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序
この世界には2通りの人間がいる。できる人間とできない人間だ。そして俺は所謂できない人間らしい。
俺の生まれは至って平凡だ、田舎の町のそこそこの家に生まれ、中学、高校と何事もなく卒業。大学には行かなかったが、そこそこな生活をしている。ただ一つ他と違うことといえば、弟が優秀すぎたということだ。成績優秀、運動神経抜群、数多の賞をもらい、有名学校から推薦の声もかかる。最近では研究したいことがあると、海外に行ったらしい。そんな弟に妬みの感情がないかと言われれば否定はできないが、誇りに思っているというのも本当だ。そんなこんなで両親は弟が一番となり俺のことは華麗にスルー。その結果、大学にも行かず、就職どころかバイトもしていないダメ人間の完成というわけだ。
しかし、そんな生活にも限界があった。俺は20歳になったら家を追い出され、1人で生きて行かないといけないらしい。
これはそんな俺、笹山 智也 が初めてのバイト先ではちゃめちゃな人生を送る話。