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第一部 7

 


──けど、りっちゃん、好きでもない子に、やれるかなあ。いや、俺も、そういう人に、まあなあ。




 三年D組の下ネタ女王・古川こずえといえば、とにかく明朗活発かつ口も達者、腰も軽くひょこひょこクラス内で動き回るので、大変目立つ存在ではあった。立村の恋人である清坂美里とも親友同士、その係わり合いで羽飛ともよくしゃべる仲でもある。もっと言えば二年の頃は同じ班仲間だったし、秋世の隣席でもあった。なんと言えばいいのか、とにかくスケベ話の引き出しはたくさん持っている女子だった。「ねえ、彰子ちゃんを押し倒したりなんか、してないよねえ、南雲」と、からかい口調ではなくまじめな顔して問い詰められた時には、秋世としても複雑な気持ちを抱えざるを得なかった。もちろん「規律委員たるもの、自分の本能を抑えられねえでどうしますって、古川の姐さん」と返したけれどもだ。同じようなネタを毎朝立村に振っている様子を覗き見ると、秋世としてはいつも笑いをこらえるのがしんどくなる。

「立村、あんたのために言うんだけどさ、どこか婦人服関連の店にアルバイトに行ったほうがいいと思うんだよねえ」

「なんだよそれ」

「だって覚えられるじゃないの、女子の服の脱がせ方。本条先輩があんたに手取り足取り教えるわけいかないでしょうが」

 あきれ顔で立村が、ため息をつきながら、

「そんなの習ってどうするんだよ」

「だってさ、いざ本番となって、どこからはずせばいいのかわからないうちにおったってしまってぱにくったら、あんたどうするの。あんたの性格上、前もって予習すべきところはしておかないと、実戦でしくじるでしょ。そういうとこがあんた、ガキなのよねえ」

「余計なお世話だ」

 たいていの場合立村の方が強引に話を打ち切り、唇をかみ締めるような格好で頬杖をつく。古川に背を向けたまま、誰か別の奴に声をかけようとするのだが、そのあたりのいかにも照れ隠し、というのがいつも見え見えで、たいてい別の形でからかわれるはめになる。哀れなり。

 もっとも、古川からしたら立村よりも羽飛の方がいい男に見えるらしく、毎年バレンタインデーにチョコレートをプレゼントする姿もまた年中行事だ。秋世からしたら、何好んで最初から相手にしてくれない奴にしつこくアプローチしなくてもな、と思うのだがその辺は女子の気持ちゆえ触れないことにしておく。

 下ネタ好きでありながら実は結構純情な、この古川こずえという女子、男子の認識としては仲間意識をもちたくなる相手である。秋世もクラスの女子ではかなり仲良く話すタイプのひとりだろう。少なくとも清坂美里よりはまだネタが尽きないですむ。しかし、「下ネタ女王」の定めということもあって、どうしても避けられないのは「女子ではあるが、女には観られない」という一点にあるだろう。「ねえ、朝一番、しっかり抜いてきた?」と挨拶代わりに声かけてくる女子に対して、恋愛感情を持つことは正直、不可能だろう。これは男子たち共通の認識である。かわいそうだが、羽飛も男子である以上、おそらくそうだろう。

 もっとネタを一般的女子の話題に絞込めば、顔立ちは愛嬌あるタイプなんだから、それなりのファンがついてくるだろうに、もったいないものだ。

 古川こずえに関する秋世の認識は、その程度だった。


 東堂をまずバスルームから引っ張り出し、秋世はもう一度ベッドに座らせた。自分は立ったまま、両手を懐に入れ、腕を組んだ。

「すべての情報をさらけ出してほしいんだけど」

「ああ」

 言葉を選ぶようにして、東堂は両膝に手を置いた。

「つまり、羽飛と立村、清坂と古川が共謀してだ、男女カップルになるよう入れ替わったって話らしいんだ。かいつまんで言っちまうと」

「男女カップル?」

 だいたい話の内容が見えてきた。そうか、でもどうしてだ?

「その辺も良くわからねえけどさ、とにかく今、隣の部屋には古川と羽飛がいて、女子部屋には立村と清坂がいるらしい。それで今、お隣さんたちがどうやってもう一回入れ替わりを行うかを、真剣に討議していた最中だったんだ」

「どんな風に?」

「俺もあんまし詳しく聞いてねえよ」

 ガラスコップを耳にくっつけて聞いている程度の音声では、具体的情報を得るのは難しいのだろうか。歯がゆくなる。外の朝日がだんだん橙色に染まってきて、窓辺のふちを照らしている。もうだいぶ、日が昇ったというわけだ。さわやかな朝、ラジオ体操を第二までやってしまいたくなるような天気だっていうのに、なんともまあ、ねちねちした話である。

