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「入るよ、山樝子」
「おう、入れ!」
ノックも無しに、部屋の前でそう言うと、中からサンザシの声が返ってくる。
言葉に従ってセンサーの前に立つと、中からサンザシがキーを解除したらしく、アッサリとドアが横に滑った。
「用って何?」
「うぉ、いきなりそれかよ。それより今日の任務はどうだった?お兄さんに話してみなさい」
「?普通」
意味が分からず適当に答えると、サンザシは明らかに落胆したようだった。
「普通ってな、お前・・・」
「だって普通は普通でしょ?ただの捕獲任務じゃない」
「いや、今日はお前、森羅と任務出ただろ?単独じゃなしに。なんかねーの?楽しかった、とかさ」
「ない」
「・・・つまんね」
「それで用って?まさかこれだけの為に呼び出したんじゃないよね?」
まさかと思い聞いてみる。
疑惑の目も付けて。
「そんな目で見るなよー。妹分が心配だったの!お兄ちゃんは。大丈夫、ちゃんと話はあるからさ」
サンザシがそう言うと、一気に雰囲気がお兄ちゃんのそれから、上官のそれに変わる。
私は怯むことなくサンザシの目をまっすぐに見つめる。
「お前の下に1人付けることにした。見習いを」
「え?」
「聞こえなかったのか?お前には、見習いの指導をしてもらう」
嫌だ。
「なんで私が」
「お前、単独で任務に行き過ぎ。以上、理由シューリョー」
「はい?」
「だって、そうだろ?ここは組織だ。お前もそろそろ入隊して3年だ。何時までも新人気取りで居られちゃ困る」
「うっ・・・」
厳しい言葉に返す言葉がない。
「なぁに、お前の能力を見込まれての事だ。喜べ」
「・・・はい。でも、その子、どんな子なの?」
「もちろん問題はある娘だな。ウチに来るんだから」
「・・・」
そんなことをそんな清々しい笑顔で言われても。
「でも、決して悪い子じゃない。そこは安心しろ。ただ、アリアに問題があってな、詳しくは言えないが、今いる二番隊で上手くいってない」
「二番隊って・・・」
三番隊のこと目の敵にしてるとこじゃん。
そこで上手くいかなくて、ウチ来る子って・・・。
「絶対変人でしょ?」
「まぁ、ある意味そうだな」
「大丈夫、普通にやってりゃすぐ馴染むさ」
「でも、シンラとか、三番隊人見知りも多いよ?」
「大丈夫大丈夫」
サンザシはそう笑ってたけど、私は不安でいっぱいだよ。
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