表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
令和ですよ、一休さん。  作者: 凜古風


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

4/4

4.ラスボスのトラ

この話に出て来る、二人の男を比較して検討を冗談で言ったら。

「大学の卒論のテーマ、これにする」

って言ってたなぁ。


うん、アカデミックな文系も面白いんだろうなぁ。

(理系でレポートと実験漬けだった私の学生時代)

 アナウンスが流れる。


 ステージ2のフーリガンのトラをクリアしました。コングラチュレーション。

 続きまして、ステージ3のラスボスのトラを開始します。


「さぁ、ラスボスですよ。新右衛門さん」

「コイツに勝てば、私達は解放されるのだろうな」


 2人の話に対して、将軍様からの返事はなかった。

 多分、2連敗して屏風の前で悔しがっているのだろう。


 昭和の下町に転送された二人が、しばらく待つと、一人の中年男性がこちらに向かってやってくる。

 かのはいは、トラである……定職しごとはまだない。

 ハット帽をかぶり、ダボシャツに腹巻、ベージュ色のスーツを着ている。


「……トラさん?」

毒蛇ハブに噛まれて死んだ、フーテンの?あの人?」


 そうして、中年男性は、二人の近くまでやってきた。


「おぉっと、出てきた時に言う、おいらのキメ台詞、それを言っちゃおしめぇよ。運営に消されちまう」

「いや、言ってるし、別のキメ台詞」

「そうか。そん時は、そん時だ」


 そうして、トラさんは、一休さんを見て言い放った。


「かかってこい、トンチ少年!

 人間はね、理屈なんかじゃ動かねえんだよ」


 そう言われた一休さんが、スッと表情をかえる。

「この人に、トンチは通用しないと思います。新右衛門さん、僕を召喚した術式を、少年から晩年の一休宗純に」

「わかった。老体になっても、私の事を忘れないでくださいね、一休さん」

「本来なら、この年の僕は、千菊丸なんで、大丈夫でしょう」


 そうして、新右衛門は呪文を唱える

「アラ=ノル・ヴァリ=サル・ゼグ=エン・ファラ=ドミナス……」

 すると、少年の姿だった一休さんは、どんどん歳をとっていき、老人となった。


「うむ、新右衛門。ありがとう」

「いえいえ、一休和尚。ここからはよろしくお願いします」


 一休の老化を見ていたトラさんが言う

「なんでぃ、一休さんよ?ジジィになったら、知恵袋でもできるんかぃ」


 老僧、一休宗純は、それに答えた。

「蓮の花は、泥に染まらず、

 この露のような姿は、ただそのままで、真実の真の姿を現す」

「はいッ、日光にっこう結構けっこう東照宮、とんち小僧が世にはばかる、ね」

 室町時代の風来坊アウトサイダーと昭和時代の風来坊アウトサイダーとが、この令和の時代に対決するのだった。


「ふむ、禅の形式や権威を否定し、徹底した自由の中に悟りを求めた拙僧と、庶民の道徳を説いたお主か」

「お前、さては(さしずめ)インテリだな?」


「そうだ、皇族の血筋をもち、寺にて修行を行った。勝手に家を飛び出した団子会社の御曹司とはワケが違う」

「てめぇ……坊主なんだから、女遊びも知らねぇ、つまんねぇヤツが偉そうに」


  愛の遊びはあなたを不死にすることができる。

  一夜の恋の秋風は、10万年の不毛な座禅よりも優れている。

「そう、説いたのが拙僧だがな。妻もいたし。遊女とも色々と……」


「な、なんだと。寺の坊主がそんなことしていたんかい」

「ククク、そして拙僧の思想的な意味を伴う旅と、お主の行商しながら渡り歩く無計画で気ままな旅と、比較してみるか。特に女性関係を中心にな」


 中年独身の男なら、涙で画面が見れない失恋だらけのトラさん。心に大ダメージ。


「男ってものはな、引き際が肝心よ」

「そうだな。達者でな」

「あばよ、ドクロの杖ついた、クソ僧侶」


 そうして、ラスボスのトラさんは去って行った。


「……新右衛門さん。勝ちましたよ」

「ありがとうございます。一休さん……で、結婚とかも晩年したんですね」

「ああそうだな。初体験は、10代前半にスキスキ♪スキスキ♪な、あの娘と」

「そうでしたか。アニメのオリジナルだから、名前出すと消されますね」

「うむ、それから。まぁ妻をめとり、遊女達とも色々あったのぅ」

「禅宗なのに……」


 そんなことを話していると。


   ゲーム・クリア


 と、音声が聞こえて、倒されたトラが表示された屏風の前に、二人は戻ってきた。


「ほっほっほ、ワシの勝ちじゃ。少年一休では太刀打ちできんかったようじゃのう」


   勝ち誇る将軍様……


「さすがに、トラさんは、トンチが通じませんからねぇ」

「情の人ですから、壊れかけの橋の真ん中を歩き進もうもんなら『アブねぇじゃねぇか』って助けに入るタイプは、トンチとの相性が悪すぎます」


「じゃ、ワシの勝ちでいい?勝ちでいいよね?」


 うっきうきの将軍様


「いいですよ、お疲れ様でした。それじゃ」

「気が済んだのなら、地獄へお帰りください」


 そうして、新右衛門が呪文を唱える。


「え?ちょ、おまっ……まって……アァーーーーーっ」


 将軍様は地獄へ帰っていった。

 

「それじゃ、一休さん。少年時代の姿に戻しますね」

「よろしく、お願いします」


 呪文におって老僧が小坊主の姿になる。


「まだ、数日この時代にいることができますので、一緒にでかけましょうか」

「そうしましょう、新右衛門さん」


2人は、令和時代の日本国を一通り見聞し、浄土に戻ったのだった。

万博だと、ブラックジャックとアトムの夢のコラボがですね。

ロボットのアトムに、タンパク質な人工心臓を、ブラックジャックが移植して、クローン人間的な何かに。

ちょっと胸アツ。


そんなこんなで、新右衛門と一休がコラボになって、万博パビリオンの暗い鏡の中に見えて、この作品が。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
・・・。 トンチと虎が違うw
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