「とにかく、じゃあ今の今も、あいつらツーショットなわけか?」

「そういうことだと思う。けど、どうやってあいつら、入れ替わったんだ?」

「聞いてみねえとわからねえよ」

 秋世なりにだいたい状況は把握した。おそらく最初の段階で秋世が考えていたものとは、まったく異なる展開を迎えていたというわけだ。男:女=2:1ではなく、純粋な一対一となったら、あとは本能と理性との相克に任せるしかない。もし秋世が同じ状況下で東堂と入れ替わりを行い……まあ、東堂が入れ替わりを了解してくれるとしたら、例の後輩女子のみだろうが……彰子とふたりきりになったとしたら、果たして何をしていただろうか。東堂がいみじくも口走った通り、「何もしねえなんてことはねえ」だろうと思う。そっと手を触れたり、投げキッスをしたり、偶然に任せて背中から抱きしめてみたり、その程度のことはこの一年間でなんとか達成した。中学三年の男女交際レベルとしては、まあまあのところだろう。水菜さんとの関係以上のことをまだ求めるには早すぎる。決して先生たちのわめく「健全なお付き合い」という観点からではない。彰子がまだ、目覚めていないから、その一言につきる。もし彰子が何かの拍子で「もっと進んでいいよ、あきよくん」と微笑んでくれたら、もうその段階で秋世は理性なんてあの世におっぽり出すだろう。それが男子というものだ。女子たちにはそんな本性をちらとも見せるつもりなんてないが、所詮青大附中のアイドルも男だってことだ。

「さあて、困ったぞ」

 秋世は立ったまま、天井を見上げた。たぶん上の階に、もう一組のカップルが眠れぬ夜を過ごしていたはずだ。

「どうやって脱出するんだろうなあ」

「そうだよな、それが問題だ」

 東堂も大きく頷いた。これがもし、相当女ったらしで知られる奴とか、とことん嫌われ尽くしている相手とかだったら、とことんたたきのめすチャンスにするんだろうが、それができないししたくもないのだ。果たして立村がどうして退学すれすれの「不純男女交遊」いや「男女同衾」を狙ったのか、そのあたりは理解できないようで理解できる。あいつだって男だ。純粋に、彼女とふたりっきりで何かをしたい、と思うのは男子として共通の認識だ。同時に親友の羽飛と古川が組めば、お互いふたりっきりの時を得ることなんて簡単だろう。どうやって脱出したのか、女子部屋ではばれてないのか、そのあたりはまったく見当つかないけれども、おそらくなにかの偶然が味方したのだろうということにしておく。

「退学には、したくねえよなあ」

「うん、そうなんだよな、そこんところが最大の問題なんだわ、東堂先生」

 秋世も東堂に頷いて見せた。

「どうやってばれないようにするか、ってとこさな」

「一番難しい問題できたよなあ」

 

 本当に、よりによって最終日にこんな問題が飛んでくるとは、だ。

 もしも男女比2:1の状況だとしたら、秋世はまず立村あてに電話をかけ、「お前らはすでに包囲されている、あきらめて出て来い」みたいなことを呼びかけ、それから相談するだろう。羽飛をはさんでいるというのは面倒だが、それでも立村の言うことはちゃんと聞くだろう。評議委員長と規律委員長の相談ならば、序列の勝利。うまくいく。

 しかし、現段階において、立村が隣にいないとなると話は違ってくる。

 まず犬猿の仲たる羽飛との話し合いがうまくいくわけないだろう。秋世は自分なりに譲歩して話をするつもりだけれども、どうも羽飛の方がやたらとつっかかってくる傾向にある。以前立村のしでかした一件がもとで、羽飛が殴る寸前まで攻め立てていたことがあった。いつもならば秋世も知らん顔しているのだけれども、暴力沙汰になるのはやはり避けたくてしかたなく、割って入った。いや、たいしたことをしたわけではない。奴の隠された感情みたいなものを、さりげなくささやいてやったに過ぎない。清坂に対する独占欲みたいなものを、立村にからめてぶつけているだけじゃないのか、と耳元に残した程度のものだ。それでもかなり奴は荒れまくっていたところみると、図星だったのだろう。

 秋世側が冷静に対処しても、エキサイトした羽飛との会話が成り立つとは思えない。

 ことに、あいつの最愛なる幼馴染が絡んでいるとなれば、なおさらだ。

 一応彼氏の立村以上に羽飛は、清坂美里に対してこだわりつづけている。あれが男女の友情だとしたら、いったい本当の意味での恋愛とはどういうものなのか、ずっと秋世は問い掛けてしまいたくなる。あれはどう見たって、「愛」だろう。

