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令和ですよ、一休さん。  作者: 凜古風


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2.仮想現実のトラ

 美少女あふれる仮想現実なら行きたいけれど、トラのいる仮想現実なんていきたくないなぁ。

 え?狩りに行こうぜっ。お前もやってただろ、中距離ライトボウガンで。。。

 うん、そんな気がする。


屏風の霊体ディスプレイに吸い込まれた、一休と新右衛門は表示される内容を確認していた。


  一休 :僧侶 レベル15

 新右衛門:剣士 レベル20


  トラ :野獣 レベル30


 ぽく♪ぽく♪ちぃいいいいん♪

「細かいステータスは、読者様の想像に任せると、作者からの意思を感じました」

「面倒なんじゃろうのぅ。まぁ、剣士&僧侶の組み合わせは、悪くないんじゃない?みたいな感じか」

「牛若丸と弁慶みたいな?」

「役割が逆ですよ、一休さん」


そうこうしているうちに・・・


  一時停止解除まで、あと30秒。。。


などと、アナウンスが流れる。

「こんなことするから、地獄に堕ちるんですよ、将軍様」

「ですよねー。とりあえず、新右衛門が前衛でお願いします」

「あいわかった」


 腰に装備していた刀を抜き、トラに向けて構える新右衛門。

 新右衛門の後ろで、トンチ、トンチ……と準備している一休。


 カウントダウンがはじまる。


  5・4・3・2.1・0!

  世界が、そしてトラが動き出した。


 このトラは馬鹿ではないようだ。

 真正面から日本刀を持った新右衛門を襲わない。


 新右衛門を中心に、円を描くようにトラと一休が静かに動く。

 つまり、トラ・新右衛門・一休の順である。


 そして、トラが武器を持っていない一休に近づこうとしても、新右衛門が位置取りを変えてそれを遮る。


 日本刀による怪我をかえりみずトラが突撃すれば新右衛門に勝てるのだろうが、トラとて大怪我をしたくはないのである。

 そうして、膠着こうちゃく状態になっていると。


「一休さん。トンチで何とか……ならんわな」

「なりませ……ん?なるかもしれない?ステータス画面?とんち?」


「わかった、もう少し時間を稼ごう」

 そうして、構え続ける新右衛門であったが、トラが、痺れを切らして襲い掛かるのも時間の問題だった。


   ガルルルル……


「そろそろ、やばいぞ一休さん」

「あわてない、あわてない」

 と答えて。

「ひとやすみ、ひとやすみ……って、違うわ」

「ノリ突っ込みとは、新右衛門さん、腕あげましたね」


 と、そのとき、痺れを切らしたトラが、新右衛門に襲い掛かる。


「くっ、もつのか」

日本刀で防ごうとする、新右衛門……


 と、その時


「トンチ・ボールッ!」


赤い球体が、トラの顔面に当たり、パシャリと音をたてた。


「は?とんちぼぉる?」

とまどう、新右衛門。

「今です、攻撃を」

「あぁ、そうだな」


新右衛門は、混乱しているトラに、日本刀で斬りかかった。


 シュパリ。


「おぉ、トラの皮をもともせず、さすが新右衛門さん」

 トラの頭部に斬りかかった新右衛門だが、それを野生の勘で察したトラは前足で受けたのだ。

「赤い液で、目が見えないのに、よくやる。で?一休さん、赤いアレは何です?」

 トラの前足の肉を切り、流血させ骨が見える状態にし、新右衛門と一休は距離をとる。


「だからトンチ・ボールですよ。豚血とんちボール。豚の血とかいてトンチ」

「……そ、そうですか。確かに、トンチが効いているような効いていないような」


  ガルルルルル


 そうして、トラが呻く。まさしく、手負いのトラ。

 マジで本気のタイガーアタックの予感から、新右衛門は気を引き締めた。


「一休さん、とんちボールの連射はできるか?」

「できますよ」


「1.ヤツの顔面へ目つぶし、2.鼻でエモノを追うので臭いのかく乱。1-2-2、1-2-2のセットを繰り返し頼めますか」

「いいですよ。それにしても、新右衛門さんが、頭脳派指揮官に見えます」

「うっさいわ」


 手負いをトラは全力で襲い掛かって来る。

 それを一休さんは、豚血トンチボールで、目つぶしをし、鼻で追おうとするトラに豚の血の臭いで偽装をするのだった。


「いいぞ。私達が何処にいるか、トラには分からない。喰らえ、シンエモン・スラッシュ!」

「なんと必殺技!いつのまに」


 シンエモン・スラッシュの斬撃を喰らった、トラの尻尾と後脚二本は、切り落とされた。


  グァルルルル


「トラよ。。。猛獣の貴様とて、前足一本では、ロクにうごけまいて」

「トラを、トラえて、将軍様にトラせましょう。新右衛門さん」


……カッコイイ台詞を言ったのに、しょうもない洒落で潰された新右衛門が、一休に頷いた。


 一休と新右衛門が、トラをトラえようとした時、VRMMO屏風の世界が歪んだ。


「ワシは、トラがソイツだけとは言っておらぬでな」

 世界に声がひびいた。


「鬼将軍、地獄におちろー」

「いや、おちてるか」


 そうして、一休と新右衛門は、ステージ2へと送り出されるのだった。

そういえば、トラ寺院って、タイにあるんですよね。

タイだけに……タイガー・テンプル。


小乗仏教のお坊さんと、トラが一緒に生活しているとかなんとかでしたけど、

どっかの動物愛護団体が「トラの生活環境が悪い」とか言って、トラを引っ張っていたけど、

飼育する場所とかが、どうにもならずに、トラが大量に死んだとか何とかでして。


理想論わめいて、騒ぐだけ騒いで、問題解決はできない組織。

あークジラ食べないと。

クジラの頭数増えすぎて、大量に小魚食べるもんだから、

成長する魚が減って、鮫が人の海水浴場に。

とってもジョーズな政策ですね。


風が吹けば、桶屋が儲かる  っていうか、

クジラ守れば、人が喰われる みたいなー。


正義遂行で発生する迷惑ってなんだろな。

万博も、ネガティブキャンペーンせずに、

最初から、どんどん人がくるようにしたら……


おっと、後からなら何とでも言えますね。

未来はステキでありますように。

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