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三国会談

ヴェルディア王、そしてミストベール領主ヨルセフ一行が、紅の騎士団と共に帰国する前日のこと。サイノッテ王城の一室で、三者会談が開催された。参加者は、ソルゼ王国のリュカン王、サイノッテ王国のユリ王女、そしてヴェルディア王国のヴェルディア王だ。


リュカン王は、その豪快さを体現するかのように、竜騎士が操るワイバーンの背に乗って現れた。その姿は、まるで伝説の英雄そのものだった。ワイバーンは、巨大な翼をはためかせ、城の庭に着地すると、リュカン王は軽やかに降り立った。背後には、執事が控えており、リュカン王の到着を静かに見守っていた。


ユリ王女は、リュカン王の到着を、落ち着いた微笑みで迎えた。彼女は、この会談が、三国の未来を左右する重要なものになることを理解していた。ヴェルディア王は、かつての宿敵、リュカン王の威圧感に、負けじとしている様子だった。


三者会談は、厳粛な雰囲気の中で始まった。リュカン王は、まず、今回の勇者騒動における、サイノッテ王国とヴェルディア王国の連携を評価し、両国の貢献に感謝の言葉を述べた。


ユリ王女は、リュカン王の言葉に応え、勇者問題の根本的な解決策を模索する必要性を強調した。ヴェルディア王は、ヴェルディア王国もまた、勇者問題に積極的に取り組む意思を示し、三国が協力して、この問題に立ち向かうべきだと訴えた。


会談は、和やかな雰囲気で進んだものの、時折、意見の衝突も見られた。しかし、三者は、互いに敬意を払いながら、建設的な議論を重ね、未来に向けた協力関係を築くことを確認した。


特に、これからヴェルディア貨幣を三国間で共通のお金にして、要所要所に通貨発行所を設けるという話を進めた。

ただ、それが三国の発展に大変重要だと分かるものの、一番理解できていたのはユリ王女くらいだろう。


リュカン王も、ヴェルディア王もまだほとんど理解が及ばなかった。



だから、ユリ王女は側近にヴェルディア王への一筆をもらうよう申し出た。ヴェルディア貨幣にするという事は、サイノッテ王国は自国通貨ではなくなるので、通貨発行権がなくなることになる。


万が一、ヴェルディア王国から沢山借金をして、サイノッテ王国を発展させたとしても、それはヴェルディア王国からの借金であって、その借金が滞れば、国の財政破綻もありうるのだ。

そういうことのないようにとの一筆だった。

ヴェルディア王は、妻の妹の申し出にもちろんだとも、自国を愛するようにサイノッテをないがしろにするものかと誓った。


それをみて、リュカン王も同じように一筆を申し出たが。

ソルゼ王国の場合には但し書きが加わった。


ソルゼ王国は今まで敵対していたというのは、置いておいても、資源はサイノッテやヴェルディアに頼り切っている。それほどソルゼの土地は恵まれない荒地だった。周辺には魔物も多く、攻め入られにくい土地ではあったが、農作物の育ちはいまいちだった。


但し書きは、万が一ソルゼ王国が他2国に対して裏切るような行為をした場合には、同盟を白紙にし、借金の分だけソルゼの土地を差し出すというものだった。そして、交易も一切しないと約束した。


では、今まで敵対していた国同士が何故交易していたかと言えば、それは国同士というわけではなく、国の商人同士が交易していただけで、国自体はほとんど交わっていなかった。ただソルゼ王国が多少物資に恵まれていたのは、商人たちが優秀だったからということ以外にない。


今回の取り決めは、その商人たちが取引する貨幣もすべて、ヴェルディア貨幣にするという取り決めであった。


会談の場には、緊張感と同時に、三国が協力して、未来を切り開こうとする希望に満ちた空気が流れていた。

この会談は、三国の歴史において、重要な転換点となるだろう。そう、誰もが感じていた。

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