訪問
数日が経ち、バンパイアの城には再び動きがあった。デフィータは、勇者の血によって若々しさを取り戻し、以前よりも力強い存在感を放っていた。その彼女のもとに、若きバンパイアが急ぎ足で近づき、深々と頭を下げた。
「ばば様、城の前に見慣れぬ族がやって来て、献上品に宝石と若い人間を持ってきたと言っています。」
デフィータは玉座にゆっくりと座りながら、眉をひそめる。
「む、何やつだ?」
「ドランゴドラと名乗っています。」
若きバンパイアが報告すると、デフィータは首を傾げた。
「ドランゴドラ……?まったく聞き覚えがないな。」
彼女の声には、興味と警戒が混じっている。長い年月を生きてきた彼女にとって、未知の存在は常に注意を払うべき対象だった。
「若い人間だけ奪って殺してしまってもいいが、何か他に言ってなかったか?」
「はっ、何でも耳寄りな情報を持ってきたと言っていました。」
若きバンパイアがそう伝えると、デフィータは少し考え込み、やがてゆっくりとうなずいた。
「そうか、分かった。聞くだけ聞いてやろう。」
彼女の言葉に、若きバンパイアは深く頭を下げ、城の門へと走り去った。
こうして、バンパイア城の門がドランゴドラに開かれた。門の向こうには、盗賊と貴族を足したような奇妙な風貌の男が立っていた。彼の肌は灰色がかっており、目は鋭く光っている。大きな荷車を3台、数十名の仲間を引き連れている。
「ようこそ、ドランゴドラ。」
デフィータが玉座からゆっくりと立ち上がり、男を見下ろす。彼女の目には、興味と警戒が入り混じっている。
「私は、ドランゴドラ。遠くから参りました。」
ドランゴドラが深々と頭を下げ、宝石の袋を差し出す。
「これは、ばば様への献上品の一部です。ソルゼ王城に保管されていた品で御座います。どうかお受け取りください。」
デフィータは宝石にちらりと目をやり、やがてうなずく。
「ふむソルゼ王城の保管の宝石をなぜおまえのような者が持っているかは深くは聞くまい……では、その耳寄りな情報とは何だ?」
ドランゴドラは薄く笑みを浮かべ、ゆっくりと話し始めた。
「ばば様、私はちかごろ闇の眷属とも手を結びました。我々は、ソルゼ王国やその同盟国に対抗するための力を手に入れようとしています。そのためには、ばば様の力が必要なのです。」
デフィータの目が鋭く光る。彼女はドランゴドラの言葉に深く興味を抱いた。
「……闇の眷属か。ふむ、面白い。」
彼女はゆっくりと玉座に座り直し、ドランゴドラを見据える。
「では、その力とは何だ?そして、我に何を求める?」
ドランゴドラは再び深く頭を下げ、声を潜めて話し始めた。
「ばば様、我々は研究で得た技術を使って、新たな兵を生み出そうとしています。それも、通常の兵士ではなく……まさに『怪物兵』です。ばば様の力があれば、その計画はさらに加速するでしょう。」
デフィータはその言葉を聞き、深く考え込む。彼女の目には、欲望と野心が浮かんでいる。
「ふむ……怪物か。確かに、それは興味深い。詳しく聞かせてもらおうか」




