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1話、異世界転移と鍛冶場

ここは、どこだろう?


そこには何もなく真っ白な空間が広がっていた。


思い出せない?さっきまでの記憶もない。


腕を組んで考えて居ると、どこからか女性の声が聴こえてきた。


『大丈夫?じゃなさそうですね。名前は覚えていますか?』


名前?何故か本名が出てこない。代わりにゲームなどで使う名前を思い出した。


「名前?はライと言います。本名が出てこないのですがいいですか?」


『そうですか………。分かりました。構いませんよ。ライさんですね。』


「ここは、どこですか?僕はどうなるのでしょうか?」


気付けは、質問をしていた。すると、申し訳なさそうな声がしてきた。


『ここは、ライさんの住んでいる世界から転移して来た方が最初に来る場所ですね。ライさんがどんな生活をお……。』


僕が居た世界の話をしだしたが、転移先の世界が気になっていた。


「あー。大丈夫です。思い出せないですが、今は思い出さなくてもいいと思ってますので。それよりも、どんな世界に転移するのですか?」


少し、間が空いたが女性は簡単に説明をしだした。


『行ってからのお楽しみですかね。まあ、定番の冒険のある世界でしょうか。それではスキルを差し上げます。』


スキルとは?ゲームと同じようなものかなあ?と考えていると


『いろんなゲームをされていますね。共通して武器や防具等を作るのがお好きなようですね』


まあ、確かに!基本的に物を作るゲームをするのが好きだ。そして、最近流行りの小説に出てくる錬金術も楽しそうだ。


「すいません。これから行く世界に鍛冶と錬金術のスキルはありますか?」


気付けば鍛冶と錬金術があるか聞いていた。装備を作るのは楽しいが、ポーションを作ったりするのがとても楽しそうだったからだ。


『ありますよ。楽しいかどうかは人それぞれですけど。それにしても凄いですね。鍛冶スキルは既にMAXというか振りきれているので錬金術スキルにも振り分けますね。』


まあ、ゲームとはいえあれだけ色々と作ればレベルが高くなるよな。振りきれるとは思わなかったけど。


『後は欲しいスキルはありますか?後、1つ選べますよ。』 


欲しいスキルを少し考えた。そして、鍛冶スキルがあるので自分で作った武器で試し切りしたいなと思ったのだ。


試し切りもせずに他の人に渡したくない。切れ味等も気になっていた。


「自分で作った武器を上手く使うスキルがあれば欲しいです。モンスター相手に試し切りしたいので。」


『分かりました。それでは自作装備使用レベル1というスキルにしておきましたので。レベルが上がればいいことも出てくるかもしれないですね。頑張って下さい。』


そうか!これから転移するんだなあと、思っていたら転移直前になって


『すいません。忘れてました。ライさんの居た世界の記憶に嫁が欲しいと強く残っていたので用意しておきますので、探して下さいね。それでは、行ってらっしゃいませ!』


急にとんでもない発言を聴かされ動揺していると、転移させられてしまった。見渡すと、そこは町の協会のようだ。


「無事、神様に願いが通じました。ありがとうございます。」


声のする方へ顔を向けると1人の女性が感謝しながらも喜んでいた。僕の視線に気付いたのか、近付いて来て手を握ってきた。


「私の名前は、ステラと言います。この町で冒険者をしています。お名前を聴いてもよろしいですか?」


とても、目を輝かせている。


僕は手を握られてどうしていいか分からず困ってしまった。


「すいません。手を放してもらってもいいですか?なぜ、冒険者の方が神様にお祈りを?」


それでもステラは手を放そうとしない。逃げられないように少し力が入っていた。


「今日は久しぶりに時間があったので協会にお祈りに来てました。この町の無事と転移者の方が来るように………。本当に転移者の方が来てびっくりしましたけど。」


逃げようとせず、話を聞いていると手を放してくれた。


「名前はライと言います。鍛冶師です。鍛冶が出来る場所はあるんでしょうか?」


なぜ、鍛冶が出来る場所の確認をしたかというと、周りは沢山の木々に囲まれ建物もほとんどない町に見えたからだ。

協会。道具屋?宿屋?食堂?みたいな建物があるくらいか。それにしても、人が居ないのか?それとも他の理由があるのか?まあ、後で分かるだろう!