 しかしそんな「お前の清坂に対する感情は愛だろう!」と議論するひまなんて、まったくない。へたしたらあと一時間も経たないうちに廊下には男子女子があふれ、七時半集合のロビーに集まらねばならなくなる。ずっと部屋にこもっているわけにもいかないだろう。エレベーターを使わないわけにもいかないだろう。さてどうする? どうやって人目につかないように脱出する? 立村も、恋人の清坂……秋世の疑問は胸に秘めておく……と二人きりのところを観られたら実際はとにかく、何をしていたか散々突っ込まれてもしかたないだろう。いや、もしかしたら、ほんの少し、はあったかもしれない。その後始末、果たしてできるだろうか? 秋世でももし、彰子と、ふたりきりだとしたら? 部屋を掃除し、いかにもという小物類……もちろんそういうことをしたかどうかにかかっているが……や髪の毛が落ちてないかを確認するだろう。口裏合わせももちろんきっちりやるだろう。はたしてあの四人がそこまで考えているかどうか? もしくは始末できるかどうか? 秋世にはまったく想像がつかない。


 ──まずは、ぎりぎりまで様子見だな。

 秋世は東堂の隣に座った。大きくため息をついた後、枕もとの折りたたみ時計にねっころがる格好で手を伸ばした。

「鳴る前にしまっとくか」

「はあ?」

「とにかく、あいつらも馬鹿じゃねえだろうから、様子見だ」

「様子見たってああたどうすんの」

「あいつらだって、ばれたくないだろうから、それなりになんかするだろうよ」

 そう思ってもらわないと、まずい。羽飛と古川、清坂はとにかく、立村ならばとにかくぎりぎり、何か手を打とうとするはずだ。それをサポートするのが、今の秋世にとって一番ベストなような気がした。同時に隣の東堂の肩に腕を回した。ホモと言われてもしかたない。

「あのさ、東堂先生」

「わかってるって、隠せってことだろ」

「ちゃんとわかってやんの」

「あたりめえだろ」

 東堂は秋世と羽飛がうまくいっていないことを知っている。同時に立村となぜか共感していることも気づいているはずだ。特別「俺たち親友だろ!」みたいな女子っぽいのりとは関係ないのに、すべてを理解し、すべてを飲み下してくれているところがある。女子とふらふらいちゃいちゃしていると思われていた、二年前の秋世から最近の「彰子さん命!」の秋世まで、どちらとも友だちでいてくれる稀有な存在だ。

「俺はどうすりゃいいの」

「どうもしなくていいよお、ただ、知らん振りしてくれりゃあいいの」

「知らん振り、ねえ」

 だいぶ外も日差しが増してきた。ベッドにくっついていたいが未練を断ち切り腰を上げた。立ち上がり、勢いよくカーテンを開けた。少し低めの位置に見える向かいのビルには、まだ人気がまったくなかった。車が一台つうっと通り抜け、いっしょに新聞配達らしき自転車が追いかけていくのが見えた。そういう時間だ。秋世は窓辺を眺めながら、まだ腰掛けたままの東堂に説明した。

「おとなりさんは正直さ、どうだっていいの。お互い自分らで始末できるっしょ。でもさ、りっちゃんはどうかなあ、かなりあぶなっかしいって気がするんだよなあ。第一、普通のデートだって慣れてない奴なんだぜ」

「でも一夜いたら、することはしてるかも」

「かもな。けどちゃんと後始末できるかどうかってあぶねえよ。俺さ、一応これでも規律委員だし、うちのクラスから退学者だしたくねえの」

 「規律委員」なんて似合わない言葉だろう。

 これからシャワー浴びて髪の毛ブローして、しっかり決めて出発しようと思っているのにだ。こんな奴が規律委員やっている青大附中、たぶんどこか間違っていると思われてもしかたないだろう。秋世は続けた。

「だからさ、これから東堂に頼みたいのは、このことを一切内密にしてもらうってことだけなんだ。無事に終わったらその後、学食のかつ丼定食おごらせるとか、何かしてもらうことでちゃらにしてもいいしさ。けど、将来の後輩たちが不必要な締め付けでめげないためにも、なんとかこの件は穏便に済ませたいってとこ。俺はそう思ってるけど、問題は他の奴らだよな。他の連中がどう思っているかにもよるからな」

「まあな」

「だから、これからの予定はさ」

 秋世はまずシャワーを浴びて、時間のかかりそうなヘアブローに専念することにした。かばんから無香料のブロー剤と愛用のドライヤーを取り出し、ついでに下着類もタオルにくるんと混ぜた。

「俺、まずは最後まで部屋に残って様子みするわ、そこんとこよろしく」

「オーライ。それにしてもお前、また風呂入るのかよ」

 風呂じゃない、シャワーだっていうのに。男のおしゃれに関するこだわり、東堂とは共通しないらしい。


 風呂場の防音は思ったよりも利いていない。東堂が盗み聞きできた状態というのも、シャワー浴びながらだいたい見当がついた。たぶん、自然と耳に入ったのだろう。東堂を「やーい盗聴魔!」と責めるわけにはいかなかった。秋世なりにこれからのことを考えるには、ちょうどいい時間帯だった。

