白猫との再会
白猫はそのまま大きな葉っぱの絨毯の上にピョコっと座り友也を見上げている。
「ディア!」
「帰ってきてくれたんだ!」
何処かにいなくなったと思ってた白猫のディアが帰ってきてうれしくなり友也は思わず白猫に抱きついてしまう。
「今すぐに暖かくするから!」
友也は焚き火に薪をくべて火をつけると洞穴全体が焚き火の明かりに照らされて明るくなっていき温度もそれに伴い上昇していった。
この世界の昼はまだぽかぼかと暖かいのだか夜になると急激に温度が下がり、一気に寒くなっていくし、この世界は元の世界と違い四季もなさそうっと友也はこの半年間の間に結論づけていた。
すると洞穴が暖かくなったのが満足だったのかディアはベットに上にピョンとジャンプし丸まってこちらをジッと見ている。
「かわいい」
その白猫の姿に思わず友也は呟く。
「あ!今日は獲物が捕れなかったから保存食の干し肉で我慢してね」
友也に干し肉を葉っぱのお皿でだされた白猫のディアはむしゃむしゃと食べ満足だったのか友也の方を向きニャアと鳴いた。
友也は今日あった出来事もすっかり忘れディアとのひと時を楽しみ心から微笑む。
「ディアはどっからきたんだい?」
「ニャア」
「ディアの家族はいるの?」
「ニャア」
「ディアは一人ぼっちなの?」
「ニャア」
「僕は一人ぼっちなんだ」
「ニャア」
友也は今までの生きてきた人生を思い出して半泣きになるとそんな姿をみた白猫のディアが慰めるように友也の方に寄り添ってくれる。
「ディアありがとう」
やがて部屋が暖かくなってきた事もあり友也に睡魔がやってくる。
「ディアお休み」
「ニャア」
ひと時の幸せな時間を噛み締め友也は眠っていくのだった。