「現在は無いですね。鍛冶場跡地はあるので、そこで良ければ使って下さい。必要な材料は私が採って来ますよ。」


それにしても、沢山の木々に囲まれている町だ。木々を通り抜ける風がとても心地が良い!風で舞う落ち葉がダンスを踊るように見た目にも心が洗われるようだ。


「この町はどんな場所だったんですか?とても、神聖な場所?のような気がするんですよね。何か大きな何かに護られているような………。」


「ここは遥か昔、栄えていたとされる場所ですね。ここから北に大樹が見えると思います。ユグドラシルと言い、精霊王が住まう場所ですね。精霊王は現在、病気のようです。呪いの類いとも言われています。病気になってずいぶん経つようです。」


確かに、北の方に大樹がそびえ立っていた。大樹の周りは木が見当たらない。もしかして、病気の関係で小さくなって生き永らえているかもしれない。もしくは、栄養確保の為に近くに木が生えてないのかもしれない。


「この、ユグドラシルの木は本来はとても大きな…。この町を覆い隠す位の大樹だったのかな?と、思いますけど何か知ってますか?」


「その通りです。言い伝えによれば、ユグドラシル大森林に精霊樹ユグドラシルあり!その雄大な姿は1つの国と呼ばれました。ユグドラシル王国とも呼ばれていましたが、精霊王が病気になってからは今の姿になったようです。」


ステラは近付き、改めて僕の手を握ると


「私の夢は精霊王の病気を治し、かつてのユグドラシルの姿を見ることです。その為には、病気の原因を突き止めないと行けません。もしかしたら、伝説の霊薬エリクシールが必要かもしれません。まあ、憶測ですが。なので、お手伝いをお願いしたいのです。」


「僕の夢は、鍛冶と錬金術をしながらお店を開いてのんびりスローライフすることです。でも、この土地はとても居心地が良さそうなのでお手伝いしますよ。まずは鍛冶場の復活てすね。」


今度は手を高く上げて喜んでいる。


「ありがとうございます。よろしくお願いします。そう言えば、錬金術という言葉が聴こえたような?」


「こちらの世界に転移するときに鍛冶スキルと錬金術スキルを頂いたんですよ。錬金術で霊薬エリクシール作れたりしますか?」


霊薬エリクシールの事が気になっていた。伝説と呼ばれる位だ。作れない可能性も高い。


「古い文献には作り方が載っているらしいです!残念ながらこの町には無いですね。まあ、錬金術のレベルも相当高くないと作れないようです。」


作れる事が分かったので、先にすることは鍛冶場の復活で良いのだろうか?考えていると、


「最初に鍛冶場を使える状態にしましょうか。その後に錬金術の施設の建設。建設と言っても、ポーション等の比較的簡単に作れる物を作る場所ですね。」


「あのう、すいません。鍛冶場と錬金術施設の併設は可能ですか?もちろん、販売スペースも確保出来れば一番良いですけど。」


居住スペースも聞こうと思ったが、そこはどうにでもなるだろう。寝るだけなら問題ない。まずは、作る。この作業がとても楽しい!売る場合は買い手がいないと始まらない。


「鍛冶場と売り場は問題ないですよ。錬金術施設は新設になりますね。昔は鍛冶師と錬金術師は仲が良くなかったらしいです。なので大分離れた場所に錬金術施設はありますね。」


ステラは手を引っ張って鍛冶場に向かっている。とても楽しそうだ。


「手を放して大丈夫ですよ。逃げませんから。」


「気にしないで下さい。それとも、えい!」


今度は腕組みしてきた。急な事に戸惑ってしまった。半ば、引きずられるように鍛冶場に向かう事に。


「腕組みすると、幸せ感が増しますね!不思議てすね。ライさんがこちらに来てからドキドキしています。」


「分かりましたので、早く向かうためにも腕組みを止めませんか?」


「私と腕組みするの嫌でしたか?」


少し残念そうに腕が放れていった。でも、何であんなに落ち込んでるんだろう?そんな事を考えていると鍛冶場に着いた。


建物を見ると老朽化は進んでいるが、とても立派な建物のようだ。しかも2階建て!正面玄関は階段で2階に続いており、2階が販売スペースになっているようだ。正面玄関を目の前に捉えて左側にも扉があり、そこから鍛冶場に行けるようだ。


