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学校と子供たち

ラウラとリリスは、サイノッテの城下町に完成したばかりの学校の寮で、新入生を迎える準備に忙しく動き回っていた。寮の廊下には新しい絨毯が敷かれ、窓からは春の光が差し込み、どこか清々しい空気が漂っている。ハナスとリベットもその場にいて、ラウラの指示を受けながら、部屋の整理や備品の確認を手伝っていた。


「ハナス、そこの机をもう少し右に寄せてくれる? あと、リベットはベッドのシーツを確認しておいてね。」

ラウラは細かい指示を出しながら、手際よく準備を進めていく。彼女の動きはまるで魔法のように滑らかで、周りの者たちも自然とそのリズムに乗せられていた。


「でも、ラウラさん、どうしてここにいるの? ポーションづくりのお仕事は大丈夫なの? 」

リベットがふと疑問を口にした。彼女はシーツを広げながら、ラウラの方を見つめる。


ラウラは少し笑みを浮かべ、手元の作業を止めて答えた。

「それはね、ハスの魔力の量がすごいからよ。まだ魔法は使えないけど、彼はもしかしたら天族かもしれないの。」


「天族……?」

ハスが目を丸くする。彼は自分が特別な存在だとは思っていなかったが、ラウラの言葉に興味を引かれた。


「そう、天族よ。」

ラウラはゆっくりと説明を続ける。

「天族は、すでに絶滅したと言われている種族で、この世界のどこかにある天空に住んでいたの。彼らは魔法で生命を生み出すことができる、とても特別な力を持っていたわ。例えば、トカゲ人間のような存在を生み出すことも、天族なら可能かもしれないって言われているのよ。」


「えっ、そんなことできるの!?」

リベットが驚きの声を上げる。彼女はハスを見つめ、その可能性に興奮しているようだった。

「じゃあ、ハスもいつかそんなすごい魔法を使えるようになるかもしれないってこと?」


「そうかもしれないわね。」

ラウラは微笑みながら頷いた。

「でも、まだ何もわからないから、まずはここで勉強してもらおうと思っているの。この学校で、彼の力を引き出せるかもしれないし、もし本当に天族の血が流れているなら、その力を正しく使えるように導いてあげたいのよ。」


ハスは少し戸惑いながらも、ラウラの言葉に頷いた。

「わ、わかりました……。でも、俺に、そんなにすごい力があるなんて思ってもみなかったです……」


「大丈夫よ、ハス。」

リリスが優しく声をかける。

「私たちがついてるから、安心してね。きっとあなたの力は、みんなを助ける素晴らしいものになるわ。」


ラウラは再び作業に戻りながら、心の中で思った。

――もしハスが本当に天族の血を引いているなら、まだ天族は絶滅していないという事だ。

その可能性に、彼女の胸は高鳴っていた。


一方、ハスは自分の手のひらを見つめ、どこか遠い空を思い浮かべていた。

「天族……天空に住んでいた種族……」


もし自分にすごい魔力があって魔法が使えたなら、周りにいる大切な人たちをそして妹を自分の力で守れるかもしれない。ハスはそんな想いに心躍らせた。




新入生たちが寮に到着すると、そこにはまるで夢のような光景が広がっていた。孤児や貧しい家庭の子供たち、そして奴隷として苦しい生活を送ってきた子供たちが、初めて自分の部屋を見て目を輝かせていた。


「うわー!これがベッドなの?ふかふかだ!」

一人の少年がベッドに飛び乗り、その柔らかさに驚いたように笑顔を浮かべた。


「ここに机があるよ!勉強できるんだ!」

別の少女は机の前に立ち、その上に置かれた新しいノートとペンに触れながら、興奮気味に声を上げた。


「お洋服もある!こんなきれいな服、初めて着る!」

もう一人の少年は、クローゼットに掛けられた新しい制服を見つめ、目を輝かせていた。


ラウラとリリス、ハナス、リベットは、そんな子供たちの喜ぶ姿を見て、自然と笑みがこぼれた。

「みんな、好きな部屋を選んでね。これからここがあなたたちの家になるのよ。」

ラウラは優しく声をかけながら、子供たちの様子を見守る。


「ラウラさん、ここで本当に勉強できるの?魔法も教えてもらえる?」

レナがラウラに駆け寄り、期待に満ちた目で尋ねた。


「もちろんよ。魔法も、勉強も、ここでたくさん学べるわ。」

ラウラはレナの頭を優しく撫でながら、にっこりと笑った。


「リリスさん、この机、本当に使っていいの?壊しちゃったらどうしよう……」

 ハスがリリスに不安そうに尋ねる。

「大丈夫よ、壊れたら直せばいいんだから。思いっきり使ってね!」

リリスは明るく答え、ハスの肩を軽く叩いた。


ハナスとリベットも、子供たちに囲まれながら会話を楽しんでいた。

「ハナスさん、あなたもここで勉強するの?」

一人の少女がハナスに興味深そうに尋ねた。

「うん、僕もみんなと一緒に勉強するよ。まだアシスト以外の魔法は使えないけど、頑張るつもり!」

ハナスは少し照れくさそうに答えながら、少女の手を握った。


「リベットさん、この寮にはご飯も出るの?お腹すいちゃった……」

別の少年がリベットに尋ねると、リベットはにっこりと笑って答えた。

「もちろん!今日の夕飯は特別なメニューよ。みんなで一緒に食べようね!」


子供たちの笑い声や会話が寮中に響き渡り、そこには活気と希望が溢れていた。ラウラはそんな光景を見て、心の中で思った。

――この子たちが、ここで新しい未来を切り開いていくんだ。

彼女の胸には、温かい思いが広がっていた。


リリスもまた、子供たちの笑顔を見て満足げに頷いた。

「みんな、これからたくさんのことを学んで、成長していくんだね。」


ハナスは子供たちと一緒に部屋を回りながら満足していた。


リベットは子供たちに囲まれながら、これからの日々を想像していた。

「きっと楽しいことがいっぱい待ってるよ。みんなで一緒に過ごそうね!」





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