さよならのドア
ドアなら片開き。
扉なら両開き。
さよならのすべてが前向きなものではありえないけど
せめてさよならのさきにあるものは
前向きであってほしい
これまでの世界をとじこめるために
ドアをしめるんじゃなくて
これからの世界をひらくために
ドアをあけるんだ
指を這わせたのに まわす勇気はないまま
手垢まみれにしたノブはもうかたくて
爪をたてた引っ掻き疵だらけのドアを
笑顔でくぐることは難しいよ
これからの世界に水たまりをつくらないためには
これまでの世界においていかなきゃならないものも
あるんだねってこともわかってるけれど
そこまでしても やっぱり零れてしまう涙や
心のどこかで これでひとつ身軽になれるって
安堵してしまう うしろめたいきもち
ぜんぶ ひっくるめて
これからの世界でさよならのさきに
前向きなものをみつけることができたのなら
このさよならはきっと 悲しいだけじゃなくて
出逢いがそうだったぶん 大切なさよならなんだ
そう信じながら ノブをまわして
これからの世界をひらくために
さよならのドアをあけよう
スライド式のイメージではないですね(笑)