「先程、鍛冶場跡地と聞いたような気がしますけど?ここは跡地ではなくて、立派な建物ですよね?」 


跡地と聞いたので建物から作らないといけないと思っていた。それはそれで楽しそうと、思っていた。建物があってほっとしている気持ちもある。早目に鍛冶が出来るのが楽しみだからだ。


「そう言えば、そんな事言いましたね。見た目は立派なんですけど、何故か作業場が酷くて跡地のようです。」


そう言いながら左側の扉をステラが開けようとした。すると、中から気配がしてきた。


「ステラ!」


「大丈夫!悪意は感じない。でも、町にはモンスターは入って来れないはずだし、誰だろう?」


鉄製の剣を構えて様子を伺っている。


1つ不思議に思った。ステラ以外に人が居ないのだ。


「こんな時だけど1つ聞きたい事が出来たんだけどいいですか?」


本当に今更聞く事ではないかもしれない、と思いながらも聞かずにはいられなかった。


「まあ、答えられる範囲であれば良いですよ。中の気配も敵意どころか、好意的のようです。警戒はしておきます。」


武器は構えたまま答えてもらえるようだ。それにしても、気配から襲ってくるかどうか分かるなんて凄いなあ。


今は、聞くことを聞かないと!


「この町にはステラさん以外の人達はいないのですか?」


この世界に転移して最初の違和感はこれだったのかもしれない。この建物までの道のりで人々に出くわさなかった。


「それを今、聞きますか?この町は私も古い文献を頼りに1ヶ月ほど前に来ました。精霊王に会いに!人は居らず、町の名残がある程度でした。」


『ソコカラハ、ワタシガハナスヨ!』


建物の中から声がして、扉が空いた。中から出て来たのは小人のような生き物だ。


『ワタシハ、セイレイオウサマノツカイデ、ツチノセイレイ「ノウム」。コノタテモノハ、ワタシガスコシナオシタ。』


話をしながら近付いてくる。目の前に止まると、お辞儀をしながら


『コノマチハ、ムカシ、オウコクガアッタ。デモ、セイレイオウサマガ、ヨコシマナレンチュウニ、ノロイヲカケラレテ、イマノスガタニ、ナッタ。』


「それは分かっています。でも、呪いが原因なのですね!もしかして、霊薬エリクシールじゃないと治らないのでしょうか?」


ステラも精霊王の病気が気になっているようで、前のめりになって聞いている。治したいと、言ってたしなあ。


『タシカニ、レイヤクデナイト、ナオセナイ。』


「やっぱり、そうなのですね。」


ステラの表情に強い決意が表れる。


「錬金術で作れますか?僕、錬金術のスキル持ってますから!」


『ツクレルゾ!レベルモ、キュウジュウキュウ、アルトカクジツダ。』


ステラが驚いている。今度はとても残念そうだ。


「そこまでのレベルの人は聴いた事がありませんけど?でも、作れるのが分かっただけでも良かったと思います。」


そうなんだ。作れるならいいかな!何も考えずに呟いていた。


「スキルレベルオープン!」


【鍛冶スキルレベルMAX】


【錬金術スキルレベルMAX】


【自作装備使用スキルレベル1】


「えっ………!」


ステラが絶句している。僕の方は何故か納得していた。そういえば、スキルのMAXは実際どれくらいだろう?と考えていた。


「スキルのMAXはいくつか知っていますか?その辺の説明を聞くの忘れていまして!」


「それよりも…、何でレベルMAXがあるのよ。しかも2つも!いくらなんでも、おかしいわよ!」


悲鳴にも似た声を荒げて、ステラは困惑している。


「スキルのMAXは999よ!普通の人は50になれば優秀よ。100なら天才なのに、MAXなんて………。」


『オマエハ、テンイシャカ?』


ノウムが2人の会話から訪ねてきた。とても、興味があるらしい。


