第33話 断罪する為のダンスパーティ③
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――国王陛下Side――
リガードの醜聞がここまで広がる予想はしていた国王。
その上で、王は粛々と、こうなることが前もって予想していたことにも触れ、リガードの王太子剥奪を告げる。
「父上……何故」
「お前は傍若無人を繰り返し、国王たるワシの言葉にも耳を傾けず、独裁者の面で城を我が物のように扱った……それは度し難い」
「う……あ……」
「お前が招いたことだ。責任は取れ。貴様は既に王族にあらず」
瞬時に困惑と驚きの声が上がる中、リガードは「なぜ……」と呆然としていた。
「そして毒婦マリー・プテラノ。貴様は国を揺るがした逆賊として、そして毒婦として、これから罪を背負い生きていくが良い」
「そ、そんな‼ アタシはこの世界の、」
「この世界の法……等と言っていたそうだな? 貴様は法か? 今この状態が、法たる姿か?」
「ち、ちが……こんなの……何かの間違いで……」
「貴様にはリガードがお似合いだ。二人で生きていけば良い。無論、二人には子を成せぬ術はしっかりと掛けておくがな」
「「ひっ‼」」
その言葉に二人は顔面蒼白になる。
子が成せぬ秘術。それは気を失うほど痛いものだと聞いたことがある。
それを施されて放逐されるのだ。奴はもう――王族ではない。
「これにより、リガードは王族の権利を剥奪され、一般市民となることが決まった。さらに、王族であるリガードを陥れた毒婦として、マリーの家は貴族から市民へ。そして、リガードとマリーには、国外追放を命ずる」
「こ、国外追放だって⁉」
「あんまりよ‼」
「王族を陥れた罪で国外追放は随分と恩情だが?」
怒りに震える目と唇、震える声に、二人は鳥肌を立てて竦み上がった。
それは会場をも飲み込むほどの冷たさを持っていて、シン……と静まり返る。
「二人揃って国外追放だ。そして今これより、第二王子であるガレリオを、王太子とする‼」
そう皆に伝えたことで、第二王子ガレリオが登場し、睨みつけるリガードだったが、もはや何もかもが遅い。
王妃は「これで国も安泰とするでしょう」と口にしたことで、リガードの怒りに火がついたようだ。
「側妃が産んだ貴様を王太子など‼」
そう叫んだリガードだったが、ガレリオは冷静に言葉を返す。
「その側妃にマリーを添えようと考えていたのは、いいのですか?」と――。
その言葉に、今度はマリーが床に倒れるリガードの顔をヒールで蹴り飛ばす。
「アタシを王妃にするって約束したじゃない‼」
「貴様……俺を蹴ったな⁉ 貴様ら側妃でも劣るだろうが!」
「なんですって⁉ アタシを満足にもできない身体の持ち主のくせによく言うわね!」
「なっ」
その言葉にさらに場は混乱した。
全くもって頭の痛いことだが、何と低俗か……。
混乱する国民に対し、ワシは声を張り上げ、国民に謝罪した。
「王家の醜聞を見せて済まなかった。だが奴は既に王家のものにあらず」
その言葉と、ワシが手を上げて合図を送ったことで、兵士が二人を分けて退場させ、場は混乱していた場を鎮める。
「新しい王太子の元、正しい世界を導けることを祈っている。二度と、あのような逆賊のようなものを、王太子に添えることはない」
はっきりと伝え、パーティは締めくくられる……。
長い断罪までの道はこうして終わったのだった……。
「……さて、あの者たちの醜聞により、我が王家の威信は揺らいだ。だが、必ずや立て直してみせよう」
ワシは胸の内で思う。「そのためには、あの〝真に清らかな者たち〟の存在が欠かせまい」と――。
ふと視線を奥の席へ向けると、夜会のざわめきの中でも、静かに寄り添う二人――ダリアとアルカ――が目に入る。
「……王国にとっての未来は、あのような者たちの中にあるのだろう」
そして国王は杯を掲げる。
「新たなる王太子に栄光あれ。そして、清らかなる者たちに祝福あれ!」
場は拍手と歓声に包まれ――。
物語は、〝真に清らかな者たち〟であるダリアとアルカへと繋がるのだ。