 ──まずは、あいつらが外に出るか出ないかを確認した上で、俺が最後に部屋を出る、と。

 ──その後で四階を覗いてみて、りっちゃんがいるかどうかを確認だな。

 とりあえず思いつく案とすればこの程度だった。たっぷりシャワーソープをあわ立てて、汗臭さのない女子受け満点な状態に保つ。髪の毛ももちろん丁寧に洗い上げる。このあたり、女子よりもヘアケア、スキンケアに命を賭けているのではと自分でも思う。

 きわめて優等生的発想で彼、彼女たちの行動をサポートし、何事もなかったかのように第五日目の行動を開始する。これがベストだ。ベストのはずだった。

 ──けどさ、どうなんだろうな、りっちゃん、ほんとなんもしてないのかな。

 東堂にも話した通り、秋世は彼、彼女らが旅行中のいわゆる「不純異性交遊」をやらかしたとは思っていなかった。少なくとも羽飛、古川に関してはとてもだが想像しがたい。下ネタ好きなキャラクターは実をいうとカモフラージュなんだということくらい、ある程度女子と付き合った経験のある秋世には手に取るようにわかる。そういう風にして興味本位の男子連中を遠ざけている嫌いがなきにしもあらず。同時に友だちづきあいのみにとどめてしまい、恋愛沙汰には発展しないよう無意識のうちにコントロールしている。そういうところが古川こずえには感じられる。そういう子がだ。いくら「どう? 立ってる? びんびんしてる?」とか言いながらも、自分から迫って唇を差し出しなんてことがあるとは思えなかった。あるとしたら羽飛が理性失って押し倒すくらいだろうが、そういうことがあればもっとこの部屋にもうるさく物音が響いているはずだ。東堂だって即、秋世をたたき起こしたはずだ。

 しかし、真上にいるらしい、立村と清坂とは?

 ──絶対やりそうにないって気、するけどな。

 秋世の知っている立村だったら決して手を出したりしないだろう。もちろん友だちとして思うにだ。でも、秋世自身が彰子を目の前に同じシュチュエーションに相成った場合どうするか? と考えると優等生的発想では納まらないだろう。これは東堂も同じだろう。誰もそうだが、理性と本能の相克からは逃れられないはずだ。

 古川と羽飛は単純に友だちだが、立村と清坂は一応公認の彼氏彼女だ。

 もしかしたら、手を握り合い、キスくらい軽くしたかもしれない。

 いや、それだったらそれでいい。秋世だってそのあたりは経験済みだ。唇を一度二度重ねた程度で、愛が深まるなんていう幻想は、女子だけのものだと言いたい。自分にとってキスをするということは、愛の証ではなく、ただ性的排泄の欲求を満たすだけのものだ。たとえ立村が清坂をたいして好きでないとしても、性的排泄の欲求に駆られてしまったらそのくらいしても不思議ではない。

 でも、それ以上のことは?

 普段の立村を知っていれば決してありえないことだけど、でも、本当にどうなるかわからない。このあたりは秋世も断言できない。それこそ隣の部屋にいて、本当にそういう物音を聞き取ることのできるところだったら、秋世も「ほーら音なんてしてねえじゃん、やってねえよ」と一笑に伏すことができるのだが、それができない未知の部屋である以上、しかたがない。玉虫色の想像に任せるしかない。

 ──けど、りっちゃん、好きでもない子に、やれるかなあ。

 ──いや、俺も、そういう人に、まあなあ。

 水菜さんとのことが思い出される。そうだ、水菜さんとは、キスと、それ以上のことを途中までした記憶が残っている。その時どういう気持ちだったか、どういう感情が残っていたかなんて、正直覚えていない。身体の自然な反応が心地よく、でもこれ以上進んでしまうのがどこか恐ろしいと思えて、自分からやめたはずだった。その時の水菜さんがどう思ったのか、そこまでは考えなかった。考えたらまた、別のことに心が揺らぎそうだったからだった。彰子を知るまでの自分が、いかに本能に任せた行動ばかり取っていたのか。また彰子を恋人にしてからの自分が、ちゃんと物事の考えられる大人の感覚を持っていたことを知ったこと。自分には、確かに物事を感じ、人の心を思いやる能力が隠れていたのだと、初めて気づいた。

 ──彰子さんに対しての俺だったらともかくさ、りっちゃんがなあ。

 人様のことをあまりとやかく言ってもしょうがない。秋世なりに最善をつくすのみだ。秋世はすばやくワイシャツに着替えて髪の毛のブローに取り掛かった。前髪をさっぱりした感じで根元だけ上げ、少し光りを持たせるように弱い風で乾かした。


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