕事楽しくなかったかも。

 元々好きなことなのにね」


「沖縄来て良かったんじゃないか?」

「まさか本当に沖縄来るなんて驚き」


「田中さん、様様だよ。

 リフレッシュできたでしょ?」

「私はハルキが側に居てくれれば、

 東京だってリフレッシュできるんだけどな」


オレの彼女は宇宙一カワイイです。

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