表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
136/249

(136) 沖縄リベンジします①

◇◇◇ 沖縄 ◇◇◇

時刻は朝5時。


我々は再び沖縄へと戻って来た。

宿は一昨日と同じコテージ。

また、ここに泊まりたいと願っていたが

こんなにも早く実現するとは。


来る途中、機内ではノノンと岩井さんが

ずーっとしゃべり続けていた。

よくもまぁ、女子達はあんなに話題が

あるもんだと感心させられる。

その会話を聞いていて、2人がどれだけ

仲が良いか知れたのは大きい。


女子2人が会話する中、オレは頭の片隅で

3人の部屋割りをどうするか悩んでいた。

だってコテージには2部屋しかないのだから。

要するに岩井さんをどちらの部屋で

寝かせるかってことになる。

ちなみに両方の部屋ともシングルベッドが

2づつある。

なので岩井さんはどちらでもOK。


仮にオレと岩井さんを同室にしたとしても

おそらく岩井さんは拒まないだろう。

だが、それだとノノンがボッチとなり

オレ達二人を邪魔しに来た人となってしまう。

ノノンの発案で旅行に来てる。

岩井さんも後ろめたくなるに違いない。

なのでオレが出した結論は、

男子部屋と女子部屋という分け方で落ち着いた。

服もノノンの部屋に備えてあるから

着替えるにもちょうどいい。


到着するなり、女子部屋というオレの発言に

異論もなく2人仲良く部屋へと入っていった。

よくよく考えたら岩井さんと同じ部屋は

まずいだろう。

付き合うこととなったとは言え、

まだ始まったばかり。

交際初日から同室はドン引きだったに違いない。


あぶねぇ。


オレ達は手ぶらで沖縄に来てる。

下着から洋服類、靴やアクセサリに至るまで

男子向けは男子部屋に、女子向けは女子部屋

に用意してある。

1ヵ月借りてるので前回のまま残してあった。


今頃、女子部屋ではファッションショーが

開かれてることだろう。

覗きたい。

ノノンがオレに割り込んで天使になれるのだ。

オレがノノンに割り込んで悪魔になれるハズ。

前田に頼んでおくべきだった。

人生最大のミスだ。


オレは前回と同じ、海パンに着替え、

1階にあるジャグジーへと向かう。


ここのジャグジーはお気に入り。

目の前がオーシャンビューで眺めが最高。


ジャグジーに浸かると、どっと疲れが押し寄せる。

思え返せば凄い1日であった。

岩井さんに笑顔が戻ってオレも一安心。

沖縄にいる間だけでも事件の事は忘れることだろう。

岩井さんにとっては大事件であったが

オレにとっては岩井さんと付き合うこととなった。

岩井さんには申し訳ないが、奴らに感謝だな。


そんな事を考えていたら

オレはいつの間にか眠ってしまった。


♪ボコボコボコ


ん?

ジャグジーの底と側面から大量の気泡が出始める。


何だ?


それに気付きオレは目を覚ます。

すると大きな麦わら帽子をかぶったビキニ姿

の女子1名がジャグジーへと入って来る。


岩井さんだ。

オレの正面へと立ち、決めポーズ。

美しい。


「ハルキどう?似合ってます?」


オイオイ、スタイル抜群じゃねぇか。

あんた最高だよ。

この人、オレの彼女なんですけど。


「恥ずかしくないの?」

「別に。コスプレで慣れてます」


そうだった。

半裸な格好してますよね。

逆に見てほしいタイプの人だ。


岩井さんはオレの真横に来て密着。

そして、オレの肩に頭を乗せる。


くぅー。

オレが憧れてたシチュエーションだ。

これがカップルってやつか。


こんな美人を彼女にしていいのだろうか。

芸能人だぞ。

またスクープ写真撮られることになる。

対策を考えないと。


オレは正面の海を見ながら会話を続ける。


「オレのどこがいいんだ?」


ハルキの身体は、女子に不人気なんですけど。

どこに刺さったのかな。


「私に優しいところ」

「誰にだって優しいと思うけど」


「そこがいい。

 あと、私に元気をくれるところ」

「元気付けた事、あったっけ?」


「私を守ってくれるところ」

「分かった。もういいです」


聞いててハズくなったわ。

ノノンが近くに居ないよな?

周りを見渡して確認。

居ないようだ。


岩井さんにこれを伝えておかないと。


「1つだけお願いがある。

 彼氏が居ることを公表しないで欲しい」

「どうして?」


「ファンのためさ」

「ファンに嘘をつけというの?」


「それは違う。

 敢えて公表する必要はないって言いたいだけ。

 彼氏の話題になったら存在をあやふや

 にしてくれたら嬉しい」

「ハルキがそうして欲しいならそうするけど」


素直で良い子だ。

こんな人だったけ?


「たまに思うけど。

 ハルキって、おじさんポイよね。

 同じ年と会話してると思えない時がある」


やべぇ、バレてる。


「私、おじさん好きだから」


フォローになってません。


「お待たせ」


ここでようやくノノンの登場だ。

まさか、オレらの話を聞いてないよな。


「ビーチ、散歩しようよ?」

「賛成」


女子2人はオレの顔を(うかが)う。


「行ってらっしゃい。

 っていうか、キミたち元気だよね。

 眠くないの?」


飛行機の中でも寝てないし、

到着して30分も経ってない。

オレは疲れたよ。


「せっかく沖縄来たのにさ、

 寝るなんてもったいなくない?」

「そうだよ」


若いっていいね。


「まだ6時前だぜ。

 もうちょっと寝かせて」


2人は仲良く手を繋いでピーチの方へと

走って行く。

その光景を見て、青春ドラマを見せられてる感じ。

実際にこんな光景があるんだなぁ。


・・・


「頭にキーンってくる」

「こっちも美味しいよ」


何やら騒がしい。

いつの間にかオレは寝てたようだ。

ノノンと岩井さんが戻って来ててる。

足だけジャグジーに浸かって、

2人してカキ氷を食べている。

平和だなぁ~。

昨日の事件が夢のような気がして来た。


「やだぁ。なぁに?」


岩井さんの胸元に集中する

オレのエロい視線に気づかれた。


「岩井さんが楽しそうにしてる

 ところを見るとオレが幸せになる」


なに言ってるんだオレは。

この雰囲気に呑まれたか。


「このチャラ男!」


ノノンめ、ヤキモチか。


♪バシャーン


ノノンが片足を蹴って、水しぶきを

オレに浴びせる。


「あぁ気持ちいい。

 手厚いおもてなし、ありがとう」


浮かれ過ぎだなオレは。

こりゃ愛想尽かされて、直ぐに捨てられる

パターンだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