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エリカと娼婦

誘拐されたエリカ。

※残酷な表現(痴漢行為)があります。不愉快に思われる方は気をつけてください。

 ガタガタガタ……

 ……


 ……柔らかい……温かい……あ、


 ふっと意識が戻った。


 私は女性に挟まれた状態で動く荷車の中に座らされている。

 馬車の中から見える外はシャクナゲ国の街中の様で、石で作られた建物や道に住民が歩いて行き交っているのが見える。街は既に夕暮れで夜を迎えだしていた。


「し! 静かにしな……」


 私が気が付いたのが分かり、隣にいる女性が私に見えるように刃物をちらつかせた。


 怖い。どうしよう。どうしたらいいんだろう。

 両隣の女性の目が冷たい。話したからといって友好的になれる感じが全くしないよ。

 ああ、アベリアからどんどん離れていってる気がする。


「あの、何処に向かっているのですか?」


 とりあえず自分の状況を知りたく思い、私の隣で刃物を握る女性の目を見て出来るだけ冷静に訊ねてみた。

 いくら何でもいきなり刺してはこないよね。


 ギュウ!


「痛っつ!」


 女性は刃物は使わなかったけれど私の頬を思いっきりつねった。


「静かに、しゃべるな」


 女性は厚化粧の顔に表情を作らず私へ命令した。

 私は力一杯つねられた頬に手を当て涙目で頷くしかない。


「おい、その女は商品と一緒だぞ。乱暴に扱うなよ」


 と、シモツケさんが外から走る荷車の中へ飛び乗ってきて言った。


 彼はニヤニヤ笑顔を浮かべて私を見下ろす。

 私はシモツケさんを睨んだ。

 この人、アベリアの友人と言って私を油断させて誘拐した悪い人だ。


 シモツケさんは刃物を持っていない女性の方に指示を出して、彼女を荷車から降ろし私の隣に腰かけてきた。


 む―――! 腹が立つ、近寄らないで!

 声を出しかけると片側の女性が刃物を私に近づけた。くっと声を飲んで我慢する。


「ふふ、エリカさんが大人しくて助かったよ。

 シャクナゲ国の中に入るのに門番には全く疑われなかった。門番の奴ら君をここの娼婦の1人だと認識してくれたからね」


 私は女性達が身に纏っている布地と同じローブを頭から足先まで巻かれている。意識が戻ってから香っている匂いは化粧の香りだろう。鏡が無いから分からないけれど、私の顔には女性達と同じ厚化粧がほどこされているんだわ。


 私はチラッと隣の女性の顔を見た。

 ……誘拐されて緊迫した空気の中、非常識なのは分かるけれど今とっても自分の顔を見たい……

 これだけ盛り盛りで化粧した自分の顔ってどんなかしら?


「えっつ! ちょおっ……!」


 よそ事を考えていたら急にシモツケさんの片手が私の背後を回り、私の後ろから両手でボインを触りだした。


 嫌ああああああ! 私のおっぱいに触るな! 揉むな!


 声を上げたいのに刃物を持った女性が私を睨んでくる。

 声を出したら刺すよって。


 ウウウウウ……さ、最低……最悪だよ。こんなセクハラ? パワハラ? 強姦?


「俺は君を攫っていけるなんて本当に幸運だ。」


 シモツケさんは上機嫌で私の大事なボインをやわやわと手で遊びながら、夢見心地な表情で言った。


「俺はこれで奴隷から解放されて人並みな悪人になれるんだ」


 奴隷から解放? ちょっ、ヤダおっぱいを握るな!


 シモツケさんの主人がそう言ったのか、私を誘拐してくれば奴隷から解放してやるって。

 うっ、ああ、おっぱいを小刻みに揺らさないで!


 そりゃあシモツケさんだって奴隷を辞めたいだろうし、私を連れていけば奴隷じゃなくなると言われれば、私を誘拐するの何て当たり前かもしれないけれど。

 くっ、おっぱいをゆっくり大きく揉むのも駄目! 


 でも、人並みな悪人? になるって、奴隷辞めた後も結局悪い人は止めないのかよ!

 やっ、おっぱいの先を摘まんじゃ嫌!


「ふふふ、エリカちゃんって胸感じやすいんだね。厚化粧でも表情が分かるよ。

 俺、初めて会った時から君のおっぱい触ってみたかったんだ。

 こんなに大きいけれど柔らかくてとても弾力があって手触りが良いよ。

 アベリアにもこの素晴らしいおっぱいを触らせてやったのかい?」


 キイ――――――! こんな男に良い様に胸を揉まれて好き勝手言われ、泣きたくないのに涙がボロボロと落ちてくる。

 こんな男に胸を触られるなら死神様にボインをお願なんてしなければ良かった!

 もっと攻撃的な最強的に強い力や魔法を貰えばよかった!!


 私は初めて異世界に来ておっぱいを大きくしてもらったことを後悔した。

 女性の胸が大きいという事は異性に対しての性的アピールに繋がり、危険に会う可能性が高いと初めて分かった。


 ガタンッ。


 荷馬車が止まった。

 シモツケさんの手が私の胸から離れて、荷台から出て行く。

 私は悲しくて悔しくて俯いていた。


 すると私の隣にいる女性が

「たかがおっぱいを揉まれたから泣くなんて……甘ちゃんね」

 そう言って私のおっぱいをつねりあげた。


「いったあ!!」

 もの凄く痛くて声を上げる私に彼女は刃物を目の前に出して

「うるさい。 静かにしろ」

 と冷たく言い放った。


 そう、確かに私は今まで甘い環境にいた。この世界に来てアベリアに守られ、お城で保護されて命の危険も貞操の危機にも合わずに生きてこれた。


 シモツケさんやこの隣の女性はきっと、人権を踏み躙られるような過酷な状況で生活をしてきたのかも知れない……でも、だからってこの人たちに私を酷く扱って良い権利なんて無いのよ!


 私はふつふつと湧き上がる怒りを感じながら、絶対にこいつらから逃げてやろうと心に誓った。






ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

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