「そうですけど!」


『ソレナラバ、「メガミ」ニ、シュクフクヲ、モラエタノダナ。ナニガ、キジュンカ、ワカラヌガ!』


祝福かあ!姿は見てないけど感謝しておこう!気を取り直したステラが1つのスキルを聞いてきた。


「ところで、自作装備使用スキルレベル1って何?」


「自分で作った装備を上手く使えるスキルですね。モンスター相手に試し切りしようと思いまして。折角、作っても直ぐにダメになるなら使う人に申し訳ありませんから。」


「鍛冶スキルレベルMAXの人が言うセリフじゃないわね。でも、一緒に冒険出来るのは嬉しいかも!」


『トコロデ、ココニ、ナニシニ、キタノダ?』


ステラが、思い出したかのように手を叩いた。


「鍛冶場がどのようになってるか見に来たんだけど!ここを拠点に精霊王の呪いを解くことを目標に!」


「そうでしたね。僕のスキル見てあそこまで驚かれてしまうとは思いませんでしたからね。忘れてました。」


「しょうがないでしょ。スキルレベルMAXなんて見たことなかったもの!」


「もしかして、口調が変わったのはそれが素ですか?僕はどちらでも問題ないですけど。」


隠すつもりがないのか、ステラは気にする様子がない。


「それよりも、中に入ろ!」


『ナカハ、アルテイド、ツカエルヨウニ、シテアルゾ。セイレイオウサマニ、チカヂカ、ツカウ、ニンゲンガクルカラ、ヨロシクタノムト!』


そう言いながら扉を開けてくれた。入ると左側に作業場があった。思ったよりも綺麗にされていた。とても、跡地とは思えない。


「本当にここは跡地だったんですか?」


「確かに、跡地に見えないわね。最初に来たときに覗いたけど、こんなに綺麗になってなかったわよ。」


『ココハ、タシカニ、アトチ、ダ。ステラガ、キョウカイニ、イッテカラ、トリカカッタ。』


「そうだったのね。食糧の為にモンスターを狩って協会の近くにある民家で生活してたから鍛冶場には行ってないしね。」


僕は既に、作りたい感情が強くなっていた。まずは、簡単な自分の装備!ステラの装備も作りたい。


「ライの目が輝いてる!私の武器もお願いしたいのだけどダメかしら?」


「もちろん、作らせてもらうよ。どんな物がいいかな?」


気付けば、ノウムが準備を始めていた。


『ジュンビ、デキタゾ!』


「私の武器はショートソードを2本使うの!後は弓かしら!ショートソードがあれば大丈夫だから、弓は後回しでいいわよ!」


「了解です!素材は何がありますか?」


ステラは魔法の袋から素材を取り出した。


「アーマーリザードがこの近くにいて討伐出来たから使って!後は洞窟に入った時に魔鉄と鉄、ミスリルが手に入ったわよ。これも鉄の一種だと思うけど何か分からないわ?」


テーブルに置かれた鉄の一種と思われる物は不思議な力を発していた。


『ソノ、テツハ、「インテツ」ダナ。ハルカ、ムカシ、ソラカラ、テツノ、カタマリガ、フッテキタ、ラシイ。ソレガ「インテツ」トヨバレテイル。』


「私、聴いたことある。でも、実際に見たのは初めてね。加工が難しい鉱石の1つよね。」


『ソノトオリダ。オリハルコン、アダマンタイト、ト、ナラブ、メズラシイ、コウセキダ。』


そこまで、話して2人は僕を見た。喜んで良いのか、分からない視線だ。そこは素直に喜んで欲しい。鍛冶スキルレベルMAXの僕なら可能だろう。


「使って欲しい素材はありますか?ショートソードなら魔鉄と隕鉄を使えばいいですね。この世界に魔法の概念はありますか?」


「あるわよ。それなりに、使える冒険者も多いから!精霊達に手伝ってもらうことも出来るわよ。精霊魔法になるけど。使えるのは極、一部ね!」


「ステラさんは魔法は使えますか?」


