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(011) ドキドキの初夜です①

 ◇◇◇ 男子寮 ◇◇◇


「勝手に見るな」


寮に帰って来るや否や、オレが着替えてる

間にノノンの奴は部屋の中を物色してる。


やめて!本当やめて。

まぁ、見られて困る物などないけどね。

のハズ。


ノノンは物に触れられないことが

先ほど判明した。

扉を開けたり、物を動かせないので一安心。


唯一ある小さな本棚でノノンの視線が止まる。


「あら、ハルも男の子だよね。

 女子のパンツに興味があるんだ?」


あれ?

それ奥に閉まってなかったっけ。


「ちょっと待った!誤解してるぞ。

 それは怪しい本ではない」


タイトルだけで判断しているのだろう。


「なら取り出して見せてよ」

「今、忙しいの。

 しかもオレのじゃねぇし」


うわぁ、一番言ってはいけない言い訳じゃん。

本当にオレのではないんですけど。


「どうしてこの部屋にあるのよ。

 おかしくない?」

「カイの奴が置いてったんだよ」


そんなの恥ずかしくて買えるか!


「ふーん。そういうことにしとくよ」

「そういうことにしといて」


あれ!?

これから先、エロいの見れないの。

2日に1回は消えてくんないかなぁ。


ノノンは朝からオレにつきまとい

側を離れようとはしない。

だがトイレやシャワーには付いて来ない。

着替えの時は後ろを向いている。

別に見られても恥ずかしくはないが、

ノノンが恥ずかしいらしい。

変な幽霊だ。


ノノンとくだらん会話をしながら

着替えを終える。

洗濯は明日にしよう。

さて、これから何しようか。

することが浮かばない。


・・・(3時間後)


「そこ左ね」

「こっちな」


「そして突き当りは右だよ」

「OK」


「おぉ、戻ってこれた。記憶力すげぇな」

「でしょ。ノノンは天才だから」


オレとノノンは携帯ゲームで遊んでる。

銃を持って戦う系だ。

オレが操作して、ノノンがオレの背後から

密着した状態で画面を覗き込んでる。

耳元でささやかれるノノンの声にもだえてしまう。


ゲームは、やり込んでいるのもを選択。

良いところを見せてやろうと意気込んだが

道に迷ってしまいノノンに助けられる事態に。


ようやくボス部屋へと戻って来れた。

先ほどもここへ訪れてて、レベル上げと

HP回復のため1度この場を離れ今に至る。


♪ギィーーー (鉄の扉が開く)


「戦うの早くない?」

「バカ!

 このレベルで戦うから楽しんじゃん。

 集中してくぞ!」


四方から無数のゾンビが現れて囲まれた。

更に部屋の扉がロックされ逃げ場なし。

絶望的な状況である。


やってやろうじゃないか。


♪バリバリバリ


「ハル、凄~~~~~い」

「だろ!」


ノノンに褒められるとテンション爆上がり。

火の玉をかわしつつ、数えきれない敵を

次々と倒していく。

HPが半分になったところでボスの登場だ。


「絶対勝てないよ」

「諦めんな!」


♪バリバリバリ

♪バリバリバリ


「回復、回復、早く」

「まだ行ける!」


♪バリバリバリ

「死ぬ死ぬ。死んじゃう」


もうやけくそだぁー。


「あぁあぁ~~~~」

「死んじゃう」


♪パパ、パーン


「ハル、凄~~~い」

「Yes!」


思わずガッツポーズ。

そして振り向き様にノノンとハグ。


♪ドテッ


そうだった。触れられないんだ。

間抜けだなオレ。

起き上がるのが恥ずかしい。


ノノンが幽霊であること再認識した。

嬉しさが半減し、テンションが下がる。


冷静になると腹減ってることに気付く。

ゲームに夢中で何も食べてなかったわ。


寮には朝と夜だけ食事が用意されている。

品数は少ないけれど1階の大広間に料理が

並べてあって食べたい分だけ取って食べる

バイキングスタイルとなってる。

部活組が帰って来てくると食べ物が

全て消えてしまうので20時前までには

食べ終わるよう心掛けていた。


時刻は19時ちょい過ぎ、まだ間に合う。

オレは急いで大広間へ行き、

具沢山のオニギリを作って戻って来る。

今日は部屋で食べながらゲーム三昧。


ゲームと暇つぶしに遊ぶものという認識。

今まで楽しいと感じたことはなかった。

だけど先ほどのは違ってた。

会話しながらだろうか、楽しかった。


もし堀北さんとカップルになってたら

こうして一緒に遊んでくれてただろうか。

堀北さん、ゲームしなそう。

だとしたら何したらいい?


世のカップルって、この時間何してんだ?

イチャイチャすること以外、

何も頭に浮かばないんだが。


ふと堀北さんと付き合った時を想像してみる。

毎日練習してるからデートする時間はない。

時間が空いたとしても、オレにお金ないから

どこにも遊び行けない。

寮は、寮生意以外原則入室禁止。

できることといったら公園で散歩くらいか。


最悪なカップルじゃね?

秒で別れるやつじゃん。

よかった告白しなくて。

自分にそう言い聞かせるのであった。

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