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戦闘3

「おい!何だあれは!」

 狐の獣人が叫ぶ。

「あんな無様な戦いないだろう」


 狼の獣人を魔法で見えない防護壁で、部屋の壁に推し挟み捕まえた事に狐の獣人はリラ姫に大声で抗議した。リラ姫も狼の獣人とフヨウ隊長が壁に押し付けられているのを呆然と見ていた。


 無いわぁ。アレは無い。

 戦闘ってスマートに華麗にお互いの武術をぶつけるもののはずよ。あんな潰れたカエルの様な格好で捉えるなんてありえないわ。しかも味方の隊長まで壁に押さえ付けるなんて…ん?…レンギョウが私の方を見て微笑んでいる…まさか…まさか、わたしも同じ状態にするつもりじゃないでしょうねぇ?

 は! レンギョウ(あの野郎)わたしたちにも魔法防御壁で押してくるつもりだ!!


「ちょっと! レンギョウ止めなさ…ムギュウゥ!ゥゥ…」

 わたしは姫! 姫様なのよ!! 何でこんな目に合わせてくれてんのよ!


 リラ姫と狐の獣人が壁に押し付けられ騎士によって狐の獣人の首に罪人の輪が嵌められた。


 あのレンギョウ(魔法使い)、絶対に許さないからねぇ。

 リラ姫は燃え盛る目でレンギョウを見た。


 ▽▽▽


「後はアベリアとライオンの獣人だけね」


「ええ、しかし、リラ姫に物凄い目で睨まれてんですが、私。仕返しが超怖いですね」


 レンギョウさんは貼り付けた笑顔で冷や汗を流しながらリラを見ている。

 う〜ん、リラにこの案の発言者が私ってバレないと良いなぁ。

 しかし、この間の抜けた作戦がコレほど上手く行くなんて…私偉い…よくぞ思いついたって感じじゃない? だってこれで敵はあのライオンの獣人一人になったわけで勝ったも同然だよ。


 ダンッツ!!


「ツッ…!」

「アベリア!」


 ライオンの獣人と激しく打ち合いをしていたアベリアが、目に見えない何かに当たり後ろへ弾かれた。


「成る程。防御壁なら自分の身を守り、狭い場所での戦闘に使えるというわけか」


 ライオンの獣人は私達の作戦を見て納得したという感じで自分の周辺に魔法で防御壁を張ったらしい。


「不本意だが、俺が不利な状況でこのまま戦うのは馬鹿馬鹿しい。

 お前の相手はまた今度してやる」


 アベリアに言うと、ライオンの獣人は防御壁を張り部屋の出口へ動いた。アベリアがライオンの獣人を止め様にも防御壁が邪魔してライオンの獣人は掴めない。

 他人の作戦を盗むなんて、彼奴本当に最低だわ!


「仕方がありませんねぇ。

 エリカ様、ご婦人方、私達の防御壁を解きますので少しの間ご自分達の身の回りに注意して下さい」

 と、レンギョウさんが呪文を唱え私達の周辺の防御壁を解いた。そして直ぐにレンギョウさんは長く美しい指を唇に当てて呪文を唄い、ライオンの獣人へ向かって指を振りきった。


 アベリアとフヨウ隊長、傭兵や騎士達がライオンの獣人の前に集まり、目に見えない防御壁を押してライオンの獣人の逃走を防いでいる。


 そこへライオンの獣人の真上、レンギョウさんの魔法が薄紫色の光を放ち降り注ぐとアベリア達は前のめりに勢いよく倒れた。ライオンの獣人は軽快に後ろへ軽く飛び倒れるアベリア達を避ける。


「今、封呪の魔法をかけました。

 これでライオンの獣人(あのかた)は少しの間ですが魔法が使えなくなりましたよ」


「ええ、凄い魔法が使えたんですね。レンギョウさんて本当に国一番の魔法使いなんですね」

 今まで私が見たレンギョウさんの魔法で1番魔法らしい魔法だと思う。敵の魔法が使えなくできるなんて。


「…エリカ様…私のことをそんなに低く見ていたんですか…ガアッツ!」


「アンタ!! さっきはよくもわたしを壁に押し付けてくれたわね!」

 リラ姫は鬼の形相でレンギョウさんの背後から彼の細い腹部に両腕を回して締めあげた。


「グッウゥ…」

 レンギョウさんは苦しくて口がきけない様子。


「えっ、ま、待ってリラ。落ち着いて私の話を聞いて…」

 レンギョウさんが悪いわけでないからと慌ててリラを止めるが


「問答無用!」

 リラはレンギョウさんを背後から持ち上げ後ろへ高くジャンプしレンギョウさんの頭を床へ叩きつけた。

 あ、これ漫画で見た事がある。柔道の裏投げだ。


「レ、レンギョウさん!」


 レンギョウさんは目を回して床に大の字で寝る。リラ姫は立ち上がりレンギョウさんを見下ろして

「フンッ、いい気味よ」

 と笑った

 ああ、レンギョウさんは悪くないと言うか私の発案に乗っただけなんだけれど。


「エリカ! 逃げろ!!」


 アベリアの声が聞こえ振り向くとライオンの獣人が凄い勢いで私の方へ走ってくる。な、逃げる為に私を人質に取るつもりなのか。凄く不思議と冷静な考えが頭を回るのに体が全く反応しない。逃げたい。逃げないといけない。それなのに、只々ライオンの獣人が私に向かってくるのを見つめているだけ。

 あ…獣人の大きな手が私を掴む…

 ドンッツ!!

「…! リラ!!」

 私はリラに体当たりされ後ろへ転がった。リラは小さな体でライオンの獣人の体下へ入り獣人の襟首を掴んだ。そして片足を上げ獣人の腹に当てライオンの獣人を壁へ投げつけた。

 はっ、これはまさか柔道の巴投げ!


 ダンッツ!!

「グオッ!!」

 ライオンの獣人は壁に強く当たったはずなのに直ぐに起き上がった。そしてそこはヤマブキはいち早く逃げたものの恐怖で動けない牛族の女性がいた。

「ヒッ!!」






ここまで読んでいただきありがとうございました。

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