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異世界生活

異世界に来たエリカ。

念願のボインに胸を弾ませて一人でも頑張って生きております。

 ボイン生活、いや違う異世界生活13日目。


 今だここに来て人間と遭遇せず。

 というか大きな生き物を見ていないです。


 山にいる大きな動物って猿や鹿や猪または熊、今時日本にはいない狼とか遭遇したらやばいと心配だったのだけれど、私が今までこの山で見た生物は、鳥とか狐か狸や兎のような小動物ばかり。後は虫や爬虫類がまあまあいるけれど、私に害がありそうなムカデや蛇などはいない。


 リスやマタタビが木の上を歩いていて、この山可愛い動物しかいないのかなと思いつつ、指パチンでクルミやナッツを出してお友達になろうとリスに上げたのだけれど、全然近づいてきてくれない。

 こんな平和な山で何故に警戒心が強いのか、どの動物たちも私の事を警戒して遠巻きにして近くに来ない。

 動物好きな私としてはかなり寂しいわ。


 大型動物がいないって、これって命の危険がないから運が良いと言えば良いのかな?


 戦う能力のない私にとっては優しい自然環境は有難い。


 この山の中でなら大して危険が無いから寿命を全う出来る気がする。

 しかし、死神様には悪いけれど私は今とっても人間に会いたい。

 いや、会わなければこの世界で暮らしていけないと感じている。


 死神様に、異世界の住人とは出来るだけ接触しないようにと言われている、でもそれは無理だわ。


 この13日間、食事の確保と体が健康って事だけでは人間は生活できないと分かった。


 まずは体を清潔にしたい!

 ずっと、歩いていて疲れは感じないけれど、汗をかくので体を綺麗にしたい。

 と一言で言っても清潔にするにはいろいろと必要で……。


 川の水で体をすすぐと何とも言えない匂いがする。正直臭い。そして川の水は冷たい。


 お湯を沸かしたくても火を熾せないし、お湯を沸かすヤカンや鍋がない。

 鍋を買いたいしライターもしくはマッチが欲しい……いや、火打石でも手に入れられないかしら。

 もしくはナイフがあれば木を削って擦り付けて火を熾すのに。


 そして、体を綺麗にするため出来れば石鹸とかシャンプー、リンスを手に入れて洗いたい。


 それから服も洗濯したい。

 タオルも小川の水で洗うだけでは臭くなってきてしまったし、衣類の匂いって水洗いだけでは落ちないよ。


 20歳の若い私には自分が臭いのはかなり堪えるわ。


 あと、洗濯するなら替えの衣装や下着も数枚は欲しいし。


 そして出来れば雨を凌げて風を防ぐ家が欲しいの。


 体がいくら丈夫でも真夜中に風の音や小動物の動く音で起きてしまい安心して寝られないと、睡眠が不足して頭がボーとして昼間の行動が制限されてしまう。


 そして何より切実な問題が、今私の手元のある食器の数が多い。

 大皿12枚に中皿18枚、丼4杯。フォークナイフ20セットに箸が10膳、スプーンが4つ。


 初日から今まで食べた食事の食器。

 これだけのお皿やカテトリーを手に持って、人里を探すために小川の流れに沿って歩いきたが、正直もう無理。腕も手も腰も限界。


 怪我をしないとはいえ、持って歩いていると痛みを感じるの。

 これ以上は持ち歩けないわ。


 でも森の中に勝手に捨てたら不法投棄になってしまう。

 自然は大事だと教えられてきたもの捨ててはいけない。


 今朝から食器が現れない食べ物を出して食べるようにした。

 もっと早く気が付くべきだったわね。


 私は胸の谷間に挟んだバナナを1本取り出して食べた。


 ふふふ、私のボインにはあと2本バナナを挟んでいる。

 ボインは本当に凄い便利!

 食べ物を挟んで歩けるもの。


 ただちょっと人肌に温められるのが難点だけれど。


 バナナをモグモグ食べ終えてから、バナナの皮を土に埋める。


 人は一人では生きられないって本当だ。

 生きていけても生活がとっても不便だもの。

 こんな孤独で潤いの無い暮らしを何年もは出来ないわ。


 出来れば集落から離れたところに住居を構えよう。


 今日はまだ人が住んでいる場所にたどり着かないけれど、もう少しだけ頑張って歩いて行こう。


 ▽▽▽


 異世界生活20日目。

 3日程前に小川が地面の中に消えてしまい、目標を見失って途方にくれました。


 取り敢えず、顔や食器を洗ったりしたいので水場を拠点に人里を探す事に。


 でも、まあ食器が重くて持ち運びが出来なくなったという理由もある。

 数枚の皿は落として割ってしまったので地面を掘って土に埋めた。わざとじゃないよ。

 もう本当に嵩張って重くて腕が限界で、小石につまずいた時に上に載っていた数枚の食器が落ちちゃったの。

 割れた食器は土に埋めた。


 私にはボインという希望があるから少しくらい不安でも気落ちはしない。


 という訳で、昨日から水場を出発点に一方位へ自分の拠点場所に戻れるように、等間隔に胸パットを木の枝に置きながら人里を探して歩いて行く。


 地面は緩く起伏があり、山を下りているのか上っているのかそれも曖昧で、私は山の麓に近いのか頂上に近いのか分からないわ。


 木の葉が生い茂っていて空がハッキリ見えないから、太陽の位置が見えず時間は分からない。

 一応周辺が見える明るさはあるから恐怖は感じないけれど、引き返す時を測れないのは不便ね。

 明るいうちに戻りたいから今日はそろそろ引き返そうかしら?


 と、何だろう……あれ……人の声らしきものが聞こえた。


 動物の鳴き声とは違う、会話しているような複数の人間の声が風に乗って耳に入っきた。


 もしかしたら、今日初めてこの世界の人間に会える?


 私は逸る気持ちを押さえて、声のする方にゆっくりと出来るだけ足音を消して近づいた。


 友好的な優しそうな人たちなら良いなあ。特に女性だと嬉しいわ。

 声がかけやすいし、女性の生活情報を教えて貰えるかもしれない。


 あ、でも、なんか……声の感じからして男性だわ。

 野太いだみ声、低い声、早口で何だろう争っているみたい。


「おい!お前が……しないから……出来なかったろうが!」

「役立たずが! 何で……しない!」

「おい!……を持って来い! グズグズするな!」


 ……これ、近寄らない方が良いのかしら? 

 優しく相手をしてもらえる感じがしないわ。


ここまで読んでいただきありがとうございます。

9月中旬に長年使っていたパソコンが壊れてインターネットに繋がれない生活をしていました。

やっと、新しいパソコンを手に入れましたが、操作が変わりなかなか思うように打てません。

頑張りますので、良かったら続きを読んでください。

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