これからの事が決まって
窓の外を見ると、まるでゲームで出てくるゴブリンやオークが徘徊していた。
とは言っても、見る限り量が少ない、気をつけていれば遭遇しないだろう。
「なんか化け物が徘徊していますね」
《いや、リアクション薄いな》
「姿が変わって驚きましたので、その時にもう驚かないと決めました」
いや、実は心臓バックバクです。それが声や顔に出てないだけです。
《まあいいや。それで、その化け物・・・モンスター達は気付いたらもう出来てた洞窟の中から出てきて人を襲っているらしい》
「ゲームとかで言う“ダンジョン”ですかね?こちらでもそのモンスターがいるってことは、多分こちらにもダンジョンがありそうですね」
《で、こんな状態じゃあ修学旅行どころではないってことだ。そう言う事で零と合流したいんだが・・・》
「・・・ここは京都、シロにぃ達は東京ですからね。この状況ですから恐らく電車や新幹線は使えませんし、車は運転する人がいません」
《だよなぁ。もうこの際無免許で車運転してもいいんじゃね?》
「高確率で事故が発生するのでやめてください」
《それついさっき氷黒に言われた。だとすると、もう徒歩しか無いんだが、無理だぞ?》
そりゃぁ流石にあの距離で徒歩は気が遠くなるよね。
「なら、さっき見た【スキル】で何とかなりませんか?」
《いや、クラスメイトや先生たちもそんなスキルは持っていなかった。ちなみに、スキルを発動させたいなら、スキル名を言えば発動するぞ。一部、例えば剣術とかは常時発動っぽいけどな》
ほう、それなら私が持っている鎌術が常時発動スキルか。だが、鎌が無いな。家に鎌なんて置いてたかな?
まあそれは後で考えるとして、これから私がする事が大分決まった。
「成る程、わかりました。なら、取り敢えず東京にいて人を集めたり情報収集したりしてください。面倒くさいですが私が向かいますので」
《・・・はぁ!?お前、あのモンスターが徘徊する中京都から東京まで徒歩で来るのか!?》
「はい、面倒くさいですがモンスターはステータスがある時点で戦う事はほぼ確定でしょう。面倒くさいですが徒歩に関しては時間はかかりますがそこら辺の空き家やホテルに泊まりながら行けばいいでしょう。面倒くさいですが」
《・・・・・・・・・・・・・・・ホント、お前の面倒くさがりは変わってねぇな》
「正直私は寝ていたいですが、このままだとモンスターが襲って来るかもしれませんし、襲われなかったとしても食料はあまりありませんから餓死します。そちらはホテルですし、しばらくは持つでしょうしね」
《・・・わかった、こっちで待ってるわ。ただし!1日最低一回は電話してくること!それと、絶対に死ぬな。それだけは忘れないでくれ》
「わかりました。そちらこそ、死なないで下さいよ?」
《ハッ、そんな簡単に死なねぇよ。こっちだって強くなってやる!》
「それじゃ、そろそろ切りますね・・・あ、忘れてました」
《ん?なんだ?》
「スマホ、修学旅行に持っていくの禁止ではありませんでしたか?」
《・・・・・・え、え〜っと》
「修学旅行前日にしっかりとスマホを持っていくなと言った筈では?」
《そ、それは緊急事態に備えて・・・》
「ダメと言いましたよね?聞けばクロにぃも持って行っていますし、二人共、そちらに行ったらお仕置きですね♪」
《ちょ、なんでお仕置き!?》
「義母さんに『何か二人が悪い事をしたら遠慮なくお仕置きしちゃって♡』と言われましたので」
《お前のお仕置きは洒落になんねーって!》
「それでは切りますねー」
《おい、ちょまて-----》
ピッ
・・・さて、色々と準備しますか。