「一通り使えるけど、どうしたの?」


魔鉄と隕鉄を見せながら説明をする。手に取るとどんな特性があるのか伝わってきた。


「魔鉄も隕鉄も魔法との相性が良いようですね。魔鉄は柄の部分に。隕鉄は刃の部分に使うと良いみたいです。」


「何故、分かるのよ?魔鉄はともかく、隕鉄は滅多に採れないから文献にも載ってないのに。」


またもや、困惑している。


『モシカシテ、コウセキヲ、サワルト、トクセイガ、ツタワルノカ?』


「ん?そうですけど。スキルが高いと便利ですね。」


あっけらかんと、答えているとステラが呆れている。


「ライはどんな武器を使うの?」


僕の使う武器が気になるようだ。折角、ミスリルがあるので片手剣を作ろうかなと、思っていた。


「ミスリルがありますから、片手剣を作ろうかなと思います。柄にはアーマーリザードの素材を使おうかと。」


「分かったわ。武器の方はよろしくね!私は食事、作ってくるわ。」


そう言うと、使っている民家に歩いていった。僕自身、料理をしないのでとても楽しみだ。


「作業の前にノウムさんに聞きたい事があるんですけどいいですか?」


『ナニヲ、キキタイノダ?アト、ケイゴモイラナイ。』


「敬語は癖なのでお気になさらず。この町なのですが、発展させてもいいのですか?」


ふと、気になった。精霊王がいるこの地は、邪な連中にとって邪魔なのではないかと思った。


『セイレイオウサマハ、ヒトアツメニ、セッキョクテキダ。イマハ、ノロイニヨリ、ヤスマレテイルガ。』


ノウムの発言に驚きを憶えた。呪いを使った相手は人ではなかったのか?そんなに事を考えていると、


『イズレ、ハナストキガ、クル。マダ、ハジメナイノカ。』


「それなら、先に食べましょ。作ってきたから。」


声のする方に顔を向けると、ステラがパンと焼いた肉を持って来ていた。


「そんなに見つめないでよ。簡単に作っただけだから。」


そこまで、見ていない気もするが……。でも、美味しそうだ。

水はステラが魔法で出し、グラスに注いでくれる。


「魔法は便利なんですね。」


ボソッと、言葉が出てきてその後ひたすら食べ進めた。

ムシャ、ムシャ、ムシャ!


視線を感じると、ステラがこちらを見ていた。何故だろう?とても、幸せそうだ!


「僕の食べる姿見て楽しいですか?視線が気になって食べずらいのですが?」


「こんなに、美味しそうに食べてもらえると嬉しくて!一目惚れもしているからか、とても幸せ感じるわね。」


少し顔が赤くなっているがそれでも視線を外さない。時々、一目惚れとか聴こえてくるけど、どうしたんだろう? 


「魔法は便利だよ!夜営の時も重宝しますよ。火の魔法もあるからから火起こしも楽なんだよね。」


手から火魔法を発動させていた。とても、綺麗なのだが急に出されたのでビックリしてしまった。


「ガタッ!」


椅子から落ちてしまった。口の中にパンが入っているため声が出せない。


「ゴホッ、ゴホッ!」


「大丈夫?ごめんね!ビックリするとは思わなくて。」


僕の腕を掴んで、立ち上がらせてもらった。パンをなんとか飲み込んで深呼吸をする。椅子を戻しステラを見ると


「本当にごめんね!」


手を合わせて、再び謝ってきた。その仕草が何だか可愛い。

やっと、落ち着いた。


「ビックリはしましたけど大丈夫ですよ。話の流れでそうなっただけですから。」


『オマエラ、ナニヲ、イチャツイテ、イルンダ。ブキハ、ツクランノカ?』


「そうでしたね。では、さっそく作っていきますね!」


僕はその様に答えて、席を立った。





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