任務2
朝もやが晴れ始めた頃、ロクスとナミダは小さなシルバーウッドの外れに到着した。村は静かで、人々の気配はほとんど感じられない。
「おかしいわね...」ナミダが小声で呟いた。「こんな時間なのに、誰も外にいないなんて。」
ロクスは警戒しながら周囲を見回した。「確かに変だ。少し様子を見てみよう。」
二人は慎重に村の中心部へと向かった。道中、閉ざされた窓や鍵のかかった扉が目立つ。まるで、村全体が何かから身を隠しているかのようだった。
突然、小さな物音が聞こえた。ロクスは素早く身を隠し、音の方向を見た。そこには一人の老人が、恐る恐る家から顔を出していた。
ロクスは静かに老人に近づき、穏やかな声で話しかけた。「すみません、私たちは旅人なのですが...この村で何かあったのでしょうか?」
老人は驚いた様子で二人を見た。しばらくの沈黙の後、老人は小さな声で答えた。「あんたたち...まさか『ドランゴドル』の仲間じゃないだろうな?」
ロクスは一瞬躊躇したが、「いいえ、違います。」
「まあお前さんらは、あいつらとは身にまとっている気が違うな」
老人は周囲を見回してから、二人を家の中に招き入れた。中に入ると、老人は慌ただしく戸締りをし、やっと落ち着いた様子で話し始めた。
「一週間ほど前からだ...奇妙な能力を持つ者たちが現れて、村を脅かし始めたんだ。食料を要求したり、若者たちを連れ去ったり...みんな怯えて、家から出なくなってしまった。」
ナミダは驚いた表情を浮かべた。「まさか...ドランゴドルの仲間たちが?」
老人は頷いた。「そうだ。奴らは『ドランゴドルの名の下に』と言って、村をめちゃくちゃにしている。」
ロクスは眉をひそめた。これは単なる食料調達の任務ではない。彼らは既にこの村を掌握しているのだ。しかし、なぜドランゴドルは新入りの俺たちをここに送ったのか?
「老人、」ロクスは慎重に言葉を選んだ。「彼らは何か特別なものを探しているような素振りはありませんでしたか?例えば...『鍵』のようなものとか。」
老人は驚いた顔をした。「お前...」
ロクスの心臓が高鳴った。「この村にあるんですか?」
老人は深いため息をついた。
「あれはもうこの村にはない」
ロクスは驚いて「では一体どこへ」と言ったが、老人はロクスの声を遮った。
「村の奥にある古い祠には、代々伝わる『聖なる鍵』があった場所がある。伝説では、その場所にも深い意味があるという...」
ナミダが口を挟んだ。「それは一体...」
「その場所で鍵は生まれたんだ。場所にも力があるとは思わんかね?」老人は静かに続けた。
ロクスは考えた。
「その場所へ案内してもらえませんか?」
老人は長い沈黙の後、ゆっくりと立ち上がった。
「いいだろう」だが、気をつけろ。奴らの見張りの目はそこかしこにある。」
三人は静かに家を出た。村の奥へと向かう道中、ロクスの頭の中は気配察知で忙しかった。ロクスたちは四方八方から監視されていた。
祠への道のりは、予想以上に険しかった。彼らは一歩一歩、目的地へと近づいていった。
ようやく古びた祠が見えてきたとき、ロクスは不意に背後の気配を感じた。振り返ると、そこには見覚えのある顔があった。
「よくやったな、ロクス。」
龍腕のガルドが、冷ややかな笑みを浮かべて立っていた。




