第13話(閑話)なんでこの世界はアタシの言うことをきかないの‼
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――マリーSide――
その日、学園の寮に王城から伝令係がきて、私が夏休みに城で過ごすことは王から許しがでなかった。
その上、アルカの国に行くと言うダリアの話も聞いて、アタシは手紙を破り捨てた。
攻略上、アルカの故郷に行くことは溺愛ルートだし、何より将来のエルフ王国の王妃の座を手に入れたも同然……。
――このアタシを差し置いて、悪役令嬢が⁉
――このアタシを差し置いて、アルカの寵愛を受けるわけ⁉
許せるはずなかった。
リガード達はすぐ落とせたのに、アルカだけは落とせなかったのは、きっと悪役令嬢ダリアが邪魔しているのだと簡単に推測できた。
よくよく考えたら、アルカをアタシが落とそうとするとバグだらけ。
そうなったのは、全てあのクソ野郎――ダリアの所為だと判断出来る。
「やっぱり悪役令嬢は転生者なんだわ……。プレイ中もあんな悪役令嬢じゃなかったもの……。許せない。しかもアルカ狙い? アルカは私のものよ!」
そう言って頭にきて壁に穴を開けた。
同室の同級生は怖がり、震え上がっているけど、雑魚なんて放置よ。
アタシは今、ダリアへの怒りでどうにかなってしまいそうなんだから‼
どうにかしてダリアを突き落とせないか、そればかりを考えてしまう。
アルカを落とせない自分にも腹が立つ……。
親密度が低いとは言え、このアタシを、この世界のヒロインたるアタシを、『ブス』と言ったのよ⁉
こんな事、あり得る⁉
いくらダリアとの親密度がマックスでも、許せないわ‼
「何とかならないかしら……ダリアを殺す方法」
「ヒッ!」
「あら、アンタまだいたの?」
「ダ、ダ……こ、公爵令嬢のダリア様を……亡き者にするおつもりですか‼」
何よコイツ。
モブの癖に喋れるわけ?
ああ、この世界はモブでも喋れるんだっけ?
そう思い出し、ニヤリと笑みを浮かべると――。
「そうよぉ~? ダリア・ハーネットを突き落とすの……。だって邪魔なんだもの」
「こ、公爵家を敵に回しますよ! 最悪断頭台に……」
「断頭台? 馬鹿言わないで。アタシはこの世界のヒロイン……誰もアタシを罰せないわ」
「何を……仰っているんです?」
「そう、この世界のヒロイン、秩序はアタシにこそあるの……。秩序を乱す悪役令嬢、ダリアには消えてもらわないと……ね?」
「貴女……頭可笑しいわ!」
「……は?」
そう言うとアタシを突き飛ばして外に飛び出していった彼女。
名前はなんだったかしら。まぁ、どうでもいいわね。
だって、この世界ではアタシ以外は全員モブだもの!
名前があっても意味を成さないのよ!
「悪役令嬢を消す……これが目標ね」
アタシからアルカを奪った罪は重いわ……。
最悪、アルカまで断罪しないといけなくなっちゃうじゃない。
ヒロインこそが最強なの。
ヒロインのアタシがこの世界の法なの。
誰にも邪魔はさせないわ‼
――そう思っていたのに、現実は違うの?
同室の女は寮長を呼んできやがって、穴を開けた場所の弁償を命じてきた。
それくらいの値段なら、リガードのポケットマネーでなんとかなるから「はいはい」って流しておいたけれど……。
「貴女、彼女から聞いた話だと……公爵令嬢、ダリア・ハーネット様を殺すなんて物騒な事を口にしていたそうですね」
「あら、それがどうかした?」
「……頭、可笑しいんじゃないの?」
「は?」
「この世界は貴女中心では回っていないのよ。何故そんな当たり前の事が分からないの?」
「アンタこそ何いってんの? ああ、もしかしてモブだからわからないとか?」
嘲笑って口にすると、寮長は眉を寄せて隣の副寮長と話をしている。
何よ、アタシ何も悪いことなんてしてないわよ。
「今度、貴女のことを寮長会議にかけます。それ次第では寮から退去してもらいます」
「は? え? ちょっと待って。どうしてよ」
「理解できない? そう、理解できないでしょうね」
「え?」
「この世界の常識をお持ちではないようですから、理解出来なくて当たり前ですね?」
「は?」
「ごめんなさいね? 夢の世界の住人さんでは、お分かりにならないわよね?」
「そうですね。どうやら夢の世界から戻ってこれない難しい病気の持ち主のようですし無理そうだわ」
「ヒロイン様ごっこも大変ね」
「同室のアレッタさん。別の部屋を用意しますよ」
「是非お願いします! この人といると気持ち悪くて……」
「気持ち悪い……ですって?」
このアタシを気持ち悪いって言ったの?
この世界のヒロインたるアタシを?
ゲームでは皆が味方だったのに、この世界は違う。
――バグってる‼ 正しい道に戻さないと‼
「アンタ達も、アタシが王妃になったら即断頭台よ‼」
「そんな未来、来ればいいですね?」
「全くですわね」
「あはははは! 無理に決まってるでしょう? リガード様って、ダリア様に見限られたって話ですよ?」
「ああ……なら無理ね。天地が引っ繰り返っても、彼にはもう……」
「次の王太子はどなたでしょうね?」
「そうねぇ」
「え? 次の王太子……なになに、どういうことよ‼ 待ちなさいよ‼」
そう言ったのに皆部屋を出ていった。
この世界が言うことを聞かない……なんてことなの‼
腹を立ててクッションをドアに投げつけると、アタシはベッドに寝転がった。
こうなったのも、全部ダリアの所為よ……。
アイツさえいなけりゃっ‼
「全部ダリアのせいよ……アルカは私のものなんだから‼」
アタシの目には、狂気の炎が燃え上がっている。
その炎は、もう自分では消せないものになりつつあった……。




