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(117) ついにカイ父から連絡が

◇◇◇ 市街地 ◇◇◇

時刻は15時。


ノノンとオレは2人で散歩をしてる。

中華屋で食べ過ぎてしまったので

食後の運動ってやつだ。


たまには女子との散歩もいい。

となりに居るのはノノン。

いつもは幽霊なのに、めずらしくリアルとの散歩。

なんだか新鮮。


どちらかというと幽霊のノノンを気に入ってる。

恋愛感情があるという訳ではない。

小動物を飼ってる感覚だ。


ただ、同じノノンであるはずの乃々佳(ののか)

どうも意識してしまう。

必死で隠してはいるが緊張はする。

やはり、同じ年の設定だからか。


「ガイヤ (地球)は楽しいか?」

「楽しいに決まってるよ。

 遊びに来てるんだから。

 ご飯も美味しいし」


こりゃ、父と娘の会話だな。


「もう仕事に復帰できなそう」

「オイオイ、怖いこというな」


「ここは楽しい。つまらなかった

 学生時代をやり直しできてるよ」


やはりノノンもオレと同類だったか。

改めて認識できたよ。

の割にはコミュ力あるよな。


「寮の子とは仲いいのか?」

「いいよ。

 だけど吹奏楽部か運動部だから、部活が

 忙しくてなかなか遊びに出かけられない」


「そう言えば寮で、ハルの事が話題に出るよ」


おっと、とんでもない事実が飛び出したぞ。

オレの知らないところで実はモテモテだったのか。


「へぇ、どんな話し?」

「堀北さんを押し倒してビンタされた話し。

 毎回盛り上がりしてる」


最悪だ。忘れてかけてたトラウマが蘇る。

もしかして全学年に広まってるとか?

退学しようかなぁ。


「金沢さんとはどうだ。仲良くしてるか?」

「さっきからお父さんと会話してるみたい」


だよね。自覚在ります。


「設定が同じ年なだけだ。

 保護者なんだから聞いておかないと。

 で?どうなんだ?」

「Lineでやり取りしてるよ。

 どちらかというと堀北さんの方が

 仲いいかも」


金沢さんは、まだオーパーツ事件を

引きずってるはずだ。

オレらの前では笑顔を見せてるが、

どうも目が笑ってない。心配だ。

明後日は部活の日。元気づけないと。


堀北さんのボルダリング姿、見たいな。

そろそろ本格的にトレーニングを開始してるはずだ。

見たら泣くな。


堀北さんの笑顔も拝みたい。

凄く元気がもらえる。

久しぶりにジム行くか。


ノノンには、オレからアイミー、篠崎さん、

岩井さんの近況を報告しておいた。

これって業務連絡だろ。


ノノンは学生生活をやり直しに来てる。

オレも同級生としてできるだけ接してあげないとだ。


◇◇◇ 男子寮 ◇◇◇

オレは我が家へと戻ってきた。


「お!居るいる。やっと帰って来た」


オレが部屋に戻ってきて数秒も経たないうちに

カイがやって来た。


(かね)ないお前が、どこ行ってたんだ?」


おっと、そういう設定だった。


「どこでもいいだろ。何のようだ?」

「冷たいねぇ。

 1人しかいない友達を無下(むげ)に扱って」


「少なくとも、お前は友達ではない」

「じゃあ、オレは何だ?」


「災いを持ってくる疫病神(やくびょうがみ)だ」

「そうかもな。どうやら災いは続くぞ」


「どういう意味?」

「学校、退学するって言ったの覚えてるか?

 それを撤回する。

 高校を卒業することに決めたよ。

 それを伝えに来た」


もしかして、オヤジさんがオレの仕事を

受ける気になったのか?

それとも、別の収入源を見つけたか。

どちらにしても良いことじゃないか。


「そうか。そいつは残念だ。

 2学期からウザいのが居なくなると喜んでたのに」

「引き続まとわりつくんでヨロシク」


カイはそれだけを伝えて去って行く。

そして、その答えを伝えるかのようにして

田中宛のメールが転送されて来たのだ。


送信元はカイ父。

メールの内容は、返答が遅れたことの

謝罪から始まっていた。

そして内容は、オレの依頼を受けたい

という主旨である。

理由は記載されてないが、きっと息子である

カイのためだろう。

いい父親ではないか。


カイの先ほどの話しぶりから

卒業はしたくなかったのだろう。

継続が決まってよかった。


オレはカイ父に、依頼内容の詳細と発注書を

別途送付すると返信したのである。


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