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意識がなくても

2本の火柱が巻き上がり空気を焦がし周囲一帯の温度を一気に上昇させながらゴォゴォと音をたてる。


轟音をたてながら2本の火柱がゴブリン達の体を完全に包みこみ焼き尽くしていく、やがて炎は消えその後には円形状に草が焼け土肌が露出し、ゴブリン達は友也のナイフだけを残して跡形もなく焼き尽くされていた。


その後にはゴブリン達の死骸はなく、灰も残らないように消滅していた。


「こんなもんかな」


「よっと」


空から真っ黒なローブを羽織った、真っ白な髪の女の子が杖にまたがりながら降りて来て地面に着地すると友也に喋りかける。


「別にお礼なんかいらないんだからね」


「あれ?」


「もしもーし?」


女の子の問いかけにずっと前に意識を暗闇の中に手放してしまっていた友也はまったく女の子の問いかけに答える事ができない。


「あ、、ヤバいかも」


事の重大さに気づいた白い髪の女の子は何やら呪文を唱え杖で魔法陣を描く。


魔法陣と杖は淡く発光しその光を友也の右足に近づけると杖の先から淡く発光した暖かな光が友也の足を包み込んでいく、やがてどくどくと流れていた血が止まり、今度はみるみるうちに傷が塞がっていく。


やがて右足の傷跡が綺麗に消え、女の子は杖を友也の使っていたナイフの方に向け魔法陣をサッと描く。


すると今度はナイフがフワフワと浮かび上がり友也の腰に巻いてあるナイフの鞘にひとりでに収まってしまった。


白い髪の女の子は友也の方を見て囁く。


「ただの気まぐれ」


「私みたいな魔女は本当はこんな事してあげないんだからね」


そう言うと魔女と名乗った女の子は杖を友也の方に向けて魔法陣をサッと描くと今度はフワリと友也の体が宙に浮いていく。


やがて友也に魔女と名乗った女の子は友也の家の方面に向かい歩き出す。


やがてその女の子はその白い瞳で友也の顔をじっと見つめ、綺麗なその手で友也の頬をそっと撫でながら呟く。


「これはお礼なんだから」


と。


その顔は薄く微笑んでいた。


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