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アイデア投稿作品群  作者: アッキ@瓶の蓋。


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ミズキは召喚獣と共に無双する 2話目


 祖父母の話によると、ダンジョンが地球で初めて発見されたのは、第二次世界大戦の後のことだったらしい。


 世界各国に傷跡を残していた、前代未聞級の世界大戦。

 その大戦も終わって、ようやく復興をしようとした最中、突如として世界各地にダンジョンが現れたらしい。


 初めは入る人も少なかったが、賢明なる人達の調査の結果で、色々な事が分かった。


 《ダンジョンの中には、モンスターと呼ばれる化け物がいて襲ってくる》。

 《モンスターを倒すと経験値が手に入って強くなり、魔石と呼ばれるモノが得られる》。

 《魔石は、神の名のもとに高価な金銀財宝や有用な製品などと交換される》。


 ダンジョンに入った際に、神からそう聞かされたと、入った1人が証言した。


 初めは嘘だろうと取り合わなかった人も多かったが、入った全員が同じことを聞いたと言って、さらにはそれが事実だったとテレビ番組などで証明されてしまった。


 復興もそっちのけで、ダンジョンに潜った人々。

 その人々の大活躍のおかげで、世界各地は大戦を起こす前にまで復興、いやそれ以上の復興を成し遂げたのだ。


 ダンジョン万歳、というべきだろう。


 そうして今、他の国と同じく、日本に住む、ごくごく普通の中学生たる僕もまた、初めてダンジョンに潜ろうとしていた。





「ここが、ダンジョンか……」


 七尾ミズキ----つまりは僕は、ダンジョンに入って、その中の様子に驚いていた。


 ダンジョンの中、そこは緑溢れる森の中だった。

 木々は赤や青、そういったパステル色溢れる綺麗な色の葉っぱが並んでおり、僕の横を人間と同じくらいの大きさのダンゴムシが通っていく。

 薄暗い、廃屋の裏にあった小さな穴だったのに、入って見たらこんな光景が広がってるだなんて。


 噂以上、想像以上の光景である。


「流石はダンジョンだな」


「ほら、ミズキ。なにをしてるんだ」


 僕がダンジョンの美しさに見惚れていると、僕の前を進んでいたユウキが僕の事を呼んでいた。


 ----瀬尾ユウキ。

 金に染め直した髪をうざったげに肩まで伸ばして、悪趣味な金色の鎧を身に纏った男。

 僕の従兄にして、連絡が取れる唯一の冒険者が彼なのである。


「せっかく、この心優しいユウキ様が、お前のためにダンジョンへ向かうのに同行してやったというのによぉ~。少しは、この兄を敬うっていう気持ちはないのか、あぁん?」


「もっ、勿論、あるに決まってるじゃないですか。やだなぁ、もう……」


 勿論、ある(なんて嘘)に決まってるじゃないですか。

 冒険者免許がない人は、ダンジョンに行く際は同行者が必要、なーんていうクソ面倒なルールがなければ、お前のようなナルシストなぞ、誰が声をかけると?


「(多少、そっちの方が歳が上なだけだろう? 俺も、高校生になったら、すぐさま手に入れてやるよ)」


 お役所仕事というか、"冒険者資格を得るには17歳以上"などという日本的な一律制度のせいで、俺は困ってるんだよ。

 なんだよ、アメリカとかの外国だと、完全な実力主義で、最年少だと10歳とかあるのに……。


「(今は我慢だ。こいつだけなんだよ、今の所、俺が冒険者として活動するに必要な資格を持ってる奴ってのが……)」


 そうでなければ、誰がこんな、自意識過剰の塊みたいな奴と、一緒に過ごしたいって思うんだよ?

 なんだ、その黄金の鎧? そんなので、本当にダンジョンに行くつもりなのか?

 途中でへばるに決まってるだろう、そんなんじゃ?


「まぁ、良い。とりあえず、この瀬尾ユウキお兄様が! 冒険者としての先輩として! 正しい知識ってのを教えてやんよ!」


「ありがとうございます、ユウキお兄さん」


 良いやつなんだよな……こうやって、知識を教えようとする分には。


「ふふんっ! どやぁ!」


 ただ、心底ウザイだけで。


「----良いか? ダンジョンに入ると、神様が俺達にジョブ、そして召喚獣が与えられるんだ。例えば、俺の場合はこんな感じだな! 《ステータス》!」



===== ===== =====

《名前》瀬尾(せお) ユウキ

《レベル》5

《ジョブ&ジョブレベル》剣士 レベル2


《ステータス》

最大HP;20

最大MP;0


《スキル》

・初級剣技…剣を持っている時、攻撃力+10

・根性…HPが1以下になっても、ギリギリで生き残る。運の数値参照



《召喚獣》ジェリーフッシュ

《所属》青


《スキル》

・毒針…召喚主の攻撃に、毒属性を付与する

===== ===== =====



「おぉ……これが、ステータス!?」


 そして、ユウキの肩から、宙を舞う1匹のクラゲが現れた。

 これが召喚獣、ってやつか。


 ぶよぶよとして、半透明で、なんだか幻想的な雰囲気を漂わせているな。


「召喚獣とジョブはランダムだ。ジョブを変えるにも、召喚獣を変えるにも色々と手間がかかる。

 まぁ、教える前に、1回叫んでみろよ。お前のステータス確認のために」


「あぁ、分かった」


 俺はユウキの提案に賛同する。


「(ここだ、こここそが重要なんだ)」


 ユウキの言う通り、ジョブと召喚獣は今後の人生に大きく左右する。

 なにせ、ジョブがクソだったら冒険者として活躍出来ないことが決定するし、召喚獣は一度呼んだら特定条件でないと変更できないらしい。


「(良いのが来い、良いのが来いっ!)」


 俺は今日まで溜めてきた運をフル活用して、こう叫んだ。


「《ステータス》!」

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