(123) 部活動①
◇◇◇ 裏門 ◇◇◇
オレは学校の裏門前で
とある女性と待ち合わせをしてる。
しかし眠い。
ぼうっと立ってると寝ちゃいそうだ。
昨日は2時間も寝てない。
ノノンの突然に襲撃に、目がさえてしまって
寝付けなかった。
昨夜はホテルに泊まるべきだった。
『一緒のベッドで寝ないか』と
言ってみるべきであった。
まだ、悩んでるのかオレは。
たられば論になるが、断れれる可能性は
大きかっただろう。
どうもオレに対する好き好きアピールが
本心に思えない。
そもそもオレは岩井さんが好きなのか。
付き合う気があるのだろうか。
あんな美人さんだ。
彼女にできるなら、そりゃしたいよ。
性格的に不満はないし一緒に居て楽しい。
だが、オレは地球外生命体だ。
いいのか彼女にして。
本当のオレを知ったらどう思うだろうか。
大体、彼女に対して芸能人として
成功させたい気持ちが強い。
男が居ると世間に知られたら
ファンは確実に離れるぞ。
あと、ノノンも問題だ。
幽霊のノノンがいつ現れるかわからない。
イチャイチャし辛い状況にある。
研究室のメンバーに知られたくないし。
どうしたものか。
「お待たせぇ」
「遅い!9時過ぎてる」
乃々佳の登場である。
「女子にはいろいろと準備があるの」
「なら早く起きろよ」
「ハルが起こさないからでしょ」
「なんだそれ。意味分からん」
オレのせいにするな。
◇◇◇ 超常現象研究室 ◇◇◇
♪コンコン
部室の扉をノックして、入り口のスライドドアを動かす。
開く確認し、既に誰か居ることを認識する。
オレを先頭にノノンも中へと入る。
「みなさん、来てます?」
「ハル、遅い。
今何時だと思ってるんだ!」
いつものカイによるギャグで始まる。
なのでオレはそれに反応しない。
ノノンは堀北さん、金沢さんと挨拶を交わす。
「なになに?」
カイの奴がニヤケ顔だ。
きっと悪いことを考えてる。
「2人そろって遅刻して同伴ってどういうことよ。
君たち付き合ってるだろ?白状しろ!」
またそれか。好きだなぁ。
「別に付き合ってると思ってくれ結構。
それで何か問題?」
「可哀そうに。ノノンちゃん。
彼氏があんなこと言ってますよ」
「場がしらけてるから止めろ!」
ノノンとオレは席に着く。
部室に居るのは、金沢さん、堀北さん、カイ、
ノノンにオレを含めた5名。
1つのテーブルに4人が座り、カイだけが立ってる。
「皆さん、オレに注目!」
「来た時から注目してる」
女子3人がクスクスと笑う。
「では部会を始めます。
本日の議題は2つ」
「ちょっと待てって!
カイはどういう立場なんだ。
部員でもなんでもないだろう?」
「部長代理としての発言してます」
オレは金沢さんに目を合わせる。
「あんなこと言ってますが
いいんですか?」
「こうして集まっても雑談しか
することないですし、
面白そうだから聞いてみましょ」
確かに。
何のために集合してるか分からんからな。
「部長から正式に許可を頂きました。
では進行を続けます」
議題はこのメンバーで遊びに行こう
というものであった。
夏休みだしね。
「賛成!遊び行きたい」
「私も。どこか行こうよ」
え!堀北さんも?
本心から行きたいと思ってるか。
それとも金沢さんを外に出させたいのか。
どちらにしても賛成してくれたのは嬉しい。
「滑り台のあるプールがいい」
「それ、楽しそうね」
ノノンの発言に対して堀北さんが乗っかる。
オレも賛成!堀北さんの水着姿見たいです。
「2人で行ってらっしゃい」
金沢さんは反対か。
「プールいいじゃん。
部長も行きましょうよ」
カイいいぞ、もっと攻めろ!
女子達の水着姿が拝められるかの瀬戸際だ。
オレも加勢しないと。
「水着が見たいだけでしょ?やらしい」
あぶねぇ。
発言しなくてよかったぁ。
「誤解だよ。
太ももとか腹筋が見たいんだよ」
こいつバカだ。宇宙一のバカだ。
思ってたとしても口に出すか?
金沢さんは水着になるのがやなのかな。
フォローするか。
「プールはノノンと堀北さんの
2人だけの方が楽しいと思うぞ」
「そうそう、私もそう思う」
部長がオレに同意する。
「楓も行こうよ」
「行ってもいいけど。
私、水着にはならないわよ」
やっぱり。
「何それ」
話題変えようぜ。
別の場所なら金沢さん行きそうだよ。
「プールもいいと思うけどなぁ。
では他にありませんか?」
「別荘でお泊りしたい」
ノノンいいね。
その別荘どうやって借りる気?
「いいね。民宿にしようよ。
新島とか、どう?」
カイが実現可能な案を提示する。
島かよ。
「ごめん。
ハルはお金ないから不参加だね。
オレ達で楽しんでくるから」
オレを除け者にするな!
同類だろう。
「カイも金ねぇくせに。
オレはバイトするから行ける」
これでどうだ。
「船酔いするからパス」
金沢さんは船もだめか。
っていうか、初めから行く気ないでしょ?
「じゃぁ、江の島で1泊はどう?
鎌倉の大仏見ようよ」
「興味ないくせに」
「ならハルも案しろよ」
「川でバーべーキューはどう?」
低予算で楽しめるのこれだろう?
「流石、金ないハルの素晴らしいアイデア」
「金ないは、よけいだ」
「みなさん。
バーべーキューはどうですか?」
「バーべーキューしたい」
「私も」
ノノンと堀北さんは何でもいいのか?
「ノノン?
バーべーキューって何にするか
知ってるのか?」
「知らなぁい」
やっぱり。
「ノノンちゃん。
エッチな格好するけど大丈夫?」
「カイ!変なこと吹き込むな」
「部長はどうなの?
バーべーキュー」
カイ、いいタイミングでの質問だ。
金沢さんに視線が集中する。
・・・
「高校最後なんだからさ。
夏休みの思い出、作ろうよ」
堀木さんのアシスト、最高です。
おそらく本心なのだろう。
オレもみんなと思い出作りたい。
「日帰りならいいけど。
バニーの格好はしないわよ」
金沢さんが渋々OK出してくれた。
決まりだな。
「ではバーべーキューが決定となりました。
ハルが言い出しっぺなので、
開催場所はハルが探しておいてください」
え!オレが探すの?
面倒臭せぇ。
発言しなければよかった。