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「ねね」ちゃん  作者: きゃんぷ3
苦い思い出1
21/26

兄貴✖️俺✖️いろは神社の中

兄貴…何をやっているんだ?

急な傾斜の下り坂部分に腰掛けながら、木々に向かってリズミカルに頭を振る。

そんな兄貴を見て、俺はそう思った。

俺は注意深く耳を澄ます。

すると、鳥のさえずりや、虫の音、風が木々を揺らす小さな音達…その自然の音の中に不自然な音が混じっていた。

よくよく注意して耳を傾けると…それは兄貴の声だった。

兄貴はぶつぶつと、何かを言っている。

俺は、あまりこれ以上、石段を登りたくなかったが、兄貴の声が何を言っているのかが不明瞭な為、仕方なく石段を2,3段程上がった。

「ていっ…ていっ…ていっ…ていっ…ていっ…ていっ…ていっ…ていっ…」

兄貴の声が俺の耳に届く。

ていっ…ていっ…ていっ……?

直近で…聞き覚えのある音だった。

ていっ…ていっ…ていっ……?

兄貴の声を暫くの間聴いている内、俺は思い出した。

これは…俺が俺の夢の中で聞いた声だ。

それを聞いた途端、俺は猛烈に兄貴に腹が立った。

なんだよっ!コイツっ!

俺が、今回の旅行に対して全般…乗り気でない事を薄々感づいた上でのこの嫌がらせ!

このヘタレ…俺がここまで迎えに来る事を…待ってやがったんだっ!

ヘタレのくせにっ…俺に手間を掛けさせやがってっ!

「兄貴っ…何やってんだよっ!」

「ていっ…ていっ…ていっ…ていっ…ていっ…ていっ…ていっ…ていっ…」

「帰るぞっ…!」

「ていっ…ていっ…ていっ…ていっ…ていっ…ていっ…ていっ…ていっ…」

「…聞いてんのかよっ!置いていくぞっ…ひとりでここから帰れないくせにっ!」

「ていっ…ていっ…ていっ…ていっ…ていっ…ていっ…ていっ…ていっ…」

兄貴は俺を無視し続ける。

「兄貴っ!!!…くっそっ!…もうっ!!」

俺は無視された怒りが大きくなり、その場で地団駄を踏んだ。

俺のいる石段は苔がびっしり生えている…その事を、俺はこれまでに何度か言った。

だから、当然の結果だけど…俺は、苔で滑って尻餅をついた。

痛てえっ… !

石段へ打ちつけた部分が震源地の様にジンジンと…俺の体の内部へと鈍く響く痛みに…俺は暫く耐えた。


*****

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