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ドランゴドルの行方

 ヨルセフは金色の髪をかき上げ、大きな体を紅い領主の椅子にドサッと預けた。部屋の中には、彼の信頼する五人の家臣たちが一列に並んでいる。彼らはそれぞれ、ヨルセフに選ばれた「特別な力」を持つ者たちであり、まさに彼の忍びとして働いていた。そして、今日の議題は、悪名高い盗賊団「ドランゴドル」の行方についてだ。


「さて…」ヨルセフはゆっくりと口を開き、その青い鋭い目で一人一人を見渡した。「ドランゴドルの動向について、報告を聞こう。お前たちの力を頼りにしている。では、まずはアークス、話せ。」


アークスは静かに一歩前に出た。彼は影の中に隠れることができる忍びで、暗闇の情報収集を得意としている。「領主様、ドランゴドルの盗賊団は、ここ数日、北方の山岳地帯に潜伏しているという噂が流れています。彼らの首領、ドランゴドル自身が直接指揮を取っているとのことです。しかし、彼らは素早く移動し、目撃者も少ないため、正確な位置を掴むのはまだ困難です。」


ヨルセフは頷き、「北方か…。では次に、セルフィーヌ、情報を補完しろ」と、知恵の象徴であるセルフィーヌに指示を出した。


セルフィーヌは軽やかに前に出る。彼女の鋭い知識と戦略的な思考は、まさにヨルセフの頭脳とも言える存在だった。「アークスの言う通り、ドランゴドルは北方に動いていますが、彼らはただの盗賊団とは異なります。ドランゴドルは、傭兵のような組織を抱えており、兵力を増やしています。単なる盗賊ではなく、計画的な襲撃を行い始めている可能性が高いです。」


ヨルセフは眉をひそめた。「つまり、奴らはただの盗賊ではなく、軍隊を編成していると?」


「そうです。彼らは今、力を蓄え、次の大きな一手を打とうとしているでしょう。恐らく、この地方にある要塞や城を狙っている可能性もあります。」セルフィーヌは冷静に答えた。


ヨルセフは少し考え込むように頷き、次にエイラを呼んだ。「エイラ、どうだ?お前の天の目は、何を見た?」


エイラは、常に高所から物事を見渡すことができる不思議な力を持つ者で、その目で敵の動きを察知することができる。彼女は静かに前に出て言った。「領主様、ドランゴドルの盗賊団は確かに動いています。しかし、彼らの進行ルートは不規則で、意図的に混乱を引き起こしているように見えます。さらに彼らの背後には、別の勢力が関わっている可能性も…私は、その裏に動く影を確認しましたが、正体はまだ掴めていません。」


「別の勢力?」ヨルセフは目を細めた。「興味深い…。では、ルーベン、奴らの動きに対応できるか?」


ルーベンは戦闘の達人であり、彼の特技はどんな状況でも適応できる柔軟な戦術だ。彼は微笑を浮かべて前に進み、「問題ありません、領主様。どのような戦術でも対応します。奴らがどんな手を使っても、私が先んじて動きを封じることができるでしょう。」


ヨルセフは満足げに頷き、最後にロクスを呼んだ。「そして、ロクス、お前の力が必要だ。奴らの内部に潜入できるか?」


ロクスは変幻自在の能力を持ち、敵の内部に潜り込むことに長けている。「もちろんです、領主様。ドランゴドルの一員として、内部から情報を掴むことができるでしょう。ただし、時間が少しかかるかもしれません。」


ヨルセフは一瞬考え込み、座ったまま大きく息を吐いた。「なるほど…つまり、奴らは北方に拠点を構え、組織力を増している。そして背後には別の勢力がいるかもしれないということだな…。」


部屋の静けさが一層際立つ。家臣たちは一言も発さず、ヨルセフの命を待っていた。そして、ヨルセフは大きな体をゆっくりと起こし、再びその青い瞳で五人を見渡しながら、低く、しかし力強い声で言った。


「おのおの、行け。ドランゴドルを捉えてこい。」


その言葉を合図に、五人の家臣たちは静かに頷き、任務に向けてそれぞれの道を進み始めた。彼らの行動が、ドランゴドルの運命を決定づけることになるのは、そう遠くない未来のような気がした。

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